俺を救うのは

眼が開く、知らない天井。俺は死ねなかった事を悟る。

「あっ、目が覚めたんですね!!今グレイリアさんを呼んできますから!!」

この騒がしい女は看護師だろうか、聞く前にドタドタと出て行ってしまったがきっとそうだ。
しかし見た感じ人間ではない魔力を感じた。キキーモラだろうか。看護師にしては背が小さ過ぎた気もするが

その女は帰ってくるともう一人小さな女の子を連れてきた。もしやまさかここは。

「グレイリアサバトか…ここは…」
「えぇ、そうよ…私がグレイリアその人」

グレイリアに色々な所の動きなどを見られる。今更恥ずかしいという感情は持ち得てなかったが幼女に体を色々されるのはえも言わぬ気持ちになった。

「貧血以外は大丈夫そう、でもしばらくは安静」
「なぁ…」
「なに?」
「なんで俺を助けた。教団騎士の俺を」

そうだ、俺は教団に所属する騎士。まだ魔物こそ手にかけてはいないが間違いなく魔物の敵だ。

「そんなの、あなたが傷ついたから。それだけ」

それだけ言い残すとグレイリアは病室から出ていく。病室には俺と看護師だけが残される。

「そういう事で、これからあなたの身の回りのお世話をさせてもらいます。キキーモラのメリアです」
「そうか…」

それから俺は何度ももう一度死のうと画策した。しかし何をしても死ねなかった、そう言う魔法でもかかっているのだろうか。

「そう言えば!!」
「なんだ…朝からうるさいぞ」
「名前聞いてませんでしたね」
「言う必要は無い、それだけ置いてとっとと出てけ。着替えは…」
「そんなこと言わないでくださいよぉ!!」

俺の声はそこで途切れるもっと大きな声に阻まれたのだ。その声の持ち主は勿論メリア。声だけはいつも大きな、この小さな体のどこにそんな力があるのか知りたいくらいだ。

「あー…分かったよ、言うよ。ジェイ。ジェイ・クロスフィールド」
「ジェイさんですね、じゃあこれからはジェイさんって言いますね!!」
「勝手にしろ」
「はーい」

そこから何故かメリアがグイグイ来るようになった。顔は可愛い…のか?とにかく整った顔なのでドキドキしてならない。敬虔な信徒ではないが一応教団騎士なので困る。

「その…ひとついいですか?」
「なんだ、お前にしてはテンション低いな」
「なんで自殺なんてしたんですか?」
「ただ…疲れただけだ」

本当にそれだけ。ただ疲れたのだ、教団の理念にも、騙し騙し生きるのも

「そうなんですね、きっとジェイさんに必要なのは疲れを癒してくれる人なんですね」
「居ねぇよ、そんな人」
「私じゃ…ダメでしょうか?」
「ん、好意はは快く受け取っておく」

そう言うとベッドに潜り込んでくるメリア

「なっ、何してるんだメリア」
「治療ですよ。それに、断らなかったのはジェイさんです」

そのまま俺の着ているパジャマのボタンを外す。

そのままの勢いで俺はメリアと体を交えた。

次の日、俺は退院した。少し早いがグレイリアを説得して退院させてもらった。

「本当に良かったんですか?」
「あぁ、早くお前と一緒に暮らしたいからな」

その日、俺は教団騎士を止めた。メリアと暮らしたいからだ。
だいすきで愛しいメリア、きっとこれからも一緒だろう。
23/04/16 00:19更新 / photon
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