精通


 心配事はベッドのサイズだったが、魔物領の特徴としてどの家のベッドもダブル以上のサイズが一般的である。
この家のベッドも例に漏れず、立派なサイズのものであった。
アルファはそっとモノリスをその上に寝かせる。
「んっ……」
ちゅぴ、と音を立てて無心に吸い付かれていた乳房が開放され、ふるるんと反動で揺れる。
その色素の薄い乳首から名残惜しげにミルクが染み出ている。
「姉さま……そのミルクは、いつから?」
ガンマが聞くとアルファは少し考えた。
「出たのはつい先程、恐らくかなり以前から蓄積があった」
「姉さまの想いがその胸に溜まっていたのですね」
微笑みながらガンマが言うとアルファは自らの乳房を持ち上げ、その先端にある乳首をしげしげと見つめた。
と、ベータがぎしりとベッドに上がり、寝かされたモノリスの傍に寄り添った。
「想いなら、わたしにも……わたしにも、溜まってる」
そう言って簡素な着衣をはだけると、華奢で未成熟なその肢体があらわになる。
折れそうにか細い手足や細い胴は肉付きが薄い分その球体関節がより目立ち、人ならざる妖艶がより一層顕著だ。
「……おまえ……にも……」
そして、その微かな膨らみの上によく観察しなければ見えないほどの、しかし健気に主張する突起がある。
「溜まったの、全部……全部、マスターに……」
そう言って乗りかかって来た。
軽い、その気になれば容易く跳ね除けられそうな重み。
しかしモノリスは弛緩したままぼんやりとその重みを受け入れる。
後頭部に手を回してベータがモノリスの頭を抱きすくめ、その口に何とか自分の乳首をあてがおうとする。
モノリスは甘酸っぱい匂いを感じながら僅かに首を動かして乳首を探る。
「んぁっ……」
小さな声と共に、その口に小さな突起が咥えられた。
こんなにも小さく、幼い膨らみから果たしてミルクなど出るのだろうか?
思うまもなく、じわりと舌先に暖かな液体を感じた。
出る、のか……
アルファとはまた違う味わい、濃度も甘味も薄くさらりとしている。
それを吸うたびにベータの体が海老のようにきゅんきゅんと丸められ、自分の頭を抱きしめる力が強くなる。
「ん、ん、ん……」
ある意味ではアルファよりも無感情な印象の強かったベータの声が年相応……と言っては妙だが、外見に似つかわしい少女の声になっている。
それが不思議であり、それが興奮させる。
ギシ……
ベッドが軋む音と共にモノリスの上体が起こされた、はずみで乳首から口が外れる。
「あぅ」
嫌がるような声と共に頭を抱きしめる力が強くなり、今一度口に幼い乳首が含まれる。
同時にふかっ、といい匂いと同時に後頭部に柔らかなものに包まれる感触がした。
起こされた上体がベッドに上がっていたアルファのはだけた胸に寄りかからされたのだ。
豊かな乳房の枕に受け止められながら幼い膨らみから授乳される。
背徳的な奉仕にモノリスの微かな理性が働き、手が力なくぺたぺたとアルファとベータの体に触れるが抵抗になっていない。
ひょい、とその手がガンマに取られるとその口元に運ばれる。
「ちゅっ……」
ガンマが指先を咥えるとそれだけでモノリスの体が軽く跳ねた。
力仕事に携わらず、精密な作業に慣れたモノリスの指は細く、長く、鋭敏だった。
ガンマが自分の指をねぶる動きが極めて仔細に伝わってくる。
「あっぷ……」
ベータがようやくモノリスに押し付けていた胸を離すと、その幼い膨らみから注がれていたミルクがぽたた、と滴り。モノリスの夢現を彷徨うような表情が現れる。
膝立ちからぺたん、と座り込んでベータが目線を合わせ、そのモノリスの顔をじっと見る。
大きく、無垢なその目に見つめられたモノリスは無意識の羞恥から目を逸らそうとするが、両肩に乗っている巨大な房が顔を固定してしまっている。
かぷんっ
「んむっ」
それをキス、と呼んでもよいものか、ベータはその小さな口でモノリスの薄い下唇をぱくりと咥えたのだ。
「んん、ん、はぷ、ちゅぷ」
稚拙な動きでベータは唇を啄む。
モノリスはその動きの一つ一つにびくびくと過剰に反応する。
そもそも人と触れ合った経験が致命的に乏しいモノリスにとって他から与えられる触感はすべからく刺激が強かった。
その反応が嬉しいのかベータは目を輝かせながら上唇にも吸い付き、小さな手でモノリスの髪を撫で回す。
くい、とその手がモノリスの細い顎に触れて口に指を差し込もうとする。
か弱い力だったがそれ以上に力の入っていないモノリスの顎は容易くこじ開けられる。
開けられた口内に小さな舌が喜々として侵入して来た。
一心に、幼子が母の乳を求めるような必死さで小さな口が舌を吸引してくる。
先程の
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