黒曜珠玉

穢れた貴方は、一途な恋人。

「ねぇ、ダーリン。今日はこんな子を連れてきたの♪」

私の腰に抱き付く…小さな彼の目の前に、一匹の魔物を差し出す。

白い、綿毛の様なものに包まれたその子は、ケサランパサラン。
幸せを運ぶ魔物で、その胞子を吸えば、極度の幸福感に包まれる。
見た目は幼いけれど、今まで連れてきたグラマーな魔物達には
手を出そうとしなかった彼のこと、もしかしたら幼女趣味なのかもしれない。

さぁ、喜んでくれるかしら?

「どう? 可愛い子でしょう♪」

ちらりと、その姿を見て、挨拶はするも…おずおずと私の影に隠れてしまう彼。

残念、この子も駄目みたい。一体何が駄目なのかしら。

「ふわふわ〜んっ♪ あははーっ♪ おにーちゃん、あそぼ〜♪」

甘え、擦り寄るケサランパサランから、逃げはしないけれど…
やっぱり、駄目ね、照れてはいるけれど、望む気分にはなってくれない。
胞子だって吸っている筈なのに、どうして変化が無いのかしら…。

これでもう、6匹目。
2匹目のサラマンダーは、別の男性を見つけて出ていっちゃったから、巣には4匹。
この子も加えて、お預け状態の魔物が5匹…。どうしたものかしら、困ったわ。
ワーウルフなんて、自慰中毒かって言わんばかりに、最近耽っているし…。
あの子達の為にも、私の為にも、早くこの子をハーレムに慣れさせないと。

「ダーリン、ほら、この子とエッチな事…してもいいのよ?
#9829;」

そもそも、この子はどうして、他の子とエッチをしようとしないのかしら。
私に迫った時は、それはもうギラギラした盛った雄そのものだったのに、
今は本当に…可愛い外見に見合った、甘えたがりな、大人しい子犬くん。
もちろん、魔物の夫らしく、性欲は強くて、セックスアピールは多いけれど…
顔を真っ赤にして、身体を擦り寄せるだけとはいえ…その賢明なサインを、
どうして私以外には向けないのか。お馬が好きなら、ナイトメアだっているのに。

まさか、私以外の女性とするのが嫌…なんてことは無いでしょう?
だって貴方は、既に他の魔物の魔力をその身に宿して、それを私に植え付けたんですもの。
その魔物から気を変えて、私のところへ移ってきたっていうこと。浮気した証。
私以外の魔物の味も知っているのなら、その魅力に逆らえる訳がない。
林檎とオレンジの味の違いを知ったなら、メロンも食べたくなるのが道理。

なのに、どうして? どうして貴方は、私ばかり…。

「おにーちゃーんっ、あそぼうよ〜♪」

無邪気に笑うケサランパサランと、恥ずかしそうに俯くダーリン。

…少し、手を変える必要があるかしら。
この子はきっと、何かきっかけを与えないといけないのかもしれない。
その何かに当たれば、今いる子達ともセックスしてくれるはず…。
反応自体は悪くないもの。相手を異性として意識してはいるし、
ある気分まではいかなくとも、ムラムラした気持ちは読み取れる。
それをぶつける相手が、いつも私なだけ。矛先を変えればいいだけ。

「ごめんね、この子、恥ずかしがり屋なの。もう、ダーリンったら…
#9829;」

…よし。次の時に、ちょっと試してみましょう…。

……………

………



「さあ、ダーリン。今日も愛し合いましょう
#9829;」

部屋の中へ誘おうと背を押すと、びくんと震える彼。
本当にウブなんだから。そんなところが可愛いのだけれど。

踏み入れる部屋…私達の愛の巣。
大きい円形のベッドを中央に、戸棚にはバイブやローター、ローションにリング、
ベッド下にはSMグッズ、隅っこに三角木馬(私の姿をした特注品よ
#9829;)、鏡の天井…。
おまけに、隣室のお風呂との壁はガラス張りで、いつでも覗き放題、晒し放題。
私が考えた、私と、この子と、皆が愉しくエッチできる、最高のラヴルーム。

…なのだけれど、この部屋に入ったことがあるのは、まだ私とダーリンだけ。
これだけ揃えた玩具も、何一つ新品のまま。洗っているのはシーツくらい。
こんなに勿体無いことが他にあるかしら。猫に小判、ダーリンにアダルトグッズ。

「うふふ
#9829; 焦らないで
#9829; いっぱい可愛がってア・ゲ・ル
#9829;」

お股を押さえて、もじもじと上目遣いの男の子。
なんて可愛いのかしら。思わず目的を忘れちゃいそう。

でも、駄目よ。今日からダーリンには、ちょっとお勉強してもらうわ。

「さっ
#9829; お洋服、ぬぎぬぎしましょうね〜♪」

彼をベッドに寝かせて、私が見立てた洋服を脱がしていく。

ふふっ。見てる見てる。
本当、ダーリンはオッパイが大好きね。目が釘付け。
ちょっと遊んじゃおうかしら。ほーら、ぺろーんっ。

「ダーリィ〜ン?
#9829; ドコ見てるのかしら〜?

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