Pocky / 甘口 / 現代 ◆挿絵つき

「……あァ? なんだその棒みたいなの」

 ポ○キーを差し出してみると、彼女の一つ目が怪訝そうな瞳で僕を見る。
 ただのお菓子だと僕が言うと、ひったくるような乱暴さで彼女に取られた。

「んぐ、んぐ……ベツに変わった味はしねえなァ。
 なに? ちょこ……って言われても、アタシにゃよく分かんねえよ」

 やはり精を糧にする魔物娘だと、人間とは食の感覚そのものが違うのかもしれない。
 残念がりながら彼女と目を合わせると――

「こんなモンより……オマエの棒のほうがウマいに決まってんだろ?」

 どくん。
 酔いにも似た感覚が頭の中に走る。
 彼女と長く触れ合ってきたおかげで、それは暗示の兆候だと僕には察しがついた。
 しかし、たとえ暗示を掛けられると分かっても僕は抗えない。

「ほら、早く出せよ。アタシが味わってやるよ……♪」
 
 言われるがままに僕は下半身の服を脱ぎだしてしまう。
 その大きな一つ目で、彼女にじろじろと見られながら。

「なんだ、アタシに見られてるだけで大きくシてんじゃねェか。
 まだ触ってもないのになァ?」

 じっと見られる羞恥に耐えながら、僕は下着ごと脱いで自分のペニスを露わにした。
 半裸のまま立ち尽くす僕に向かい合うようにして、彼女が膝立ちで座り込む。
 温い吐息がペニスに当たってくすぐったい。

「……ほら。咥えてほしいならちゃんとお願いしろよ。
 『ぼくのおちんちん舐めてください』って」

 焦らしながらさらに息を吹きかけてくる。
 そっと撫でるように掛けられる息がさらに僕の感度を高めていく。
 絞り出すように僕が懇願すると、

「んへへ……そうそう、それでイイんだ」

 満足そうな表情で僕を睨んだあと、ペニスに舌を這わせ始める。

「……んあー、んっ」

 敏感な亀頭の先っぽから、ちろりと溝をなぞるように舌が這っていく。
 れろっ、れろれろ、にゅるり。
 その刺激に耐えられず僕は声を漏らしてしまう。

「おまえはココが弱いんだよな。
 あは、ぴくぴくしてる……あんまり焦らすのもかわいそうだから、咥えてやるよ、っと」

 彼女の大きな口がくぱぁ、と開くのが見えた。
 ピンクの口内に、僕のペニスがゆっくりと飲み込まれていく。
 ねっとりとした唾液が全体に絡みついて、温かな感触に包み込まれて――。







「んぐ……んー、んむっ、」

 ぐちゅり、ぬちゅっ、ずちゅっ。
 淫らな液音を立てながら、彼女が顔を上下に動かしていく。
 ざらりとした舌に裏筋を擦られながら咥え込まれたかと思うと、
 すぐにまた引き抜かれ、ぷりんとした唇がペニスの亀頭を強く撫でる。
 
「んんっ、むぐっ、んはっ、」
  
 吸い込まれながら口内から引き抜かれる刺激と、温く柔らかい唇に擦られる刺激。
 どれもがあまりに強すぎて、腰が抜けそうになってしまう。

「むっ、んぐ。 ほは、ほろほろらへよ……っ!」

 ペニスをバキュームする力が強くなり、より擦る刺激が増していく。
 頭の動きも早くなって、ぐちゅぐちゅといやらしい音が彼女の口内で鳴る。
 射精欲がこみ上げてきて、僕は合図とばかりに黒髪がなびく彼女の頭を両手で掴んだ。
 その瞬間、最奥まで一気にペニスが銜え込まれて――

「んっ……! んむぁ……♪」

 どくっ、どくんっ……と、口の中に僕は射精する。
 彼女が一際嬉しそうに眼を細めると、ずずずっ、と射精した直後のペニスを吸われる。
 先っぽから精液を吸いだそうとするかのようなその動きに、また腰が砕けそうになった。

「……ぷはぁ、今日のもウマかったぜ。ごちそうさん……♪」

 彼女はペニスから口を離すと、僕を見上げる。
 荒く息をつきながらも、僕はお礼の代わりに頭をゆっくりと撫でた。

「……あ、あんだよ。気安く人のアタマ触んなよっ、」
 
 ぷいっと横を向いてしまったけれど、彼女が頬を一段と赤く染めていたのが僕には分かった。
15/07/26 18:07更新 / しおやき
[1]作者メッセージを読む

[5]戻る [6]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33