さて……アレはなんとか作れたし、そろそろ晩御飯の用意をしないとな。
「〜♪ 〜♪」
背中の目で料理本を見ながら、鍋を用意する。
かぼちゃを使うのは久しぶりだから、下ごしらえの仕方も調べないと。
……ふんふん、中のこれを取って、スープだから皮も全部剥けばいいわけか。
あんまり得意じゃないんだよな、皮むき。今回はケガしないといいけど。
でもようやく前のキズも治ったんだ、今日こそ失敗しないように……。
そうだ、ついでにサラダの分も切っとくか。
次は……げ、玉ねぎ。やだなあ、コイツを切ってるとなんでかもう目が痛くて痛くて……。
アタシにとっちゃ天敵みたいなモンだけど、幸いそんなに使わないみたいだし、ガマンするしかない。
ううう、切るだけなのにどうしてこんなに目が染みるんだよっ!
……ぐすっ、ぐすん。涙のせいでえらく時間が掛かっちまった。
さて、次は玉ねぎを炒めてと。
えーと、バター、バター……あれ?これってマーガリンだっけ? ま、多分合ってるだろ。
鍋で玉ねぎ炒めつつ本を見て、調味料の量を確かめて。
分量は適当でも……いや、計量カップとかちゃんと使った方がいいって、あいつにも言われたっけ。
みりりっとる〜とかぐらむ〜なんて単位、あたしの生活じゃ使わなかったからなぁ。
カレーと違って大さっぱには作れないから、失敗しないように気を付けないと。
……あ、ちょっと牛乳入れすぎたかな。いいや、少し飲んじまおう。
んー? 生クリームを入れるとよりおいしく……か。
っていっても、そんなの買ってなかったしな。
……。く、クリームの代わりに、あたしのあそこにあるアレを入れたら……どうなるかな?
い、いやいや、ダメだ。もし変な味にでもなったらどーする。
……け、けど、チョコにだって、や、やっちゃったし……大丈夫、だよな……?
気を取り直して、鍋を煮込んでる間に鶏肉のソテーを作る。
下味をつけておいた肉を取り出して、余計な部分を少し切り落としておく。
フライパンに油を引いて肉を並べると、じゅーっと良い音が鳴った。
そして肉の上にアルミホイルを敷いて、使ってない鍋を載せておく。
料理本の内容によれば、これをすると鶏肉は上手く焼けるらしい。
ただ火の勢いも調節しないといけないみたいだから、なかなか難しいな……
十五分ほどでひっくり返して、両面とも焼けたら油を切って取り出す。
そんで鶏肉を包丁でざくっと切って……っと! 危ない危ない、手ぇ切るとこだった……。
「〜♪」
どうやら今日の料理は上手くいきそうだ。
……ししっ、あいつの驚く顔が目に浮かぶなあ。
[6]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録