第五章 ゴブリンとのH

「あっ…サラっ、そんなっ…っ」
朝。目覚めれば隣で眠る愛しい存在が甘声を上げている。
その奥ではトモエがにまにま笑っていた。
「ラウラちゃん…サラさんと夢の中で閨事でもしてるんやろかぁ?」
「……っ」
こんな可愛らしくあどけない女の子がぼくを思ってくれているなんて。
「お嫁さん候補やねぇ。うちは何人好い人作ろうが大丈夫ですよぉ♪サラさんに愛してもらえるなら…♪」
「トモエっ…悪戯が過ぎます」
ラウラごとトモエを抱きしめる。
「ふぁ……さ、サラっ!」
丁度ラウラが目覚めた。顔は真っ赤だ。
「おはよう」
何事もない様にラウラを抱きしめつつ、起きるのを促す。すると…
「ラウラちゃん、さっきどんな夢見てはったん?」
ちょっとトモエさんッ!!折角スルーしたのにっ。
ラウラはぷいっと顔をそらせる。
「教えてくださいな」
ぐいぐい押していくトモエ。ラウラは蒸気が噴き出しそうな勢いで真っ赤になっていく。
「トモエ、止めてあげて」
「堪忍」






「……サラとえっちしてた………夢の中で」
ラウラも言わなくていいのーッ!
やばい、トモエのペースだ。
トモエはちょこんとベッドの上に正座し、膝上にラウラを抱き抱え、にこにこしながらぼくに見せつける。
「あたし…変なのかな…サラが男の子で、いきなり求められて…赤ちゃん出来たの…凄く…幸せだった」
「やって?サラさん」
わーッ!何言ってんですか!
トモエは本当に嬉しそうだった。本来は好きな人に思いを寄せる人が現れたら焦るか不快感を示しそうなのに、魔物娘の価値観はわからない。いや、トモエが変わってるだけなのかも。
「ねぇ、もし本当にサラさんが男の子やったら、どうするぅ?」
ちょっとぉーーーッ!?
「そんなことあるわけないじゃん!」
それも悲しいな。一応男なんだけど。
「もし、もしもですぅ。男の子やったら嫌いになる?」
「嫌いにならない。大好きだもん。それに、男の子だったら結婚できるし赤ちゃん産めるし」
「やって?サラさん」
爆弾発言の連続。生きた心地がしない。
小声でトモエは耳打ちしてくる。
「ラウラちゃんならあなた様が殿方でも受け入れてくれはるよ♪サラさんがその気なら……襲ってあげても…♪」
悪魔の囁き。トモエはさあヤってしまえ!とばかりににこにことぼくの背中を押しまくる。だけど、この子は大切な家族だし。あれ?でもトモエも家族にしたいし二人とも愛しいのは違わない。悩むぼくを見てトモエは何か思いついた顔をした。
「サラさんは本当に紳士さんなんやから。いいです」
「ふぇ?」
起きぬけのぼんやりしたぼくの唇をいきなり奪うトモエ。
「〜〜〜〜〜ッ!?」
「ちょっ…!トモエ何してんの!?」
パニクっているのはぼくもラウラも同じ。
だがトモエは更に爆弾を投下する。
「ラウラちゃんっ…」
「んんっ!?」
抱きこんでいたラウラの顎をくいっと持ち上げ、上を向かせて唇を奪う。
「っ……ラウラちゃんの初めてはうちが頂きました♪」
「ちょ…トモエっ!大切なラウラに何してるんですかぁ!?」
「そ、そうだよッ!!初めてはサラに捧げたかったのに!!」
真っ赤になってトモエに掴みかかるぼくとラウラ。
「あらぁ?仲良しさんやねぇ。二人とも相手を大切に思てるみたい」
「「あ!」」
改めてお互いが言った事された事を意識して真っ赤になるぼく達。完全にトモエに引っ掻きまわされている。
「二人とも本能では惹かれあってるのに変に遠慮してぇ…だからうちみたいな悪い女に先こされるんですよ?愛しいと感じたら強引にでも思い伝えな」
言いつつ怪しい手つきでラウラの首筋から鎖骨にかけ手を撫でまわす。ラウラはぞくぞくした様子でされるがままになっている。
無理矢理ラウラをひっぺがえし、抱擁する。
「ラウラは大切な家族です!勝手に手を出さないでください!」
「言いましたやろぉ?うちは悪い女やって」
ラウラに目をやると、真っ赤なトロ顔になっている。トモエがキスした時に何か好からぬ事をしたのかも。…ラウラってこんな色っぽい顔もできるんだ…
「じゃぁ♪邪魔者のうちは退散しましょか?」
散々ひっかきまわした揚句無責任にどろんするトモエ。相変わらず掴み所が無い。後でお仕置きだ。






目の前にはその気になったラウラがポツンと座っている。
「さ、サラ……キスして」
腕の中のラウラまでおかしくなってしまっている。どうしよう。
「キスしてぇ…トモエにファーストキス奪われちゃったからぁ…」
完全に“女の顔”になっておねだりしてくる。言われるがまま唇を重ねる。
「ん……ごめんなさい。キスしてしまいました」
「いいよ…サラになら何されても…あたし…いいから…」
ラウラは完全にその気になってしまっている。
「ラウラ…ぼく、こんな時にうやむやで、本当にごめん……好き…だから」
「っ
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