パシャパシャと無機質なシャッター音が静まり返った部屋に響く。
私はとっさに手で顔を覆う。それが如何に無用なことだとわかっていても、自然と体が動いていた。
「じゃあ鏡華さん。脱ぎましょうか、服。」
そんな私に男が声をかけてくる。男はすでに下着以外身につけず、荒い息で私に迫る。
「今夜一晩なんですから、そんなに硬くならないでくださいよ。」
まるで獲物を狙う蛇の様なねっとりとした低い声で囁かれる。
「ああ、そうそう。その左手にある邪魔な指輪は外してくださいね♪」
「分かり、ました。」
私は男の指示に従い、誰よりも愛している夫からもらった大事な指輪を…外した。
そう、私はこれから
この男に抱かれるのだ。
「ん、あの…本当に約束通りお金は融通していただけるのでしょうか?」
男は荒々しい鼻息とは対照的に、ゆっくり、ゆっくりと一枚一枚大事に私の服を脱がしていく。まるで私を焦らしているかのように。
「ええ。なんとかしますよ。ご要望通り、ね。」
でも、それは貴方次第ではありますが―――そう言って男は力を込めて最後の服を、私から力ずくではぎ取った。
「・・・っ。分かりました。」
一転して強引なやり方に緊張が高まるが、それを悟られまいと必死に堪える。
「ふふっ…約束は守りますよ
#9825;」
私の返事に気を良くしたのか、より一層笑みを濃くし男は頷いた。
「それでは失礼。」
「あぅ…」
如何にも女に馴れた手つきであっという間に下着を脱がされる。
ブラジャーで隠されていた大きな胸は弾けたように揺れ、冷たい空気に触れる。冷たい感覚に思わず九本ある尻尾が縮まってしまう。
そしてその冷たさは、下卑た笑みを浮かべるこの男…こんなことがなければ触れたくもない男に抱かれなければならないという現実を嫌でも実感させられる。
「おお、なんて素晴らしい。鏡華さん、あなたを初めて見た時からこの大きな胸を…堪能したかったんですよ。」
そんな私の気持ちを嬲るかのように背後から抱きつき、男は胸を愛撫する。私の後頭部にぴったりと鼻をくっつけ、匂いを嗅ぐ鼻息がなんとも言えず不快だった。
「おやおや、胸は大きく主張しているのに乳首は…恥ずかしがり屋さんなんですね。陥没乳首、可愛いですよ♪」
「ん…。いやぁ…。」
男に言われたように、私の乳首は両方とも陥没している。それは夫と出会うまでは私のコンプレックスでもあった。
『そんな鏡華のおっぱい、可愛くて好きだよ。』
夫と初めて肌を重ねる時、私はこの胸を見せるのが恥ずかしかった。だけど夫の一言で私はやっと自分の体が好きになる事が出来た。その何気ない夫の一言で私は救われた気がしたのだ。
だが、この男にまるで馬鹿にされているように言われると屈辱感が沸きあがってくる。夫に愛してもらって忘れていた幸せな記憶を消し去り、恥辱がありありと蘇ってくる。
「じゃあもっと気持ちよくなっていただくためにコレを使いましょうね〜。」
恥ずかしさに震える私を気遣っているつもりなのか、打って変わって明るい調子で男は何かを取り出した。
「これは…?」
「ローションですよ。」
「ローション?」
「ええ、少しばかり刺激物が入ってます・け・ど・ね☆」
男はそのローションを満遍なく私の胸にかけながらねちっこく語りかけてくる。そしてそのローションに混入している刺激物は私に容赦なく刺激を伝えてくる。
「ぅん、こ…これは!?」
「どうです?貴方の様な、淫乱な稲荷に効くように特別に調合した媚薬入りローションですよ
#9825;」
「くぅ…気持ちよくなんて…!」
ローションに入れられた媚薬は想像以上に強力な快感となって襲いかかる。まだほとんで触られていないのに乳首はじくじくと疼き、乳房全体はじんわりとした甘い痺れに感覚がマヒしていく。
「強がる貴方も素敵ですね。そんな鏡華さんのために念入りに乳首のマッサージをしましょうね〜!!」
「お!!少し揉んだだけで乳首が勃起しましたね〜。こんにちは☆」
「…っうぅ。やめ…て。」
それからなすすべなく胸を揉みしごかれた私の乳首は、男の言うようにあっさりと勃起してしまった。
勃起した乳首は、男から与えられた刺激に私が悦んでいる何よりの証拠であることは言うまでも無い。
「じゃあ恥ずかしがり屋さんの乳首も顔を出しましたし、次は搾るようにいきますね〜
#9825;」
「だっ…めぇ!搾っちゃやぁ!!」
だが、男はその手を弱めるはずもなく、まるでちぎり取るように私の両の乳首をひねり上げる。
媚薬によって敏感になった私の乳首は、その乱暴な愛撫でさえ喜び、私を絶頂へと追い込んで行った。
「ほら、胸だけでいっちゃえ〜。」
「あ、らめぇ
#9825;っっっんっくうぅぅ!!!」
「はは。本当に胸だけでイッてしまったようですね、淫乱な稲荷さ
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