ここは学園都市セラエノの端に存在する空き地だったところ。
元々、辺境で名を馳せたある女性実業家(?)、仮にNと呼称するが、Nが北方文化を、辺境の人々に広めようと大規模な古代宗教博物館を建造すべく準備をしていた場所であった。
しかしつい最近、宗教博物館建造のスポンサーの一つである企業F(仮名)とV教会(仮名)が、急成長し急激に株価の上がった彼女の会社の乗っ取りを画策したために、元々あまり仲の良くなかった両者に修復不能な亀裂が生じたために、土地だけ確保されたものの、計画は完全に白紙に戻されてしまった。
だが、その空き地になってしまった場所を放っておく程、この町の住人はお人好しではない!
未だ土地の権利はNのものということを承知の上で、彼らはドワーフたちを金と鉱石で引き込み、祭りの準備という名目の下、Nに無許可で空き地を完全に改造してしまった。
そして出来上がったもの。
それは野球場。
学園都市セラエノの実力者の一人Rの趣味により、平和台球場を完全再現。
Nがその事実を知ったのは完成セレモニーの招待状が彼女の下へ届いた時であったという。
(プライバシー保護のため音声を変えております)
『余の与り知らぬところで、余の土地が侵略されただと!?』
当然、先の事件と合わせて怒り心頭であったNであったが、文句を言ってやろうと乗り込んだ完成セレモニーで、思わず感嘆の声を上げてしまった。
(プライバシーの保護のため以下略)
『な、何と言う造形だ。新築であるはずなのに、傷や錆びまで所々再現し、古く歴史ある球場の面影を如何なく残すとは…!えぇい、辺境の職人は化け物か!?』
完成セレモニーは滞りなく終了し、
この日のメインイベントは幕を上げる。
『ロウガの息子、命名記念!名前はお前の実力で勝ち取れCUP』
…………この町の住人は、ネーミングセンスの欠片もないらしい。
(画面の前のお友達も歌ってみよう)
『魔神の星』
ぴしゅん!
カキィーン
たったったったったったった…
ずざぁー
アウトー
わーわーわーわー!!
(あの有名なオープニングテーマ)
意外なことだけど
うさぎ跳びは効果ない
行くが女のど根性
真っ黒に萌える
ダークマター
魔神の星を掴むまで
白濁精液、魔力の源
今回は野球だ
どんとゆけ
――――――――――――――――――
天気は晴れ。
雲一つない快晴の空の下、ロウガの息子命名争奪CUPは行われた。
チーム・ゲーマルク
チーム・紅牙
チーム・雷紅狼
チーム・ユーリ
チーム・志雄
チーム・リア友に丸投げする
以上の6チームが命名権を賭けてスポーツマンシップに則って熱戦を繰り広げた。
一部には反則染みた行為が出たものの、死傷者は出ることなく穏やかに試合は学園都市セラエノが運営するセラエノ平和台球場にて熱気と興奮の中で行われ、数々の名勝負がこの日繰り広げられたのであったが、そこは敢えて割愛。
まずはBクラスになり、惜しくもプレイオフに出られなかった3チームを紹介しよう。
6位/リア友に丸投げする
所詮人数合わせのために参加させたチームだったためか、ブッチギリの最下位の座に納まった。
首位とのゲーム差が50って一体何だったんだ!?
では、次の順位の発表です。
5位/チーム・紅牙
首位から5位までのゲーム差が僅か4.5という大混戦の中、3位と1.5ゲーム差で惜しくも5位になりました。
しかし、首位打者と最優秀防御率投手を輩出するなど大健闘。
順位は低迷したものの、充実したチーム力を見せ付けた結果に終わりました。
次の順位です。
4位/チーム・ユーリ
3位に0.5ゲーム差及ばず惜しくもBクラス転落。
シーズン中盤から怪我人続出で主力メンバーを欠いた状態が長期化したのが最大の敗因か。
打撃は低迷してしまったものの、シーズンを通してチーム防御率1位を維持し続けたのはまさしく賞賛に値するものでしょう。
…………え?
そういえばさっきから、シーズンだのゲーム差だの何のことだって?
…………気にしないでください。
…気にしたら、負けです。
色んな意味で。
3位/チーム・ゲーマルク
チーム本塁打数第一位の球団であったが、悲しいことに防御率が伴わず、プレイオフでもその弱点を露呈し、2位のチーム・雷紅狼に逆転負けを喫してしまいました。
名前の示す通りに力強い球団でしたが、粘りがもう少し欲しかったシーズンでした。
しかし、チーム平均本塁打数が36本というのはまさに脅威であり、他チームに与えた恐怖を考えれば、まさにその存在感を如何なく見せ付けたシーズンであったと言えるでしょう。
それではお待たせいたしました。
決勝戦最終試合。
チーム・志雄vsチーム・雷紅狼の模様をお楽しみください。
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