「うんん、ん、、」
「はー、今日もいい朝!」
私は朱里、とある村に住む野菜売り。独身。
2日から3日に1回山に登り、山菜を採って帰ってそれを売る。
決して裕福なわけではないが、幸せな生活を送っていた。
今日はとびきり天気が良く、山歩きには最も適した日だ。迷うことなく、山へ向かうことにした。
午前から昼ごはんを持って、早速山菜採りに向かった。
それから数時間後。
山をひとしきり歩いたが、いつもに比べ山菜の量が少ない。
あと見てないのは、山の中腹の滝がある所だけである。
そこを最後に見て、帰ることにした。
滝の前の道に着いた時、
「なんだろう、この粉、、」
足元に落ちていたのは、キノコ色をした粉であった。試しに舐めて見たが、甘い。
「これ、新しい商品にしてみようかな」
などと考え、持ってきた袋に粉を詰め始めた。
拾い集めつつ、あまりに粉が甘いから少し食べながら進んでいた。
滝のある広場に来た時、その粉は地面を埋め尽くすほどになっていた。
それらを集めようとした、瞬間。
どくん!!!
「!!何、、これ、、」
激しく心臓が高鳴り、自分で感じるほど急に体温が上がった。
ーー只事ではないーー
それを悟り、急いで帰ることにした。
しかし、自分の意思に反して、足は勝手に滝の方に向かった。
謎の粉が入った袋を持ちながら、、、
滝に着いたら、袋を開け、中の粉を強引に口に押し込んだ。
苦しくなったらすぐに滝の水を飲み、拾った粉を全て飲み込んだ。
それが終わったら、、、
ーーどくん、どくん!どくん!!ーー
心臓はさらに高鳴った。
粉を食べ終わったかと思うと今度は服を勝手に脱いだ。
上着、ズボン、下着、、、
ひとしきり全ての装着しているものを脱いだら、今度は広場に戻りある木の根元にもたれかかった。
それと同時に、足からベタベタした灰色の液体が出始めた。
近くに大きなキノコがあったため、それに座って休もうとすると、キノコが急成長して人の姿になった。一眼見て「マタンゴ」という魔物の名前が脳に浮かんだ。
赤茶色の髪の毛、キノコ色の肌。
そして恐る恐る足元を見ると、足の肌が目の前にいる魔物の肌の色と同じになっていた。
私は悔いた。得体の知れない粉を口に入れたこと。
そしてこのマタンゴを心の底から恨んだ。
「大丈夫?」
目の前のマタンゴが優しく声を掛ける。
「安心して、すぐに良くなるから」
そう言われ、私はもう引き返せないと知った。
とうとう手までキノコ色に染まり、胸までくる髪は黒色から赤茶色に変色した。
そして、、、、、
ーービキビキビキ、メリメリメリ!!!ーー
頭が激痛に襲われ、思わず頭を押さえた。
「頑張ってーー!もう少し!!」
目の前のマタンゴに言われた。
それに共鳴する様に頭に何か生えてくる。
「んあああああ!!生えてくる!!はえてくりゅうう!!」
そしてーーーー
ぼふん。
その音が聞こえた瞬間に私は辛さから解放された。
思わず地面に倒れ込む。
「おめでとう。あなたも私と同じマタンゴになったね」
「どう?魔物になった気分は?」
不思議とさっきまでの恨めしい気持ちは消え、代わりに山と一体になれたような清々しい気持ちになった。
マタンゴーーいや元からいたマタンゴが体を起こしてくれた。
改めて自分の体を見た。
足は木の根元に固定され、肌はキノコ色に、髪は鮮やかな赤茶色になっていた。
頭にはブニブニした感触があったのでおそらくキノコだろう。そして手足の所々に握り拳ほどのキノコが生えていた。
「大丈夫?」
私が何も言わないので、痺れを切らしたように前からいたマタンゴが話しかけてきた。
「ああ、うん全然大丈夫」
にっこり微笑んで返すと、あっちも笑ってくれた。
「よかった、私は瑞希よ。あなたは?」
瑞希が聞いてきたので
「私は朱里、よろしくね!」
笑顔で答えた。
ーーそれからさらに数時間後ーー
私は瑞希からマタンゴのあれこれを色々教えてもらった。
胞子の出し方、栄養の摂取源、などなど。
そして瑞希がこんなことを言った。
「私たちが精を得るときは男性と交わって得るの」
交わる、という言葉の意味が分からなく、きょとんとしていると
「ああ、交わるっていうのはね、、」
そこで話すのを止めたと思うと、急に抱きしめられた。
刹那に、自分は全裸であることを思い出し思わず引きはがそうとしたが
マタンゴとしての本能がそれを止めた。
手に優しく力を入れ瑞希と抱きしめあった。
今度は急に自分の股の中に手を入れられたが今度はもう驚かなかった。
そして、、
「あ、、だめ、、ひゃうん!!きもひいい、、、。」
言葉になってないような抜けた声が出で同時に股からなにか液が出てくるのを感じた。
「ふふ、これが交わるっていうものよ。覚えた?」
瑞希
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