ハニービーの集落から出立したグランベリアは親魔物領の街にしばらく滞在し、魔物と人間の共存の模様や宗教、価値観を観察した。
その中で一風変わった価値観を持ち、行動する集団を観察することとなる。
「グランベリアだ。街のダークプリースト、エルティリナの紹介でここに来た」
懐からひとつの書状を取り出して渡しながらグランベリアは言う。
一見、普段通りに話しているがその心のうちはわずかな動揺みられる。
そのグランベリアが話している相手は・・・
「はい〜、ありがとうございます〜。今ラファラナ様に取り次ぐので少々お待ちくださ〜い」
丁寧な言葉での応対だが舌ったらずな口調でそう言い、少し背伸びをしてグランベリアから書状を受け取って奥へと引っ込んだ。
ほどなくしてグランベリアと話していたものが戻ってきて、グランベリアを応接間に通した。
「ラファラナ様はすぐに来ます〜。もう少々お待ちください〜。何かお飲みになりますか〜? オレンジジュースとアップルジュースとぶどうジュースがありますが〜・・・」
外見とは裏腹に強力な魔力を秘めている相手にとまどっていたが、外見通りの飲み物を勧められ、思わずグランベリアは気が抜けそうになった。
「いや、結構だ。ありがとう」
グランベリアはそう応対してくれていた魔女にこたえた。
今、グランベリアはサバトと呼ばれる宗教団体の1つに来ていた。
サバトの基本理念は2つである。
1つは「魔物らしく快楽に忠実であれ」。
これはこの世界の魔物が誰もが持っている価値観で、珍しくはない。
快楽におぼれた墜落神をあがめるエルティリナの宗教も同じ理念だ。
だが、もう1つは特殊だ。
「幼い少女の背徳と魅力を伝え、広めること」だ。
こんなことを勧めるのはグランベリアがいた世界でも聞いたことがない。
『はたしてどのような団体なのだろうか・・・』
そのようなことを考えていると・・・
「すまぬ、待たせたのう」
声とともに一匹の魔物がやってきた。
ヤギのような手足と角を持ち、未発達の身体に信じられないほどの魔力を蓄えている魔物・・・
「遠いところからよくぞ参られたのう、ワシがこのサバトの長、バフォメットのラファラナじゃ」
幼い少女のものだが威厳を含んだ声が彼女の口から発せられる。
「異世界より参りました、魔王軍四天王が一人、グランベリアにございます。このたびは忙しい中、私の無理をお聞きくださり、貴女様のサバトの見学を許可して下されたこと、光栄に思うとともに深く感謝を申し上げます」
膝を折り、グランベリアは頭を垂れてあいさつする。
「よいよい。異世界からの者、それも魔王軍の四天王が訪問してくるなど、こちらこそ光栄じゃ。しかし事は内密にして欲しいとな? 自慢できないのが残念じゃのう」
ぷっとラファラナはほほを膨らませる。
その外見相応のしぐさにグランベリアの硬い態度がほぐれた。
だが外見不相応な威厳と魔力、そして立ち振る舞いにはいまだに畏怖していた。
本気を出してぶつかり合った場合・・・ねじ伏せても自分の身が無事かどうかは自信がない。
「さて、ミサの他に我がサバトの研究の様子も見学したいと申していたな。ミサまであと3時間もない。さっそく見て回るとしようかの」
こうしてグランベリアはラファラナに連れられて彼女のサバト内の研究施設を見て回ることとなった。
「ラファラナ殿、あれは一体・・・?」
グランベリアの視線の先には男と魔女と薬が入っている鍋、そして触手がいる研究室があった。
「ほほう、触手に興味を示すとは・・・お主も好き者よのう?」
「い、いえ・・・そんな・・・しかし、あの様子・・・もしやあの触手はもしや元男なのでは?」
ラファラナのからかいにグランベリアは赤くなるが、すぐに気を取り直して質問する。
「さよう。あの部屋で研究、生産されているのは触手薬じゃ! あれを男が飲めば一時的に魔界に生息する触手と同じになるのじゃ。そして目の前のメスに絡みついて、その穴という穴をずぽずぽと犯し抜くのじゃ」
ラファラナの説明のとおり、グランベリアの視線の先には触手に口や膣、肛門を犯されている魔女がいた。
犯されて恍惚とした表情を浮かべている魔女を、別の魔女が離れたところで観察して紙に何か記録をしている。
突然触手が震えだし、白い粘液を吐き出した。
たちまちのうちに魔女は白濁液まみれとなり、口や膣に入りきらなかった液がそこからいやらしく漏れだしている。
「・・・まるで射精のようだ」
「『まるで』ではない。射精じゃ。あの白濁液は正真正銘の精液じゃよ。服用者のな。魔物娘にとっては大量に精液をもらえるのじゃから、気持ち良いし精の摂取にも子作りにも効率が良いと言う、一石で二鳥も三鳥も落とすことができる代物よ・・・くくく、いるかの?」
「・・・・・・」
ラファラナの解説と
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