バフォ様が兄様に捧げるプレゼント

とある魔界の城の中。

ここでは、強力な魔力を持つバフォメットがおり、日々研究を続けていたの
だった。

ほら、今日もバフォ様がまた新たな発明品を作ったらしく・・・

「バフォ様〜。」

って、また気の抜けた声を出す魔女だな〜。

「うむ? どうしたのじゃ?」
「はい〜、この城に挑戦者が現れました〜。」

すげぇなそいつ。バフォ様に挑戦しようとするなんて。

「ふむ・・・ ちょうど良い気分転換にはなるじゃろうな。」
「では、謁見の間に招待しておきますね〜。」
「うむ、任せた。」

おいおい、わざわざ戦いに来た奴を招待するもんなのか?

なんていっている間にも、着々と準備していったバフォ様たち。

さて、その挑戦者とやらの様子を見に行ってみるか・・・


----------------------------------------------------------------------


「はえ〜、こりゃぁでっけー城だな〜。」

この男が挑戦者らしいな。堅っ苦しい雰囲気が微塵も感じられない。

見た目15歳って所だな。抽象的な顔だが、左目に眼帯してる。

「何とか一泊したいんだけど、やっぱ無理かな〜。」

どうやら、バフォ様に戦いを挑んだわけじゃないようだな。

・・・にしては、背中に背負っているでっかい刀はどう説明するつもりだ?

男が諦めかけたとき、

『ゴゴゴゴゴゴゴ!!』

「うお!?」

急に地響きが起こり、目の前には禍々しき穴が開いた。そして、その中には、

「お待ちしておりました。バフォメット様に挑戦されし冒険者様。」
「へ? ちょ、挑戦者?」

そこには、先ほどバフォ様に知らせを出した魔女だった。さっきと全然口調が違う。

「え、あの・・・」
「それではこちらのゲートをくぐり下さい。城の主、『インシュヴァル=
メル・ガザリオス』様がお待ちになっています。」
「は、はぁ・・・」

そう促されながら、冒険者の男は、何も言えないまま魔女の後を追うように、
ゲートの中に入って行った・・・


----------------------------------------------------------------------


「こちらです、冒険者様。」
「は、はぁ・・・」

この冒険者、さっきから『はぁ・・・』ばっか。

もう謁見の間・・・というよりも、闘技場みたいにめっちゃ広い場所につれてこられてるし。

「あ、あの・・・ここは・・・?」
「はい、我が主、インシュヴァル=メル・ガザリオス様の謁見の間でございます。」
「いや、どう見ても闘技場としか見えないんですが・・・」

と、淡々ととんでもないところにつれてきた魔女に突っ込んでいると・・・


「その通り、ここはワシが造った謁見の間じゃ。」


「!?」
「お待ちしておりました。インシュヴァル=メル・ガザリオス様。」

真上から威圧感漂う声、魔女は淡々と返事をする。その方向を見ると・・・

「・・・ば、バフォメット・・・」
「いかにも、ワシはこの城の主、インシュヴァル=メル・ガザリオスじゃ。」

そこには、少女がいた。魔女と年が変わらないぐらいの。

でも明らかに違うのは、その少女の格好。

山羊のような角と蹄、大事なところしか隠していない格好、そしてでかい鎌。

紛れもなく、上級魔物バフォメットが、上から徐々に降りてきた。

「良くぞここまで来たのう。勇気ある挑戦者よ。ここに来たとなれば、ワシに戦いを望むのであろう?(むむっ、この男・・・)」
「・・・・・・」
「その勇気は褒めてやろう。じゃが、それなりの覚悟もせねば、死ぬぞ?
(ワシの好みドストライクじゃ
#9829;)」
「・・・・・・」
「さぁ、始めるぞ!! ・・・って、どうしたのじゃ?」
「・・・・・・」

バフォメットは既に戦闘体勢。なのに男は動かない。

そして、



















「・・・・・・やべ・・・・・・超タイプなんだけど・・・///」



















「・・・・・・・・・へ?」
「・・・・・・・・・///」
「・・・・・・・・・あらら、バフォ様・・・」
いきなりの男の告白に沈黙が走り・・・



















そして、

「バ、バフォさん!!!」
「にゅわ!? な、なんじゃ?」

男は我慢できなくなったのか、バフォ様の肩を掴み、

「お、俺と! け、結婚してください!!」
「な、なんじゃとぉおおお!!??」
「あらら〜。」

そしていきなりの求婚!! 出会ってすぐに求婚って・・・

「良かったですねバフォ様〜。 タイプど真ん中の人に求婚されるなんて〜
滅多にありませんよ〜。」
「おいコラ! ワシの思いを読むでない!!
[3]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33