幸せの絶頂

                        〜あらすじ始まり〜

俺の名前は只野忍。神秘(笑)の国ジパングに住まう好青年だ。
人間の父と稲荷の母を持つ俺はどっからどう見ても普通の男。世の趨勢に興味はなく、このまま畑を耕して一生を終えるんだろうなって思ってた。
しかし神様はそうさせてくれなかった。十五歳の誕生日、俺は自分が「魔物を滅ぼしうるジパング伝説の決戦兵器」である事を親から聞かされる!
突然の言葉に俺は大いに悩んだ。聞いてしまった以上魔物を滅ぼすために行動するべきなのだろうが、きっかけを掴めず悶々とする日々を送る。
そんなある日、なんと魔物からの夜襲を受けてしまう。
それも夜襲をかけてきたのは幼馴染の千波!なんと彼女はクノイチという魔物娘で、俺を性的に籠絡し忍びの里にお持ち帰りしようと企んでいたのだ!
しかし親父とお袋が毎夜繰り広げる大プロレスごっこを研究し続けていた俺は逆に千波を攻め立て、返り討ちにする事に成功する。
そして、千波と一晩熱い夜を過ごした俺は決心した。お袋と千波を滅ぼしたくないから、冒険には出ない、と!
千波はそんな俺の決断を喜び、以後は俺に仕え守ってくれる事を約束する。
こうして俺は千波と結ばれ、幸せな家庭を築いたのだった!

                         〜あらすじ終わり〜



ある日、畑仕事を終えて親父と一緒に家へ戻った時の事。
いつものように馬鹿な話をしながら帰ると、軒先で二人の女性が出て迎えてくれる。
一人はお袋。もう一人は千波だ。

千波は俺が主になって以来、ずっとウチに住み込みで仕えている。
もちろん親父もお袋も昔から千波の事を知っており、今では家族の一員としてすっかり溶け込んでいた。

「お帰りなさい、あなた」
「おう」

親父はそう言うとお袋の頭を撫で、それでお袋は幸せそうに目を細めている。
そんなイチャコラを横目で見つつも、千波はいつもの無表情で俺を迎えてくれた。

「……しー君、おかえり」

俺は親父を見習い、ちなみの頭にとんと手を置く。

「……あっ」
「ただいま。いつも出迎えありがとな、千波」

そう言って少し強めに髪をわしわしと撫でてやる。

「あっ、あっあっ…あっ……あ…」
「……ん?」

千波は体をぶるりと震わせる。こちらへ上目遣いを寄こしながらも、顔が紅潮し口も半開きだ。
はて、と俺は疑問を感じる。照れ屋で攻めに弱いちなみだが、いくらなんでもこの反応は妙だぞ、と。

俺が訝しむと、お袋がどこか困ったように笑って千波に問いかける。

「千波ちゃん、もしかして……またイッちゃったの?」
「……ん」

千波は顔を赤くしてこくりと頷く。
驚いたのは俺である。思わず千波の頭から手を放し、黒くて短い下穿きに目をやった。
その股の間からは、滴がぽたりと垂れている。

「え……千波、イクって…今のでか?」
「……ん」
「さっきまでオナニーしてたとかじゃなくて?」
「……私、おなにーしない。しー君いるから」
「……えっと、何も無かったのが、俺に頭撫でられて、それだけで絶頂まで?」
「そう。……ん、あっ」

会話中、また千波が体を震わせる。
まさかと思いつつも再びそこに目をやると、水滴どころか、着物の下が外からでも分かる程に濡れている。

「まさか…」
「……二回目。しー君の執拗な言葉攻めのせい」
「あらあら、仲のいい夫婦ねぇ」
「ちょっと待てよ!?」

千波は顔を赤くしたまま、責めるようにじっとこちらを見上げる。
その様子をお袋はこれまた嬉しそうに眺めている。これも大概どうかと思うのだが。

俺がめくるめく衝撃の事実についていけず呆然としていると、とりあえず、とお袋が両手を合わせて提案した。

「忍、千波ちゃんをお風呂に入れてあげて」
「俺がか…?」
「あんた以外に誰がいるのよ。出るまでに着る物用意しておくから」

そう言うと、お袋は俺と千波を風呂場へ押し出す。それから手拭いを渡すとさっさと着替えを取りに消えしまう。
脱衣所には、俺と千波が二人きり。

「あーっと…」

行き場がなく視線を右往左往させていると、千波はそんな事お構いなしに着物の帯に手を掛ける。
間髪入れずするすると着物が落ち、内側の帷子を脱ぎ、すぐに雪色の柔肌が露になる。いっそ男らしいほどの脱ぎっぷりであった。

「……早いな、おい」
「……しー君とのお風呂、大好き」

そんな事を言う千波の顔はいつもの無表情であったが、嬉しそうな感情が見て取れる。
仕方ないなと言いつつも俺は表に出そうなほどの蕩けた脳髄で、着物の帯に手を掛けた。

一緒にお風呂はもはや日常であったが、今日は状況が状況だけになんだか妙に緊張してしまう。
広めの浴室で、裸の男女が二人きり。ちらりと千波に目をやれば、潤んだ瞳といやらしく桜色
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