「はぁ〜♪ いい湯だなぁ〜♪」
お湯につかったあたしは湯おけの中で思いっきり身体を伸ばした。本当にいい湯である。あたしは火山地方出身のパイロゥであるから温泉にはちょっとうるさい。 ……と言ってもあたしは出不精だからそんな温泉めぐりとかはしないんだけど。でもこの天然の温泉であり少しぬめり気のあるお湯は肌にうるおいを与えつつあたしの身体を温める。いい湯だ。ま、炎系の魔物娘だからもともと温かいんだけど。
伸ばしていた手をぱしゃんと湯に叩きつけた。うち左手の薬指には新しい指輪つき。手を叩きつけるとお湯の波紋が起こる。その波は湯に浮いているおっぱいをぷるんぷるんと揺らした。うふふ、見てる見てる♪ そんなおっぱいを、湯の奥で揺らいで見えるお腹やお尻や太ももやお股も見てる
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隣りにいる彼氏……いや、婚約者の俊則が見ている♪ 見まい見まいとするのについ見てしまうし、そのせいで勃起もしちゃっている
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「なにさ、あたしはあんたの奥さんになるんだからいつでもヌイてあげるのに……」
ぺろりとくちびるをなめて、空中でシュッシュとしごく仕草をしてみせる。だけど
「……さすがにここだと、お湯や洗い場を汚して苦情が来るよ、朱美」
むすっと修行僧のように言う彼。うーん、そんなキャラじゃないはずなのになぁ。普段だったらほいほいと「じゃ、じゃあ……お願い」と言ったり、断るにしても「いやいやいや」ともう少し砕けた調子で言うのに。
始めて彼に出会ったのは2年半ほど前。会うチャンス自体はもう2ヶ月ほど前にあったはずだけど……いや本当にすごい。あたしと彼はアパートの隣部屋だったのだ。なのに、2ヶ月も会わなかった。もうびっくりだよね。そんな仰天なことになった理由は、彼が社畜だったから。
社畜だった彼はあたしが引っ越したその日は仕事で不在だった。始めて声をかけたのは、彼が仕事のかばんからゲーム機を落とした時だった。地面に落ちて壊れる前にあたしがダイビング・キャッチした。いやぁ、おおなめくじなみにいつものんびり適当にやっているあたしがあそこまで機敏に動けたのは人生初かもしれない。けど、ゲーム機落として壊れるとか絶対立ち直れないくらいに絶望するし、壊れなくてもセーブデータが飛んだらその次くらいに絶望する。あたしも割とゲーマーだから分かる。
まあ、これが初めて会ったキッカケ。聞いてみたら彼も忙しい社会人だけどゲームはちょいちょいやるクチで、あたしもやっているゲームをしていた。だからある日、あたしは彼の家に押しかけていってそのゲームの対戦をお誘いした(滅茶苦茶迷惑そうだったけど)。いやー、そのゲームはオンラインゲーじゃないのに周囲に同じゲームをしている人がいなかったから遊べて楽しかったよ。
そこからまあ、仲良くなって……パイロゥらしくちょちょいのちょいで火遊びエッチをきっかけに付き合い始めて……ってのが2年前。いろいろあって、で、今に至るわけだ。ああ、その間に彼が多忙で心身壊しかけたりそれで会社をやめたりしたけどホワイト企業にも再就職できたとかいう「いろいろ」なんかじゃ済まないイベントもあったね。
そして今日は二人で旅行して、温泉街のホテルにお泊りデートしている。それだけの旅行だと思っていたのに、まさかの、温泉街の由緒ある神社の中庭でプロポーズをされるなんて思っていなかった。
泊まる宿は福来ホテル かせんの宿。あの福来観光の高級路線のホテルだ。結構お高いホテルだ。風呂も室内露天風呂だし。プロポーズという一大イベントもあって結構奮発してくれたみたいだ。いやー、あたしは家でごろごろして駄弁ってエッチして、でいいんだけどなぁ……でも新鮮だし、彼の気持ちは嬉しかった。
とは言え、こんだけ勃起しているのにあたしに手を出そうとしないのは、新鮮を通り越して不自然だ。一体どうしたのか?
「あ、もしかして夜の"本番"まで溜めに溜めるつもり?」
「……まあ、そんなところかな」
「ふふーん♪ それは楽しみだなぁ
#9825; でもあんたはあたしの彼……じゃなくて旦那になるんだからさ、裸くらい見たってバチは当たらないと思うんだけど?」
お湯の中であたしは身体をくねらせてみせる。普段からパーカーしか着てないように見える格好して太ももだしたり、はたまた谷間や肩とかメッチャ出す、露出度高い服を着ていることが多いあたしだけど……
「ほぉらほぉら
#9825; 全部見られるのは俊則だけなんだぞぉ?」
「ああ、光栄だけど……今は勘弁して欲しい……我慢できなくなりそうだ」
「我慢しなきゃいいのに?」
我慢しているのは俊則だけじゃなくてあたしもなんだけどなぁ? アソコが温泉の湯以外で濡れているのを感じる。いや、ぶっちゃけると温泉に男女で旅行に来たらセックスと相場は決まって
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