フクロウと旅人さんのお話

 彼と出会ったのはあの日、確かバケツをひっくり返したような豪雨の日だったはずだ、その日の夜、彼は私の家のドアを叩いた。それが私シャマリアとジャックの出会いだった。

「すみませーん、誰かいらしゃいますかー?」
「はい、こんな雨の日にどちら様…ってびしょ濡れじゃない。入って、タオル持って来るから」

貴方はびしょ濡れで、お腹もすいてて、今にも倒れて死んでしまいそうだった。多分私がそこに住んでいなかったら野垂れ死んでいたのではないかと思う。ここら辺は魔物が少ないから他の魔物に助けられるって事も無いだろうし

「いやぁー助かりました、まさかお風呂だけでなくご飯までごちそうになれるなんて…」
「泣くほどの事なの?」
「そりゃあいつの間にかこの暗い森に迷い込んでしまって。まともな食事なんて2日ぶりですよ」

聞いた話では彼の名前はジャックといい今は旅人をしていると彼は言っていた。でもまさかこの場所に来てしまうなんてとてつもなく運がない人らしい。

「しかし貴方は運がないわね、何も知らなかったのでしょう?」
「ああ、ここの事は何一つわからん」
「ここは迷いの森と言って魔物以外が入ると迷ってしまう魔法の森なのよ」

取り合えずジャックを一晩泊めることにしたが…

「放してくれませんか?私はベットではありません」
「だってシャマリアさんがもふもふで俺好みだったもんで」

その言葉は私に電流が走ったような衝撃を与えた、血液など今にも沸騰してしまうのではないか

「わわ、私だってレディーで魔物だぞ。そんな事軽々しく言っていたら襲われるぞ」
「僕的には貴方になら襲われてもいいですよ」
「私は書斎に戻る、貴方は早く寝なさい」

その後私が彼をオカズにオナニーをしたのは言うまでもないだろう。当たり前なのだが彼でするのは今まで自分でするより何倍も、何百倍も気持ちがよかった。

次の日になっても雨は止むことはなかった、彼は無理してでも行くと言っていたがここで行かせてしまったらどうせまた野垂れ死ぬだけだ。

「いいんですか?今日もここに居て」
「どこぞで野垂れ死なれるよりいいだろう?君も私も」
「それじゃあ…掃除でも洗濯でも何でもします。泊めてくださるならそれくらいしないと私が嫌です」
「そうか、じゃあここの掃除と今日のお昼ご飯を作ってくれ」
「わかりました」

彼の仕事っぷりは長年一人暮らしで家事は自信があった私ですら驚く程手際が良く、リビングはどこを見てもピカピカになっていた。料理もとても美味しいオムレツとスープを作ってくれた。

「このオムレツ、ふわふわで美味しいよ。スープも私が作るよりもよく出来てる。掃除も完璧にできているなんて、君は家政婦の才能があるんじゃないか?」
「そんな、あったものでサッと作っただけですから」
「サッと作ってこれだから才能があると言っているんだよ」

その日は彼に無理矢理犯される妄想でオナニーをした、私は意外と犯される方が好きなのかもしれない。

彼が私の所に来て3日目になった、雨はまだ止みそうもなく今も屋根を叩いている。

「シャマリアさん、今日はどこを掃除すればいいですか?」
「今日は私の書斎と洗濯を頼む」
「わかりました」

彼の手にかかれば私が長年使っていた書斎もピカピカになった。もうずっと彼と一緒に暮らしたいとも思い始めてきた。

「ねぇ、貴方はなんで旅に出ようと思ったの?」
「僕が旅に出た理由ですか?それは…」
「それは?」
「僕が知らないデッカイ世界を見て僕もデッカイ男になりたいからです」

そう彼は満面の笑みで語った。その顔は未来への希望に満ち溢れている。それにしても生まれてからずっとこの家で過ごしてる私には旅は縁のない話ね。

4日目に入っても雨は止むことはなかった、彼の残念そうな顔を見るのは辛かったが心のどこかで彼がまだ私のそばに居てくれるのを嬉しいと思う感情もあった。

この日から私は発情期に入ろうとしていた、しかし私たちオウルメイジは発情期に入ってもいつもの知性を保つことができるのだ。なのでジャックを劣情のまま押し倒す事は無い…はずだ。

「シャマリアさん、今日は」
「今日は…ゆっくり休め、暫く私に近寄るな」
「あ、待ってください。体調が悪いなら…行っちゃった」

私は書斎に逃げてしまった。ダメだった。彼の顔、しぐさ、匂い、すべてが愛おしく、あのままではきっとジャックを押し倒していただろう。

「はぁ、はぁ、ダメだ。このままでは…」

このままでは彼を押し倒してしまう。発情期はいつ終わるかわからないしその間ジャックと会わないわけにもいかない。

「はぁ、はぁ。ジャック、ジャック。好きだ、大好きだ。愛してる」

ジャックの事を考えるだけで愛液が止まらない。まずい、正気はあとどれくらい持つのだろう、1ヶ月?
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