男「うわーん! ゲイえもーん!」
ゲイザーちゃん『その呼び名はやめてって言ったでしょ!』
男「あっそうだった、ゲザえもーん!」
ゲイザーちゃん『一体どうしたの』
男「ジャイアン(トアントちゃん)がぼくを(性的に)いじめてくるんだ!」
ゲイザーちゃん『あらら、そりゃ放っておけないなあ。ボクのなのに!』
「えっ」
『えっ』
「……だからひみつ道具だして!しかえししてやるんだ!」
『なるほどなるほど。よーしわかった、ボクにまかせて』
「……」
『……』
「……」
『……どうしたの?』
「いや……よく考えたら、ゲザえもんってひみつ道具なんて持ってないよね?」
『うん』
「お腹に袋なんてないし、それに四次元ポケットもないよね?」
『うん』
「目が一個しかなくて暗示が掛けられてかわいいだけの魔物なんだよね?」
『えへへ』
「……」
『……』
「うわーん!やっぱりまたジャイアン(トアントちゃん)にいじめられちゃうんだー!」
『だいじょうぶだいじょうぶ』
「……なにか方法があるの?」
『わたしは四次元ポケット持ってないけど、持ってる人なら知ってるよ!』
「ほんと?!」
『ほんとほんと!』
「それってだれ?だれ?」
『それはね……』
「うん……」
『キミだよ!』
「えっ」
『えっ』
「どうしてぼくが四次元ポケット持ってるの?」
『持ってるよ?』
「持ってないよ!」
『んもー、分からない?』
「わからないよ!」
『四次元ポケットはね、キミの頭の中なんだよ』
「え?」
『頭の中』
「どういうこと? まさか【きみのポテンシャルは無限大なんだよ!】とか言いたいの?」
『うーん、当たらずとも遠からず』
「ええ? でも頭の良くないぼくがひみつ道具なんか作れるわけないじゃないか!」
『そうかな?』
「そうだよ!」
『まあまあいいから、ちょっとボクの目を見て』
「ん? うん」
『はーい暗示掛けるよ〜?』
「んん……? あ……ああ……」
『脳の中は四次元。どこまでも自由。イメージの中は無限』
「んん……」
『じゃあ、今から掛ける暗示を説明するね――』
「う……うん……」
『君の頭に……脳内にね、ひみつ道具を作るための下地を作るの』
「あ……」
『ひみつ道具を君に作らせるために、君には作り方を思い付いてもらう。
けど普通に教えてあげるわけじゃないよ。ボクも道具の作り方なんて知らないから。
それでも実際は具体的に作り方を教えてあげる事になるけど、ボクはそれを知らない。
矛盾してるように聞こえるけどそうじゃないんだ』
「ぅ……」
『どうするかというと――君にありとあらゆる文字列のパターンを覚えてもらうの。
例えば「あああああ」から始めて「ああああい」「ああああう」って感じに全ての文章パターンを君に暗示で流す。
五文字じゃ足りないから……うん、とりあえず文章の長さは30000文字ぐらいかな。
それで最終的には「んんんんん」まで続けるの』
「ぁ……」
『そうだね、ほとんどは「いあいいあ」とか「うおえかえ」とか、意味のない文字列になっちゃう。
でも全てのパターンを試行するんだから、いつかは必ず素晴らしい道具を作る発想が、いや作り方そのものの文章だって出てくる。
――絶対にね。
だから全てのパターンを理解した時、きっと君はどんな事でもできるよ。
ひみつ道具を作る方法だって分かる。
世界中全ての人が幸せになる方法だって分かる。
神を殺す方法だって分かる』
「……」
『うんうん、そうだね。きっと凄い時間が掛かっちゃうだろうね。
でも大丈夫だよ。
頭の中が文字列で埋め尽くされる途中でも、身体は快感をちゃんと感じれるから。
傍目にはぼーっとしてるようにしか見えないけどね。
一緒にいっぱいせっくすできるし、君もボクも気持ちよくなれるから大丈夫。
ぼーっとしてるあいだは、ずっと、ずーっと私がそばにいてあげる。
ずうっと君と、一つになってられるよ……?』
「……」
『ボク、すごく幸せ。
きみをずっと独り占めしてられるんだから……♪』
「……」
『うふふ♪』
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