デルフィニア
「ロリ巨乳同士の対戦か…。いやいや、なかなかに奥深いものだった。」
深夜3時、バトルクラブでの熱いバトルの観客と選手たちの熱気が冷めた頃、バトルクラブの主・黒い龍ことデルフィニアさん(わん♪)歳独身は、何故かコンビニのアイスが食べたくなって、疲れて眠っているであろう従業員たちや友人たちに気を使ってこっそり住処を後にした。
叩き起こせば従業員たちは喜んで彼女のためにアイスクリームを献上することはわかっていたのだが、それでは当たりはずれのスリルが味わえない、と夜の散歩を楽しみつつ、何故かバトルクラブの側に作られたコンビニ『セブンテイル』の明かりに誘われて店に入った。
なお、デルフィニアに関してはチェチェ様著作『激闘!!!バトルクラブ!!!』(面白いよ!)をご覧くださいませませ。(無断宣伝)
デルフィニア
「ふむ……店内の品揃えも申し分ない。それに豊富な雑誌…、週刊魔物セブンの新刊がこの時間に並んでいたとは…。今週の特集は……『モテる!着物で気になるあいつをげっちゅー♪』か。…………くだらんな。くだらんが、一応買っておこう。………あったな、我が好物『ペロペロくん』。これが楽しみでこんな時間に散歩したというものだ。これを……2本っと。」
???(店員)
「いらっしゃいませ〜♪」
デルフィニアがアイスと女性週刊誌をレジに持っていくと、深夜だというのに愛想が良くてハキハキした挨拶で、稲荷の店員が出迎えた。
デルフィニアは、その稲荷の対応に感心しつつ、自分のバトルクラブでも受付に見習わせようなど、今後の方針を頭の中で描きながら支払いを終える。
???(店員)
「ありがとうございました〜。……うふふふふ♪」
入り口の自動ドアを抜けると、お店の前に設置されたゴミ箱の前でアイスの袋を開けると、デルフィニアは美味しそうにアイスを食べ始める。
デルフィニア
「あむ……ちゅ…。おっと、垂れてきた。いかんいかん…れむ……じゅる。それにしても、コンビニ前にたむろする若者すらいないとは……益々以って完璧なコンビニだ。さて、このアイスは……残念だ。はずれてしまったな。どれ、もう1本。」
とアイスの袋を開けた瞬間、デルフィニアは不意に声をかけられた。
こんな時間に誰だ、と声のする方を見ると、暗がりから現れたのは赤いジパングの着物を着た17歳くらいの少年がコンビニの明かりに照らされ、恥ずかしそうに俯きながら、デルフィニアの方に歩いてきた。
???(17歳くらいの少年)
「あ……あの…デルフィニア様ですか…?」
デルフィニア
「如何にも、デルフィニアだが?」
見れば大した力も感じない。
それでもデルフィニアは警戒を怠らず、突然現れた少年に自らの名を告げた。
???(17歳くらいの少年)
「よ、良かったぁ!こんなところでお会い出来るなんて夢のようです!!あ、じ、実はですね…、僕は……その…あなたのファンでして……こんなところでお会い出来ると思っていなかったので、つい声をかけてしまいました御無礼をお許しください…。」
嬉しそうにはにかんだり、申し訳ないのかペコペコ頭を下げたりと忙しく動き回る少年に、デルフィニアの警戒心は解け、ふっと表情が緩んで笑い声を漏らした。
デルフィニア
「クックックックッ……我が魅力も罪なものだな。思わず声をかけたか。それも我がファンと?少年、君は若さに似合わず血生臭い劇場が好きなのだな。」
???
「は、はい…、すみません…。」
デルフィニア
「謝る必要はない。人であれ魔物であれ、抑え切れぬ欲望は果てしないものだ。そうだ、少年。我がファンだと言ったね。ならば、サインと握手でもしてあげようじゃないか。」
お気に入りのアイスを食べたばかりだからか、デルフィニアは上機嫌だった。
少年はサインをくれるという言葉に喜び、急いでコンビニに駆け込むとサインペンを買って、息を切らして再びデルフィニアの下に戻ってきた。
デルフィニア
「よしよし、ではサインをしてあげよう。色紙は売ってなかったのかな?」
???
「はい、売ってなかったので…、背中に書いてもらえますか?」
デルフィニア
「良いだろう。では背中を向けて…。」
買ったばかりのサインペンの先にインクを十分に行き渡らせると、デルフィニアは、背中を向けた少年の大きな蝶の刺繍が入った着物に、自分の名前をデカデカと記す。
デルフィニア
「………む?このデザイン、どこかで見たような?ああ、そうだ少年。最後に君の名前を書いてあげよう。何という名前かな?」
???
「えっと……僕の名前は…。」
その時、デルフィニアからは見えなかったが、少年はニヤリと笑った。
ロウガ
「沢木狼牙君へ、とでも書いてくれや。」
デルフィニア
「はっ!?貴様、あの時のふぇんりる
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