「……アタシを食べたいって、そんな……あっ……」
ランニングシャツの袖を脱がそうとすると、彼女は顔を赤らめてささやかな抵抗をする。
――お願いを聞いてくれるんだよね? だったら、今日は君を食べたい――
耳元で僕がそうささやくと、ますます彼女は態度をしおらしくさせた。
「わ、わかった……よ」
いつもの人を喰ったような素行が嘘のように、僕にされるがままになる。
情事で主導権を取りたがる彼女は、相手から積極的に責められることにも、優しく愛されることにも慣れていない。
だから、彼女は今初めて性交をするかのようないじらしさを見せているのだ。
「や……やさしくして……くれる、よな?」
か細い声を聞きながら、僕は後ろから彼女を抱きしめた。
服を脱がすと、僕は彼女の細くしなやかな腰を掴みながら、小さな胸に舌を這わせる。
胸部に張り付いている黒いゲルを舐めて剥がすと、ピンと勃起した乳首が露わになった。
「あっ
#9829; んっ
#9829;……、う……ん……」
ちゅぱちゅぱと乳首に吸い付く度に、彼女はビクビクと小さな肢体を震わせる。
僕はたまに顔を上げて彼女の淫靡になった表情を確かめながら、愛撫を続けた。
「ち、乳首……ばっかり、せめるなぁっ、ばかぁっ……
#9829;」
普段なら敏感なそこにはあまり触らせてくれず、こんなに丹念な愛撫をすることもない。 でも今日は僕の責めに身体を任せ、されるがままになってくれている。
そんな彼女が愛おしくて、僕はもう我慢できそうになかった。
そして彼女も、早く一つになりたくて仕方がないというような表情をしている。
「アタシ……もう、ガマンできねェよっ……。
はやく、オマエの……入れて、ほしくてっ……!」
僕は彼女の身体をベッドに寝かせ、その横に添い寝をするように寝転ぶ。
片足の膝を曲げさせて股を開かせると、僕の分身をすっかり濡れた彼女の秘部に添える。
そしてゆっくりと、その小さな穴の中に肉棒を滑り込ませていく。
どろどろに熱く、ぎゅうぎゅうと優しく締め付けてくるそこは快楽への入り口だった。
ずちゅっ、ずちゅっ、ぱちゅっ、パチュッ。
肉のぶつかる淫らな音が寝室に鳴り響く。
「はっ
#9829;あっ
#9829;あっ
#9829;気持ちっ
#9829;イイよぉっ
#9829;」
一突きするたびに、子供のような可愛らしい嬌声が聞こえてくる。
それがもっと聞きたくて、僕はがむしゃらに腰を振って彼女を責めていく。
それと共に締め付けも強くなり、秘部からはトロトロと蜜が零れだす。
「もっとっ
#9829;もっとっ
#9829;激しくっ
#9829;してぇ
#9829;」
快楽のボルテージが上がり、次第に動きのリズムが早くなる。
彼女が気持ちよさに喘ぐいやらしい表情と、蕩けた一つ目が見えないのが少し残念だけど。
しかし有り余る声量でピストンをねだる彼女の声が、僕を際限なく昂ぶらせていく。
二人とも、絶頂はすぐそこまで来ていた。
「あっ
#9829;イクっ
#9829;イクっ
#9829;イッちゃうぅ
#9829;」
僕は絶頂で痺れる彼女の身体を抱きしめながら、一緒に達した。
「こ、こんなの……一日だけしか、やってやんないだからなっ。
明日からは……そう、明日からは…あ、アタシがっ……」
荒い息を整えながら、ぶつぶつと呟く彼女の頭を優しく撫でる。
「だっ、だから……あ、アタマ、撫でないでっ……。
そんなの、されたら……毎日、されたくなっちゃうからっ……」
翌日から僕達の交わりがどう変わったか――というのは、彼女の為に秘密にしたい。
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