MCP-2XX-J - 最重要警戒対象
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識別番号: MCP-2XX-J
オブジェクトクラス: クラス分類不能・申請待ち
特別収容プロトコル: 現在MCP-2XX-Jとの相互対話手段は一切確立されておらず、これまでのMCP-2XX-Jを収容する試みは、例外なく甚大な損害を出す失敗という結果に終わっています。MCP-2XX-Jの出現が確認された原生林を含む半径3kmの区域は一時的にエリア-227として指定され、対外的には国際自然保護法に基づく厳正保護地域として偽装された上で完全に封鎖されます。エリア-227外周部に配置された機動部隊θ-2("Tag Player")は常時MCP-2XX-Jのエリア脱走事案が起こらないように監視を継続してください。
当MCPへの警戒度は最大状態で維持され、機動部隊を除く全職員はエリア-227及びエリア付近に存在する財団サイト-23への立ち入りは許可されません。
上記事項の違反者について、財団はあらゆる損失に関する責任を負うことはありません。
次に発令される制圧作戦のため、機動部隊θ-2の大幅な人員拡充をO5に提言済みです。
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#9608;上級研究員
説明: MCP-2XX-Jに関する情報は現時点では未確定の部分が非常に多く、どれも推定の域を脱しません。個体数も不明であり、過去のMCP-2XX-J遭遇時の映像及び音声記録の僅かな情報からは、MCP-2XX-Jの外見特徴は『全身に赤色の衣服を纏っている』という1点のみ判明しています。また、これまでに遭遇したMCP-2XX-Jは例外なく武装し、かつ暴力的であったことから、MCP-2XX-Jの種全体が人類及び他MCPに対し極めて高い残虐性を有することが危惧されています。
MCP-2XX-Jが発見されたのは20
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#9608;年であり、財団所有のSafeクラス草原・森林棲息型MCPオブジェクトの収容施設であるサイト-23への重大な不法侵入事件が発生したことにより、その存在が初めて確認されました。この時侵入したMCP-2XX-J個体は、サイト-23と1.5kmの距離に位置する原生林から夜間セキュリティの警備の目を逃れつつ3階のデグチャレフ博士の自室兼研究室へと単独で侵入、ごく短時間で博士を原生林へと拉致しました。デグチャレフ博士は現在も消息不明であり、その後に計画された数回の捜索・救出任務は、さらなる被害を出した上で失敗に終わりました。任務の記録は後述の文書を参照して下さい。
作戦行動に関する記録: MCP-2XX-J-A
目的: デグチャレフ博士の捜索、及び救出
日時:
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#9608;年9月28日
人員: 機動部隊θ-2より4名
装備: 非殺傷性個人携行兵器を含む機動部隊用装備一式、高出力無線通信機
結果: 作戦開始からおよそ120分の間は部隊の移動に支障はなく、本部と部隊との連絡にも問題は生じなかった。しかし、GPS位置座標で部隊の4名が密林地帯に進入、視界不良を理由とした要請により本部が部隊に各自の暗視装置の着用を指示した直後、最後尾の1名の位置座標が高速で移動し始めた。対象は応答なし。他3名の発言から、MCP-2XX-J個体によりなんらかの手段で無力化され、抵抗できなくなったところを拉致されたものと推測される。その直後、残りの3名の内の2名の通信機から悲鳴。MCP-2XX-Jの笑い声と思われる音声が複数。1名に離脱の許可を出したものの、数十秒後には「胴体を斬られた」という旨の発言とともに座標は動かなくなった。全隊員から応答なし。
静音ドローンをGPS座標の残っていた地点に落として観測を行ったところ、θ-2の隊員が着用していたと思われる耐刃ケブラーアーマーとスーツが原型を残さない程に切り裂かれた状態で投棄されていた。直後、ドローンは圧壊音と共に制御不能に陥った。MCP-2XX-Jに破壊されたものと思われる。
作戦行動に関する記録: MCP-2XX-J-B
-アクセス不能(要クリアランスレベル4)
作戦行動に関する記録: MCP-2XX-J-C
-アクセス不能(要クリアランスレベル4)
結果は上記の通りだ。MCP-2XX-Jによる二次被害は増加の一途を辿っている。MCP-2XX-Jは“対話不能の凶暴性”を持つという点で、既にこれまでのMCPオブジェクトに関する常識が通用しないと言える。
これ以上の消耗を避ける目的から、作戦行動を一時的に凍結する。これまでに発生した多数の行方不明者については、私個人で責任を取れるなど
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