押し倒した男と押し倒された女の二人分の体重を受けたベッドは、軋みもせず柔らかく女の背を受け止めた。
見つめあい、自然と唇が引き寄せられる。
「ん……、ふぅ……」
女の口から艶めかしい声が漏れる。
もっともっとと強請るように。
それに答えるように男は舌を女の口の中にねじ込み、蹂躙する。
「あむ……、んぅ……!」
息が苦しくなってきた。
が、それ以上に目の前の女が愛おしい。
この稲荷を悦ばせてやりたい、自分だけの物にしたいという欲望の方が勝っている。
口づけをしたまま着物を乱暴に開けさせ、彼女の豊満な胸を嬲る。
片手で収まりきらぬほどの大きさを持つそれは揉む度に柔らかく形を変え、その度に狐は身悶えた。
柔肌の感触は吸いつくようで滑らかだった。
女は手を男に押しつけて引き離そうとするが、その力は弱々しく、抵抗とはとても呼べない。
むしろ、わざと抵抗する素振りを見せて興奮を促そうとしているようだ。
しかし男はあえてそれを抵抗と見なすことにした。
唇と手を離し、体を起こして距離をとる。
女はどうしてと言わんばかりに潤んだ瞳を男に向けていた。
「やっぱり無理矢理されるのは嫌だったよな。ごめん」
「そっ、そんなことは……」
狐の表情から焦りの色が見える。
「ごめんな。押し倒したりして。嫌だったろ?」
そうしてベッドから立ち上がろうとして、袖を引っ張られることで阻止される。
「嫌……ではありませんが、その……」
女は俯いて言い淀む。
顔は見えないが、恐らくは羞恥で朱に染まっているのだろう。
「何をして欲しいんだ?」
そんな狐に男は助け船を出した。
が、それは彼女を救助するためではなく、追い打ちをするつもりで出されたものだった。
その証拠に、男の顔は獲物を追いつめた狩人のものであり、目の前の狐をどう料理してやろうかと舌なめずりをしていた。
女がどうして欲しいのかは既にわかっているがあえて口に出さない。
彼女が直接言うのを待つ。
そうやって彼女を煽ることで、自分の加虐心を満たそうとした。
そんな自分の隠れた黒さに内心驚きつつも、そんなことがどうでもなるように彼女が愛おしかった。
むしろ、愛おしいからこそサディストになっているのではないかという気さえする。
「……て下さい」
「ん?」
女は消え入るような声で呟いた。
男は聞き取れたが、あえて聞こえない振りをした。その方が楽しい。
「私にも……させて、下さい……」
消え入りそうな声で、俯きながら、おねだりするその仕草はとてもいじらしく、その様子に男はほくそ笑む。
ここで「何を」とは聞かなかった。
流石に焦らしすぎるのはよくない。
男は衣服を脱ぎ捨て、再び女の元に寄り添う。
そしてそっと女の体を抱きしめ、唇を合わせる。
啄むように、浅く。
何度も何度も。
それに応えるように彼女も手を男の胸板に這わせ、撫でる。
その手は徐々に下へと伸びてゆき、彼の分身にたどり着いた。
赤黒く脈打つそれは、火鉢の中に焼べられた木炭の様に熱く、固くなっていた。
彼女が愛おしむようにそれを撫ぜると、一瞬男の動きが硬直する。
女がそれを見逃すわけもなく、触るか触らないかぎりぎりの弱さでそれを扱く。
弱々しい刺激にもどかしさを感じる男であったが、女に責めさせると決めた以上、下手に抵抗するわけにもいかない。
女は唇を離し、その代わりに男の首周りに口づけを落としていく。
更に、逃がさないとばかりに尾を男の腰に巻き付ける。
手の動きも、先程から溢れでてくる先走りを潤滑油代わりにして徐々に早く、強くしていく。
女の口は男の首から胸板へと降りていき、舌で吹き出ている汗を舐めとる。
それと同時に、形の良い鼻を押しつけて大きく息を吸っている。
鼻腔いっぱいに男の臭いが充満し、それがより一層彼女を興奮させ、狂わせる。
「あはぁ……。貴方様の匂いぃ……」
その顔に先程までの貞淑さはなく、肉欲に溺れた一匹の雌としての表情だけがあった。
熱に浮かされたような惚けた声も、雌狐の淫靡さに拍車をかけていた。
「もっと、気持ちよくして差し上げますね……」
名残惜しそうに離れると、少し下がり頭を下げた。
男と向かい合い、ひれ伏すような体勢をとれば、目の前にあるのは彼の熱り立った分身である。
そして彼女はそれに顔を近づけ、根本から舐め始めた。
赤い小さな舌が彼の肉棒に沿って這い上がっていく。
熱を帯びた息が当たる。
潤んだ瞳を上目遣いにして男の顔を見つめている。
唇が先端に触れ、鈴口から滲み出た先走りを啜る。
そのまま口を開き、彼の肉棒を咥内に入れる。
亀頭を舌で舐め回し、吸い上げる。
卑猥な水音
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