外伝1 桃太郎と桃太郎の歌

ラン
「♪桃太郎さん♪」

リン
「♪桃太郎さん♪」

レン
「♪お腰に付けた♪」

ルン
「♪肉棒ヲ♪」

ラン&リン&レン&ルン
「♪ ひとつ 私に くださいな ♪」

桃太郎
「その歌は勘弁してよ・・・というか、4人にひとつずつなんて無理だよ・・・」

レン
「む〜・・・・・ところで、この歌って実は残虐な要素が含まれているって、みんな知っていた?」

ラン
「あ、ランもそれはちょっと聞いたことある」

桃太郎
「僕も」

リン
「ニャ? なんのことかニャ?」

ルン
「そもそも原曲を知らン」

レン
「あ、ルンはイスパニャから来たんだもんね。じゃあ、ルンのために一番から歌うと一番は・・・ランちゃんお願い!」

ラン
「ちょ、なんでランが・・・まぁいいわ。 ♪桃太郎さん 桃太郎さん お腰に付けた きびだんご ひとつ 私に下さいな♪」

レン
「だよね。それに対して桃太郎が返事をするんだけど・・・桃太郎さん、お願いします」

桃太郎
「♪やりましょう やりましょう これから鬼の 征伐に ついて行くならやりましょう♪だね」

ラン
「ここで一つ注意!」

レン
「ちょっと、ランちゃん! 私の出番とらないでよ!」

ラン
「(無視)一部で歌詞が『♪あげましょう あげましょう〜』ってなっているところがあるけど、正しくは『♪やりましょう やりましょう〜』です」

ルン
「ナンデだ??」

リン
「はいは〜い、分かったニャ! 桃太郎から見て犬・猿・雉(キジ)はあくまで「家来」で目下だから、『やる』って言葉をつかうってことだニャ!?」

ラン
「その通り。正しい日本語はそうなので、頭の隅にでもとどめておいてください」

レン
「・・・気を取り直して3番を歌うね。♪ 行きましょう 行きましょう あなたについて どこまでも 家来になって 行きましょう♪」

ラン
「ここまでは有名ね。でも続きがあるのよね〜、これが・・・」

桃太郎
「4番はこんな歌詞。 ♪そりゃ進め そりゃ進め 一度に攻めて 攻めやぶり つぶしてしまえ 鬼が島♪」

ルン
「ナッ!? 『つぶしてしまえ』とか、穏やかじゃないナ・・・」

レン
「でしょう? でもこれは序の口よ。本番はこの次・・・」

桃太郎
「・・・・・ ♪面白い 面白い 残らず鬼を攻め伏せて 分捕り物を えんやらや♪」

ルン
「ウオォイ! 鬼を攻撃しながら『面白い』なんて言っちゃっているヨ! 全滅させているヨ!」

リン
「ついでにお宝も勝手に盗んでいるニャ!」

ラン
「いくら童話の桃太郎が主人公・英雄扱いでも、これはないわよね〜」

レン
「まったくね。で、消化的に6番を歌うと・・・ ♪ 万々歳 万々歳 お供の犬や猿雉は 勇んで車を えんやらや」

ルン
「まとめるト、正義のヒーロー桃太郎は犬・猿・雉をきび団子で仲間にして、鬼をニコニコしながら皆殺しにしテ、お宝奪って大喜び・・・ってことなんだナ!?」

ラン
「まとめすぎの気もするけど・・・ま、そういうことね」

リン
「大陸の教団は『魔物は堕落した汚れた生き物である』とか『魔物は悪である』『魔物は残虐非道だ』にゃんて言っているけど、こんな歌を作る人間のほうがよっぽど残虐非道だニャ!」

桃太郎
「うん・・・結局、この世で一番危険で悪の獣なのは人間なのかもね・・・」

ラン
「・・・でもご主人様はそんなことありません(むぎゅ)」

リン
「そうだニャ! 優しくて強くて清くて正しい人だニャ!(むぎゅ)」

レン
「とても素敵な人です・・・(ぎゅう)」

ルン
「だからアタイたちみんな惚れているんだナ・・・(むぎゅ)」

ラン&リン&レン&ルン
「だから・・・ ♪ お腰に付けた 肉棒を ひとつ 私に くださいな ♪」

桃太郎
「えっ!? 結局そうなるの!? ちょっと待っ・・・アッーーー!?」
11/02/22 21:32更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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