カァー・・・カァー・・・
鴉の声が何処からとも無く響く、時刻は夕方を過ぎ夜を迎えようとしていた。
俺とレイナがどうなったかというと
「・・・。」「・・・。」
互いに向かい合って地面に正座し放心している。
というか正気に戻ったのである。
結局あれから・・・え〜と・・・何回だっけ?
・・・まあ、いっぱい頑張ってたら段々と頭が冷えてきて、この状況に至ったのである。
辺りを見渡してみると激しい戦闘と性交の残骸が散らばっている。
薙ぎ倒された木々に抉られた大地、散乱した俺たちの防具と衣類。
俺が持ってきていた食料なんかは何時の間にか現われた動物達が一生懸命がっついてる真っ最中だったりする。
なに、この状況。
燃え尽きた・・・燃え尽きたぜ・・・今日一日でどんだけイベント起きたんだよ。
途中から完全に置いてけぼりの展開だったぞ。
挙句の果てが今、全裸で正座だし。
ビクンッ!ビクンッ!
・・・しかもさ、何で未だにマイサンは健在なんだよ。
頭はすっかり賢者モードなのに、反り返って脈打ってるんですけど。
何なのだろうか、このなんとも言えない気持ちは。
とりあえず我ながら、ちょっとキモイわぁ・・・。
レイナはというと・・・完全に魂が抜けてる。
目線は在らぬ彼方を見つめて、脱力した両腕はブラ〜ンと垂れ下がっている。
その体は・・・・・・ドロッドロ。
もう新種のスライムかしら?と思うレベル。
もちろん原因は俺。
俺から放たれた情熱の旋律が彼女を染め上げてる。
しかしギンギラギンな股間も摩訶不思議だけど、この量も一体なんなんだ?
質量保存の法則は何処いった?
人類を新たに作りなおせるぐらいの量だぞ。
あー・・・
どうすればいいのだろう
・・・とりあえず近くに散らばっていた俺の荷物から、毛布を引き寄せる。
「レイナ、これ使ってくれ」
「・・・・・・」
毛布を差し出すと、暫く間を取ってから気だるそうに毛布を受け取ってくれた。
毛布でゴシゴシと体を擦るレイナ。
正しい擬音としては『ぬらぁ〜べちょぉ』だけど、嫌悪感が込上げてくるから耳を手で塞ぐことにしよう。
「・・・・・・ん、ありがと」
「うぐっ!?・・・・・・あ、あぁ」
体を拭き終わったレイナが毛布を返してくれた。
いや、いらねぇよ!
でもお礼言われたら、受け取らないと気まずいよね!
だから受け取る俺まじ紳士!
・・・。
うわぁ、重たい。
この毛布、今世界で一番禍々しい毛布だわ。
あとで聖水で手を洗おう・・・。
毛布をそっと視界に入らないところに置くってか捨ててレイナと向かいあう。
さて、山積みの疑問を崩しにかかってみるか。
「なぁレイナ」
「なんだ?」
おっ、調子が戻ったのか、その口調も久しぶりに感じる。
全裸で何威張ってんだとツッコミを入れたいが、話が進まないのでやめておこう。
「まずは教えてくれ、何で俺は生きてる?
そこに広がってる血の海じゃあ確実に一度あの世を見ている筈なんだが・・・」
「う・・・む、さっきも言った大事な話の事になるんだけど・・・」
レイナが言いよどんでいる。
え、何なの、ここ実は死後の世界とか言わないでよ?
「まあ・・・薬の効果だ」
「薬?除草剤じゃ無いだろうな!?」
「当たり前だ、馬鹿か?人魚の血を使ってやったんだから感謝するんだな」
ひでぇ。
除草剤の恐怖を俺に植え付けたのアンタだろ!
にしても人魚の血だぁ?あの伝承とかに出てくるやつか。
「正確にはメロウの血だ、あんまりポックリと逝きそうだったんで哀れに思ってな。
調子は・・・聞くまでも無いか」
呟くと俺の股間を蔑む様に見ている。
うん、まだギンギンだ。
我ながらいい加減にしろよ。
もう恥は掻き捨てだ、この暴れん坊の鬼金棒の事も聞くか。
・・・なんかブツブツと愚痴ってらっしゃるけど、まあいっか。
「・・・せっかく・・・・・・のに・・・」
「なぁ」
「なんだ!!」
怖えぇぇぇ、でも負けない。
「聞くのも忍びないんだが・・・俺のこれ・・・どうなってんの?」
「しるか」
わぉ
機嫌悪いね、でもそれじゃ物事が解決しないのだよ。
なんか俺も調子が戻ってきたし、ちょっと揺さぶってみるか。
というか触れなきゃいけない話題がひとつあるんだよね。
「な、なぁ」
「・・・なんだよぅ」
あー・・・、ついにそっぽ向かれた。
てかキレ方かわいいな、おい。
もう勢いで突っ込むか、いくぜ!
「・・・なんで俺にキスしてたんだ?」
「!!!!!!」
一瞬でレイナの顔が紅く染まる。
そして聞いてる俺もちょっと恥ずかしい。
「そ、れは・・・あの・・・だから・・・」
あーなんて分かりやすい動揺なのでしょう。
我ながら野暮な事聞いたな・・・。
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