「とりあえず、何しましょう」
「そうですね、幸人さま。きっききキスとか…あああダメです破廉恥です」
あれから数日、俺もエアリスさんも初めての恋人だったのか俺らの関係は物凄いぎこちない物だった。じゃあなんであの時そんなにできたかって?きっと勢いとかなんだよ。
「じゃ、じゃあハグとか?」
「は、破廉恥です。私たちはその…そう、まだ仮期間ですから」
「何もできないならそもそも恋人じゃなくてもいいんじゃ…「恋人じゃないとだめです」
そうは言っても何もできないんじゃあ関係を進めることができないじゃないか
「あんた達ちょっといいかい?」
ばあちゃんがにゅっと出てくる、正直びっくりした。
「暇なら買い物に行ってくれないかい?」
「はい、大丈夫ですよ幸子さま」
「俺も大丈夫だけど」
「じゃあ決まりだね。はい、買い物リストとお代金。お釣りでアイスでも食べていいよ」
アイスか、そういえばこの夏は食べてないな
「じゃあ早速行きましょうか、幸人さま」
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「暑いですね」
「そうですね」
会話はここで止まる、正直学校でもそんなに女の子と話さなかったから何話せばいいかもわかんない。
「あのっ」
「どうかしました?」
不意にエアリスさんが声を上げる
「手…つなぎませんか…」
手をつなぐ、それはカップルの初めての通過儀礼でありこれからの関係を左右すると言っても過言ではない行為(実況、千里眼でのぞき見してる詩織)
ん?今どっかで詩織さんの声が聞こえた気がするんだけど…気のせいか。それより手をつなぐ…彼女(仮)だしそれ位いいよね…
「はい」ギュ
彼女の柔らかい手の感触を感じる。ヤバい、どれくらいの力で握ればいいんだ?待って、エアリスさんの匂いがする、花みたいでいい匂いだ。
「えっと、いい匂いですね」
「ありがとうございます」
結局そこで話は終わる、しかしさっきよりエアリスさんの機嫌は良さそうだ。時々鼻歌が聞こえてくる。
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「つきました、ここがこの村唯一の商店の「ぽんぽこマートへようこそ」
中から出てきたのは縞々のしっぽに丸っこい耳をもった、恐らく刑部狸のお姉さんだった
「もう。舞お姉さま、セリフと取らないでください」
「いやぁ〜詩織からエアリスが彼氏とこっち来てるって聞いたからさ」
「ってつまり詩織お姉さまはまた私たちの事のぞき見してるんですか?」
げ、バレた。逃ーげよっと
「はぁ…まあとにかくここがぽんぽこマートという商店でこの人が主人の舞お姉さまです」
「えっと、よろしくお願いします」
「よろしくね、彼氏君。ちなみに夜の方は…」
「え?」
「だから夜は…「舞お姉さま?私たちはまだそんな関係ではないです」
えっと、またエアリスさんが苦労しそうな人だな…
「とりあえずこれを、買い物リストです」
「あーはいはい、全部あるからちょい待ってねー」
「舞お姉さま、アイスあります?」
「外のクーラーボックスにあるわよ」
「私はクー〇ッシュにします、幸人さまはどうしますか?」
「僕はガリ〇リ君」
アイス食べるのもいつぶりだろうな、家じゃ食べないしなぁ
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「はいよ、おまけもついてるから」
「ありがとうございます、舞お姉さま」
「ありがとうございます」
変な人だったけど…悪い人ではなさそうだな
「じゃあ帰りましょう」
「はい」
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「さっきは舞お姉さまがごめんなさい」
「いえいえ、エアリスさんが謝る事じゃないですよ」
ん?エアリスさんなんか顔赤くない?
「その…あの…夜の方をしたい物なんですか?」
「え?」
急にその質問はダメだよエアリスさん
「ちょ…その…まだ早いんじゃ…まだこれから段階を…」
すっ飛ばしたから付き合うことになったんだった
「そうですよねアハハ、まだまだこれからですよね。変なこと聞いてしまってすみません」
「そうですね、これからキスとかデートとかしていきたいですね」
またもエアリスさんの顔が真っ赤になる
「きっきききキスはまだ早いんですが…その…このお買い物はデートに入りますかね?
「確かにデートですかね、小さいですけど」
「ふふっ、そうですね小さいデート、ですね」
「これからちゃんとしたデートもしたいですね」
「そうですね」
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