第三章 クノイチとの初夜

「サラさん…起きてはる?」
「むにゃ…うぅ〜ん…」
ベッドの上、カーテンの間から漏れる薄明かり。まだ早い。もう少し寝ていたい。昨日はとても色々あったから。
「起きな悪戯してまいますよ…?」
下からゆったりとした女性の声が聞こえる。声だけで穏やかな気分になる。誰だろう、この優しい声の持ち主は。
「くす♪…可愛いらしい寝顔………我慢できません♪」
「んぁ…?」
夢現のぼくの下腹部に凄まじい快感が走る。跳ね起きると、ぼくのモノが極東の美女に手淫されている。
「ちょ…ッ……ぁっと、トモエさん何を!だめ、ん……ですぅう…!」
「くす♪女の子みたいな体してはるけど、ここはちゃあんと立派な殿方なんやねぇ♪」
細く白い指でとても大切に扱われている。しごくと言うにはあまりに優し過ぎる動き。もどかしい。
「どやろ…?ちゃんと出来てますぅ?」
「はぁあう!こんなっ、やッめッてッ…」
「……うち、下手?」
「そ、そんな事はッ…!とても気持ちぃッ…ですッ、けどッ」
「よかったあ♪えぇんやね?」
トモエさんは相変わらずとてもマイペース。綺麗な手でぼくのモノをゆったりさする。行ったり来たりする度に、軽く握ってみたり指でなぞってみたり。
「と、トモエさん…!一旦、いったん止めてッ」
「はいな…♪」
腰砕けになるぼくは、やっとの思いで上半身を起こし、悪戯していた美女に批難の目を向ける。
「そんな怖い顔しんといて?ちょっと悪戯しようと思っただけなんよ」
全く反省の色を見せず、とろんとした目つきで豊満な肉体を惜しげもなく晒している。とりわけ浴衣がはだけて見える魔乳が凶悪だ。魔乳には東洋文字の刺青の様なものが浮き上がり、耳はとがって、大きなお尻からは長い尻尾が伸びている。これがクノイチである彼女の本当の姿なのだろう。
「っいきなりすぎます。何もかも」
「堪忍。でも、しぃ〜…やよぉ?まだラウラちゃん寝てはるからねぇ」
隣ですやすや眠るゴブリンの少女。一歩間違えば大変な事になる。
ゆやんゆよんと胸を揺らしながら身体を寄せてくる。うわ…!甘ったるい匂い…!
「サラさんったらよくこんなモノ持ってて周りに隠せたねぇ」
ぼくのアレに優しく手を触れて愛しげにくにゅくにゅする。
「あっ……ちょ…っ、ぁんっ、ラウラは遅くまで寝てますし、ん…使用人達は許可を出すまで入るなと言いつけてあるから…」
「それはええ事聞きました…♪」
「ちょ…トモエさん…?そんな格好で、朝から、あまり近付かないでください」
「どして?目障り?」
「………正直、襲っちゃいそうです……ぼくも、男…ですから……」
「襲ってくれはってええんよ?」
あられもない姿で誘って来る極東のサキュバス。理性で本能をねじ伏せ、何とか話す。
「ッ昨日と話が違うじゃありませんか。お友達から…はじめるってぇえ…」
「あらぁ…“サラさんは”うちをお友達と思って接してくれてもええって言うたのん。うちはずっと狙てましたよぉ…?」
「何ですかっ、んぁッ、その詭弁」
「最初に言うたでしょ?うちは悪い女ですよ?絶対に落としてやるとも言いました。クノイチに二言はありません。覚悟なさってぇな…?」
とても愛らしい笑顔で更に身を寄せる美女。わざと身体を見せつける様にいやらしく。しな垂れかかってくるトモエさんにどうにか離れてもらおうと頭をめぐらす。
「ラウラがっ、んっ……ラウラが起きちゃいますよ」
「サラさん、可愛えなあ。御自分でラウラちゃんは遅まで寝てる言うてはりましたよ」
言いつつ内股までさすりはじめる。こちらに快楽を与えて逃げられない様にしつつも、絶対にすっきり出来ない絶妙な動き。何と言うテクニックだろう。
「ふぁ…だめっ…ぁん」
「声まで女の子みたぁい……イケズしたなりますぅ…」
肌が触れ合い吐息も交わる距離。凶悪な胸がぼくの胸に押しつけられ、ぐにゅりと形を変える。肌艶までいい。女の人の肌ってこんなに綺麗なの?こんなの反則だ。
「とっ、ともえひゃん…」
「なぁあにぃ……?」
「そのっ、あっ…やめてぇ……ぇえ」
「なんでえ?気持ちええんやろ?それとも、うちを立ててくれはったん?やっぱり本物と人形じゃあ勝手違いますぅ?」
クノイチは人形で夜の技術を磨くのか。ちょっとほっとした。もし他の男の人と練習してるんだったらもやもやしていた。
「あ…いまとても可愛えお顔された。何かええ事でも?」
「トモエさんがあッ、まだ男性経験がなくてっ、よかったなって…とってもぉ!ッ、ッ、ッ、お上手だしぃッ!!……ぁんっ経験豊かなのかと……不安でしたっ…」
「まあ…♪妬いてくれはったん?嬉しいわぁ…♪」
華やかな笑顔になるトモエさん。だが手は止めない。ぼく自身を弄る。意地悪だ。気付けば唇が触れそうな距離まで顔を近付け合っている。本当に綺麗な人だな。
「ジパングの魔物はとりわけ貞
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