ウーズラは自分の体形が嫌いだった。
それを言うなら自分の中で好きな部分など無いに等しいが、身体的特徴には特にコンプレックスがあった。
顔は不細工なのだからせめて身長は伸びて欲しいという本人の願いとは裏腹に育ち盛りの時期を迎えても一向に背は伸びず。
気が付けばクラスの中で最下位の身長になっていた。
手足の短さは見栄が良くない上に武術の上でも不利に働く、それでなくとも運動神経が鋭い方ではないというのに。
かといって魔術の才があるかと言えばそんな事はない、才能があったならこんな事態になる発端を起こす事もなかった。
そして最も恥ずかしい事に、ウーズラの体の中で最も成長した部分というのが下半身の一部だった。
そう、着替える時に同級生に指摘されて初めて気付かされたのだが、ウーズラの陰茎は体躯に比べてかなりのサイズを誇る。
身長は最下位なのにアレのサイズは一番。
それが、たまらなく嫌だった。
普通の男なら誇るところかもしれないが、ウーズラの家系は敬虔な信者だ。
主神の教えにおいて性的な事象は辟易すべきものとされている中で、陰茎のサイズの大きさなど取柄でもなんでもない。
そもそも使うあてもない癖に、ずっとそう思っていた。
その自分の最も忌むべき部位が、今。
「ふっ……ふっ……ふっ……ふっ……」
荒い息遣いを肩に感じる。
それに伴って体に密着する柔らかく、引き締まった体から伝わる鼓動。
何より、陰茎に伝わるオラシオの……。
繋がりっぱなしの状態になってから、彼女はずっと辛そうだ。
その彼女の苦しみの根源が自分の「あの」陰茎だと思うと、つくづくやるせない気持ちだった。
そもそも自分が性的な興奮を抑えてこれを小さくする事ができたなら……。
「す……すみませ……」
ぴた、と口元に細い指が当てられる。
「謝らなくていいって、何回も言ってるよね?」
顔を紅潮させながら、オラシオが言う。
その声も普段よりかなり上ずったものだったが……。
「それより、静かにしよ……騒いだら来られるかも……」
「う……うっす……」
そうは言うが、実のところ見つかった所で困るような状態でもない。
二人が監禁されている部屋はベッドと寝具と……贅沢な事に身を清める為の湯の出る風呂が設置されている。
捕虜にあてがわれるような部屋ではないが、それでも入口のドアは固く閉ざされており、窓にも丈夫な格子が嵌められている。
簡素な部屋着で拘束具に繋がれた二人は下手な社交ダンスでもするようによたよたと部屋の中を調べ、どこからか脱出の糸口が掴めないか試行錯誤しているところだった。
無駄な行為かもしれないが、何もせずにじっとしていると快楽に集中してしまう。
とにかく、何かやる事を探さなくてはいけなかった。
「どうにかなりそう……でもないねこれは」
窓の格子を掴んで揺すりながらオラシオが言う。
魔法が使えたならどうにかなったかもしれないが、部屋全体に魔法を封じる結界が張られているようだった。
「……あれってどうだろ」
と、オラシオが上を向いて指さした。
ウーズラも見てみると、格子の嵌っている窓の上、天井付近にもう一つ小窓がある。
小さいが、格子はない。
「で、でも高い……っすね」
「力を合わせればいけるいける、授業でやった基礎訓練思い出して」
「……えー……まあ……」
確かに学園では戦闘以外の走る、飛ぶ、投げる、などの基礎体力向上の訓練も受けている。
しかし……。
「こ、この体勢だと厳しくないっすか」
二人は繋がっている状態である。
「だから「力を合わせて」なの、まず、そっちの格子掴んで?」
「……っす」
ウーズラが格子を掴むと、反対側をオラシオも掴む。
「私はここにこうして……足を置くからね?そっちはそこに……そうそうそこに、そうして登るの」
「で、できるっすかねそんな事」
「やーるーの!ほら、しっかり掴んで」
発破をかけられてウーズラはしっかりと掴む。
「じゃ同時タイミング合わせていくよ……んしょっ」
互いに片足を上げて格子に足を掛けようとする。
「ふっ」
「うぅっ……!」
二人同時に呻き、上げようとした足を一旦降ろす。
ふう、ふう、と、二人で息を整えようとする。
足を上げる事で体勢が変わり、腹に収まっているウーズラの当たる箇所が変わった事で新たな快感が生まれてしまったのだ。
「……大丈夫、気をしっかり持つんだよ」
「う……うっす……」
気をしっかり持ったところでどうなるものでも無いように思えたが、そう答えた。
「せーの、っしょ……」
「……!」
ウーズラは歯を食いしばる。
オラシオが踏ん張ると、膣内がきゅんっとウーズラを締め付けるのだ。
それでなくとも……。
「む、無理っす!無理っす!届かないっす!」
オラシオの長い足は格子に届くが、ウーズラは精一杯に足を上げても届かない。
「あ、ダメか
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