「ちょっと貴女、ソラに寄り過ぎじゃありませんの!?」
「ぴったり貴様と同じ距離だ! 妄言を吐くな!」
あぁ、また始まっちゃった…。
「折角ソラと同じテントで眠れる権利を得ましたのに…!」
「それはこちらの台詞だ。これ程まで五月蝿い相手と一緒とは…」
ちなみに、どのテントで誰が寝るかはクジ引き制。
このテントは3人用だけれど、身体が大きいふたりが居ると、少し手狭になる。
「ごめんなさい、ソラ…。この阿呆なお犬さんの躾がなっていないばっかりに…」
「阿呆に阿呆と呼ばれるとはな。知能はスーフィ以下か」
「だ、誰が阿呆ですの!? この駄犬ッ!」
「一々言われなければ分からんか! 阿呆蛇ッ!」
…今日、眠れるかな…。これ…。
「だいたい、なんですの!? その邪魔な尻尾! ソラを圧迫していますわ!」
「貴様の尻尾は、ソラどころか私まで圧迫しているだろう!」
…ハクさんのお屋敷を出て、私達は今、魔界へ向かっている…。
次に会う相手は、うーちゃんの上司…前々から話には出ていた、バフォメット。
魔女達を統べる存在で、魔王軍の最高幹部にもなるコがいるくらい、すごい魔物。
数が非常に少なく、その能力はまだまだ未知数なところが多いらしい。
分かっていることは、サバトを率いて、男女共に誘惑し堕とす、
人間にとって非常に恐ろしい存在…と記された、図鑑情報だけ。
もう魔物の研究をする必要はないんだけれど…ちょっと興味深い。
「ムッキー! 石に変えてしまいましょうかしらっ!」
「貴様こそ! 哀れなマミーに変えてくれるっ!」
それにしても、リムさんの身体を治す手掛かりについて、進歩があってよかった。
最初のままじゃ、どうすればいいのか何も分からないような状態だけれど、
神様や天使様が治せると分かったことで、どうすればいいか、色々考えられる。
例えば…神様や天使様がよく現れる場所はどこなのか、とか。
どうすれば会ってくれるのか、とか…たくさんの疑問が湧いて出てくる。
これを一つずつ解決していけば、いつしか、目標に手が届くはず…。
「ならば喰らいなさいっ! 石化ビー…!」
「待てっ! 本当に阿呆か、貴様! ソラまで石にする気か!?」
「ハッ…! あ、危ないところでしたわっ!」
「…このままでは泥沼だ。そこで阿呆蛇よ、提案がある」
「なんですの? 駄犬」
……身体が治れば…リムさん、みんなとも仲良くなってくれるかな…。
あの時のしこりが、まだみんなの中に残っているのを、どことなく感じる。
リムさんもそれを感じていて、私以外には自分を見せられないんだと思う。
気にしないで、甘えてもいいのに。みんな、とっても優しいんだから。
それで仲良くなれるなら、とってもいいことなんだから。
「ソラに悪影響が無い方法で、我々の勝負に決着を付けよう」
「…いいですわ。どんな方法ですの?」
「互いにとって、公平な勝負が望ましい」
「………じゃんけん?」
「運任せでは納得いかぬ心持ちになるだろう」
「しりとり?」
「私に有利だ」
「○×ゲーム?」
「決着がつかな……いや、私に有利だ」
「なんなんですの、否定してばっかり! なら貴女が決めなさいっ!」
「…そうだな…」
………眠くなってきた……。
「………ソラを先に2回絶頂させた方が勝ち、というのはどうだ?」
「なっ…!」
………え?
「なんて素晴らしい勝負方法ですのっ! 見直しましたわ、駄犬!」
「貴様に言われるまでもない」
え? 何? 今、あーちゃん、なんかすごいこと言わなかった?
「でも、どうやって勝ち負けを決めるんですの?」
「ルールを定める」
「ルール…?」
「1、ソラは一切動いてはいけない」
「ちょっと物足りませんわね…」
「2、我々は自由にソラを刺激していい」
「前言を撤回しますわ」
「3、ソラが絶頂した際、それがどちらの刺激によるものか判定してもらう」
「ソラが判断するのなら、文句はありませんわ」
「4、負けた方はテントから出ていく」
「いいですとも。負けた時は、潔く外で夜を過ごしますわ」
「以上だ」
「では、早速…
#9829;」
起き上がり…私を捉える、きらりと光る獣たちの目。
本能が、逃げるべきと察して…私も、起き上がろうとした………その時。
「逃がしはっ
#9829;」
「しませんわよっ
#9829;」
…完璧なチームワークにより……あっさり捕らわれる、私。
「ソラ…
#9829; この私から、逃げられると思わないことだ…
#9829;」
「例え逃げても…わたくしは地の果てまで追い掛けますわ…、ソラ
#9829;」
上半身に馬乗りになるあーちゃんと、下半身を尻尾で締め付けるメディさん。
どち
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録