堕落の剣と愛し合う兄妹

平和な日々、ポカポカ陽気、美味しい飯。そんな平和を煮詰めてできたような教団都市、ミアリスはある日

クロフェルルサバトの襲撃を受け半壊した。

「クソっ!!」

俺、ゴルドラ・アノーは後悔した

この国の護衛を任された護衛騎士団の隊長でありながら。国を、民を、そして最愛で唯一の肉親であるシルヴィア・アノーを守れなかった事だ。

「お兄ちゃん!!私は良いから他の人を助けて!!」
「なっ!ダメだ!お前もこっちに!!」
「ダメだよ!私は足が悪いから私と一緒に居たら追いつかれちゃう。だから私が囮になって魔物を引き付ける」
「ダメだ!!行くなシルヴィア!!」

戦火の中、魔物の方へ向かっていくシルヴィア。

「ダメです隊長!!もう前線持ちません!!」
「クソっ!!クソクソクソ!!撤退!!民を守れ!!」

これつい昨日の事、シルヴィアは無事だろうか…いや、ここで考えていても無駄か…

「絶対に!!絶対にシルヴィアを取り戻す」

そう誓い明日の王都奪還戦の為に眠りにつく。

次の日

俺たち騎士団は王都だ観戦のためもう一度国に入っていった。しかし国の中の様子は予想とは少し…いや、かなり違った。

「あぁっ…
#9825;気持ちいよぉ
#9825;」
「おにいちゃん
#9825;だーい好き
#9825;」
「お前が!!お前が誘ってきたんだからな!!」

などと公の場でも魔物と男性が交わっているではないか。そのため国の空気は澱み、どこもかしこも甘ったる匂いで満たされていた。

その時、俺に最悪のビジョンが写る、それは魔物に犯されている妹の姿。今の所サバトの魔物は女性しか確認されていないが男性が居ないとも言い切れない。

居てもたっても居られなくなった俺は走り出し、妹の名前を叫び探し出す。

「シルヴィアー!!どこにいるんだ!!」

当然そんな事をしては魔物が寄ってくるのは当たり前、数人の魔物が道を阻む。

「お兄さん、かっこいいね
#9825;わたしのお兄ちゃんになってよ」
「えーずるいー!!わたしのお兄ちゃんにするつもりだったのに」
「うんん、このお兄さんもぜひわたしのお兄ちゃんにって言ってるよ」
「すまないが、魔物の兄になるつもりはないんだ」

俺はそう言うと彼女らをよけてまた走り出す。

「あー鬼ごっこですか?やる〜」
「待て待てー」
「捕まえた人がお兄ちゃんにできます〜」

魔物が追いかけて来るがそんなもの振り切ればいい…と思っていたがあいつらなかなか早い、しかも数もだんだん多くなっていく。

遂に俺は囲まれてしまう。俺はここで終わりなのか?妹もみつけられてないのに…

「それじゃあお兄さんつっかまーえ「待つのじゃ!!」

決して大きな声ではなかった、しかしその場の全員に張り詰めた声が響く。

「あっ!クロフェルル様。なんで?せっかくお兄ちゃん見つかったと思ったのに!」
「そ奴には先客がおるのじゃ。すまぬの」
「そーなのーかー…」

そう聞くと蜘蛛の子を散らしたかのように魔物はどこへ行く。あたりに残ったのはクロフェルルと俺、そしてクロフェルルの後ろに隠れている1人だけだ。

「クロフェルル…!!」
「そんなに殺気立つ出ない。鷲自らお主の探し人を連れてきてやったのだからな」
「っ!!じゃあ…後ろにいるのはシルヴィアか!?」
「あぁ、そうじゃ」

諸悪の根源クロフェルル自身が来たのは不振だが今はシルヴィアがいる事だけでもいい。

「シルヴィア、こっちに来てくれ。早く逃げよう」

クロフェルルの後ろからシルヴィアが近づいてくる。うん、間違えない、これはまごうこと無きシルヴィアだ。

「お兄ちゃん、助けに来てくれたんだね」
「あぁ、当たり前だろ。最愛の家族だからな」
「家族… 家族ね…じゃあ、これからはお嫁さんにしてね
#9825;」

ザシュッ っと俺の体に衝撃と快楽が走る。腹を見れば鎧に斬撃が走っている。

「なん…で…シルヴィア?」
「まだ耐えるの?流石お兄ちゃんだね
#9825;」

そう言うシルヴィアの右手は禍々しい魔剣に変わっていた。

「カースド…ソード…」
「お兄ちゃんせいかーい。私、魔物になっちゃいましたぁ
#9825;」

とっさにバックステップで距離を取る。

「それじゃあ後は家族水入らずででの」
「おい待て!!お前には聞きたい事がたくさん…うぉ!!」
「今は私とお話ししようね
#9825;お兄ちゃん
#9825;」

クソッ、クソ、最悪以上だ。まさか魔物化してるだなんて…剣を抜くか…?いや、きっと教会なら魔物化を解いてくれるはず…

「お兄ちゃん、私丈夫になったよ!これでお兄ちゃんと何処にでも行ける。お兄ちゃんの横にずっといられる
#9825;」
「お前まさか…そのために魔物化したのか?」
「えぇそうよ、クロフェルル様は
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