…思い出した。
全部。全部、思いだした。
私のこと。村のこと。今までのこと。みんなのこと。
……でも………あの人は、誰…?
「はじめまして、ソラ
#9829; 御機嫌いかが?」
妖しく艶めかしく、身体のラインを強調した黒い服と、
そこかしこにさらけ出された、対照的なまでに白い肌。
それを彩る、角と、翼と、尻尾。そしてたくさんのハート模様。
どこをどう取っても、色っぽさが隠せない魔性の姿。
魔王の娘、リリム。
「……あぁ…もうっ…
#9829;
#9829;
#9829;」
腰を屈めて、私の首に細い腕が絡まる。
むわっ…と香る……大人の女性の匂い。すごく濃い。ううん…濃すぎる。
ドラちゃんの花の匂いよりも濃い。今まで出会った、どの魔物とも比にならない。
それを一番…私の身体が、証明してる。正直過ぎるほど…なにもできないまま…。
「ソラッ
#9829;
#9829;
#9829; あぁ、ソラッ
#9829;
#9829;
#9829; 私の大切な人っ
#9829;
#9829;
#9829;」
不意に、ぎゅうっ…と、やわらかい胸の中に…強く抱きしめられる。
ほほに感じる、ふにゅっとしたあたたかいもの。
もちもちしてて、肌に吸い付いてくるみたいな…。
吸う息は、全部リリムの匂い。あまいにおい。いいにおい。
くんくん…ってしたくなる。くんくん。くんくん。
触覚と嗅覚が…しあわせ……。
……………。
………でちゃい……そう……。
「ふふっ…
#9829; とろけた顔しちゃって
#9829; かーわいいっ
#9829;」
……………ぁぅ……っ。
「…? ………あっ
#9829; ……ふふっ
#9829; うふふふふっ
#9829;」
「…もう、ソラったら…
#9829; いくら私が魅力的だからって…
#9829;」
囁き、くすぐる声…。聴覚までしあわせになりそう…。
声って、こんなにきもちよく感じるものなんだ…。
「うわー…。俺、リリムって初めて見たよ」
たくさんの声が、周りから聞こえる…。
「やべっ…。な、おいっ、ちょっとそこの路地入ろうぜ」
「えっ? ダーリン、どうしたの急に? コンサート行くんでしょ?」
「いいから早くっ。今はコンサートよか、お前の歌だ。足コキ付きでなっ」
「きゃっ! もぉ…ダーリン、急に興奮しすぎぃ〜っ
#9829; このスケベーッ
#9829;」
私達を、見てる…。
「うおぉ〜。オッパイでけぇぇ〜っ」
「………」
「…痛っ!? ちょ、ティスちゃん!? 鎌! 鎌刺さってる!」
「………」
「いや、ティスちゃんの胸もおっきいよ!? でもさ、ほら、アレはさすがに…」
「………」
「痛い痛い痛い痛いッ!!! 違うんだって! 羨ましいとか思ってないってば!」
………そう、だ……。
ここ……外だ…。
私…何して…。こんなところで……知らない人に…。
急に頭が、ぼぅってして………そこから……。
「…ソラ
#9829;」
あ…。
「我慢しないで、もっと出していいから…ね
#9829;」
あっ…
#9829;
「でも、周りにはバレないようにね
#9829;」
あぁっ…
#9829;
#9829;
#9829;
消えていく…。
周りの人達も、恥ずかしさも、何もかも…。
あるのは……目の前の誰かと…きもちよさだけ…。
白い世界。白い世界に、ふたりきり。
………おぼれそうなほど……まっしろ………。
「ソラ様っ!」
…はぅ……ん……
#9829;
「良かったっ…! 御無事で、本当に……本当にっ…!」
…はぁっ……はぁ…
#9829;
「…ソラ様…?」
「ユニコーンちゃんも、ソラのお友達?
#9829;」
「あ、はいっ…。……あの…、貴女は…?」
「私はリム
#9829; …そっちの、人間の子も?」
「………」
「…? ミーファ様?」
リム…さん……
#9829; んぅ…っ
#9829;
「…そっか」
「ミーファさ…」
「ソラちゃんから、離れろ」
「えっ?」
「あら
#9829;」
「ソラちゃんから離れろっ!!」
はっ…
#9829; ………ふとももで……しちゃお…っ
#9829;
「そんなに怒鳴らなくて…んっ
#9829; …怒鳴らなくても、いいじゃない
#9829;」
「あんたが…教団のお偉いさんと同じ顔が…魔物だった時点でっ!」
「それが、ソラちゃんを狙っている時点でっ!!」
「えっ? えっ?」
「…ユニさん」
「そいつ、敵だ。理由は分からないけれど…」
「ソラちゃんを…悲しませた奴だ」
「ッ!」
…ぅぁ…っ…
#9829; おっぱい…みたい…
#9829; ふかふか…
#9829;
「ふふっ…
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