ここは紳士の社交場、娼館『テンダー』。
時に抑えきれない欲望を叶えに、
時に冷たい心の隙間を埋めに、
時に運命の導きのままに、紳士たちが集う秘密…でもない場所。
今日も紳士たちは心にやり切れない寂しさを持ち寄って、
魔物という名の天女たちに会いに来る。
さて…、今日はどんなお客が来るのやら。
……あれ?
このくだり、何か前にもやったような?
―――――――――
【おやつ時】
「すみません、予約していたルイ=タニックですが。」
「あ、いらっしゃいませ。ルイ=タニック様…、はい確かにご予約いただいています。スレンダーな女の子をご希望でしたね。種族のご要望がなかったようなので、こちらでお選びしております。」
「あ、ありがとうございます。」(やっべー、種族言い忘れてた。)
では、こちらへどうぞ、と僕はルイ氏を待合室へ案内する。
「ただ今、女の子が準備中ですので、少々お待ちください。お飲み物などいかがでしょうか?」
「えーっと、軽いアルコールあるかな?」(うわー、どんな娘来ちゃうんだろ)
「申し訳ありません。当店ではアルコールを扱っておりません。何しろ、当店の女の子は皆さん魔物娘ですので、アルコールが入った状態でプレイなさりますと、心臓にとてつもない負担がかかり、文字通り命の危険に晒されるおそれがありますので…。」
「そ、そうですか。」(好みじゃない娘来ちゃったらどうしよー)
「大丈夫ですよ。心配なさらずとも、私どもの店にハズレはいませんから。」
「店長さん、心が読めるの!?」
「店長代理です。心が読めるのではありませんが、お客様が望む物を理解しようと努めますと、すんなりと心の声が聞こえてくるものですよ。」
『ぴんこんぱんぽーん、店長代理、アンヌさんのご準備できましたー。ところでまた私sound onlyなあつか(ブチ)』
ああ、準備が出来たようですね。
「ではお待たせいたしました。こちらへ…。」
「は、はい…。」(どきどき)
ロビーを抜け、エレベーター前に到着。
そこには金髪ツインテールのスレンダーな黒いドレスのラミアが一人。
きつい目元が嬉しそうにルイ氏を見詰める。
正直、ルゥさんがいなければ、僕もゾクゾクしてしまう…。
「いらっしゃいませ、ラミアのアンヌです。」
「この娘でよろしいでしょうか?」
「はい!よろしくお願いします!!」(大当たり、おおあったり♪)
「では、当店の決まり事でして、キッチリお時間は2時間です。お時間になりましたら、アナウンスが入りますので、お時間までお楽しみください。」
「あら、店長。よしてください。こんなところでお喋りなんて野暮ですわ。さ、お客様…、こちらへ。」
ルイ氏の腕に絡みつくように腕を回すアンヌさん。
これだけ器量よしの人がbT…。ランキングが上がらない理由を知っているだけに、僕はルイ氏が無事に戻ってくることを祈らずにはいられなかった。
どうか…、うちの店から死人が出ませんように!!
エレベーターの扉が閉まり、ゆっくりと動き出す。
俺の腕に絡み付いた腕をゆっくりと解くアンヌさん。
「お客様、お名前は?」
「え、ああ、ルイ=タニックって言うんだ。」
「そう、ルイね。良い名前ね。」
「ありがンム!!」
いきなり荒々しくキスされた。
口の中をやわらかくて、ぬるぬるした熱い舌に口の中を犯される。
「い、いきなり…。」
「黙って、時間がもったいないわ。」
そう言ったかと思うと、もう一度唇を奪われる。
今度は離されないように首に腕を回し、より入念に情熱的に口の中を犯される。あまりの甘い衝撃にいつの間にか私もその気になってしまい、彼女の背中に手を回した。薄く目を開いたアンヌは目を細め、さらに身体を密着してくる。
そしてエレベーターが目的の階に到着する。
無言でアンヌが唇を離す。
ただキスしていただけなのにあまりの気持ち良さに焦点が合わず、口はだらしなく開き、涎が二人の舌を糸ではなく、まるで橋のように繋いだ。
彼女の胸元も、私の胸元も、ベトベトに汚れてしまっている。
「……汚れちゃったね。」
「うん。」
もう返事どころじゃない。
「誰もいないから、もう脱いじゃって。部屋の前の籠に入れておけば店長がクリーニングしてくれるから…。」
ぼんやりとした頭で上着を脱ぐ。
「…じれったい。」
「え、わひゃあ!?」
無理矢理上着を剥ぎ取り捨てられる。
彼女も自分のドレスを脱ぎ捨てる。
そして通路で力尽くで押し倒される。
頭を打ち付けないように蛇の半身がやさしく受け止めてくれた。
「え、ちょ、待って!」
「待たない♪」
乳首を舐められ、甘噛みされる。
暖かい粘液でザラザラした舌に舐られ、絶妙な力加減で噛まれる。ラミア種特有の牙が突き刺さる寸前で止められ、噛まれる噛まれないの瀬戸際が嗜虐的な興奮を募らせる。
すでに
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