準備は終わり遂に文化祭当日
「それじゃ、頑張れよタクト」
「うん、それじゃ2時間後に」
「それでは行きましょうかアル君」
アリアに手を引かれ教室から出る。他のクラスはメイドカフェやお化け屋敷、食べ物の屋台はチェロスやたこ焼き、焼きそばなどいかにもお祭り感があるものばかりだ。
「どれも美味しそうだな」
「そうですね、あっあれ律君とエリンデさんじゃないかしら?」
青い顔の律とエリンデさんがお化け屋敷に引っ張られていく、律からお化け屋敷に入るとは考え難いしエリンデさんにハメられたな。
その時、律がこちらに気づく。律はこちらに気づくと急いでこちらに近づき俺に縋りつく。
「あぁ!!助かった。アルバス君、アリアさんたすk」
「律様、お化け屋敷はこちらですよ〜」
「悪い律、これも苦手克服のためだ」
「そんなぁ、助けt」
「ご協力感謝いたします、アルバス様」
「むぐ〜、むぐ〜」
そのまま2人はお化け屋敷の中に消えていく
「…強く生きてください、律君」
「そうだな、死ななきゃいいけど」
死にそうな顔をした律を見送り、俺らは出店で軽食を食べる。お祭り価格だが雰囲気のためかいつもより美味しく感じる。
「これからどうしようか」
「そうですね…あっ、そういえばこれから演劇があるそうですよ」
「演劇か、いいね。行ってみようか」
演劇の会場の体育館は結構な人だかりになっている。入るときに貰ったパンフレットによると今回の劇は演劇部のオリジナルのシナリオらしい。
暫くすると劇が始まる、内容はお姫様と敵国の将軍の駆け落ち物語。舞台セットや服に物凄い力を入れているのかとてもリアル。演劇部なので殺陣の迫力がありとても面白い。
中盤は一時の幸せをつかんだ2人、しかしその幸せも長くは続かず敵国の追ってが2人が逃げ込んだ国に来る。ここも殺陣が生える迫力のあるシーンだ。
30分はあるだろう劇もクライマックス。将軍がお姫様を守り戦死してしまうも魔物化したお姫様の力により復活する将軍。そのまま2人は魔界にて幸せに暮らしたそうでした。
ここで劇が終わる。正直言って学生の劇だと言って舐めていた。緻密に作られたシナリオ、それに引けを取らない演技と殺陣。金をとってもいいレベルの劇だと思う。
「凄かったですね、劇」
「あぁ、凄いの一言だな」
パンフレットによると次の公園は30分後のバンド部の演奏だそうだ。音楽特待生として演奏は気になるな。
「次のバンド演奏も聴いてくか?」
「はい、これ聞いてシフト位なので聴いていきましょう」
「わかった」
同じ席に座り準備が終わるのを待つ。しかしだんだん尿意が近づいてきて…
「わりぃ、トイレ行ってくる」
「はーい」
俺は席を立ちトイレに行く。トイレは体育館の外にあるので外に出る。
「おっ、アルバスじゃーん」
「おうフラシャ…ってその荷物」
そこにはフラシャとニッキーさん。フラシャは毛布でくるまれているが恐らくターンテーブル、ニッキーさんはベースケースを背負っている。
「何か面倒事を起こす気か?先生に説明するのは俺になるんだが」
「大丈夫大丈夫」
「はぁ…信じるぞ」
「それじゃ、俺らも準備があるから。またシフトの時にな」
2人は荷物を持って行ってしまう。心配だけど二人を信じるしかない…とりあえず当初の目的のトイレに行く。
「はぁ…」
「どうしたの?」
「あぁ、不安要素がな…」
トイレを済ませ席に戻る。二人を信じるしかないのがもどかしいな…
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時間は戻り律視点に
「律様、ここに行きましょう」
「どこ?ってお化け屋敷じゃん嫌だよ!僕がお化け苦手なの知ってるでしょ?」
1−3絶叫教室だなんてなんて物騒な…
「きっとお化けに震えている律様は可愛いのでしょう。それが見たいので行きましょう」
「エリンデは仮にも僕の従者だよ?」
「はい。私は生まれた瞬間から律様の従者でございます」
その言葉とは逆にスライムの体を僕に巻き付けグイグイと引っ張っていく。
その時、アルバス君とアリアさんを見つける。これは好機、僕はアルバス君に縋りつく。
「あぁ!!助かった。アルバス君、アリアさんたすk」
「律様、お化け屋敷はこちらですよ〜」
彼女のスライム状の体に包まれ身動きが取れない。
「悪い律、これも苦手克服のためだ」
「そんなぁ、助けt」
「ご協力感謝いたします、アルバス様」
「むぐ〜、むぐ〜」
そのままお化け屋敷に連れていかれてしまう。
「怖いですねー律様」
「そんな棒読みで言われても…ヒゥ」
教室の中は薄暗くいかにも怖いという雰囲気を醸し出している。
「いやー怖がっておりますよ。コワイナー」(よくできていますね…)
「ヒウッ
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