Sauhaguin Swim suites

「夕べはお楽しみでしたね」
「……おかげさまで」
 翌日の夜、リビングのサロンにて。ルナとソレーヌは食後の紅茶を楽しんでいた。ニヤニヤと楽しそうに言うソレーヌに対し、ルナは下から恨みがましい目で見上げながらポツンと呟く。きっとこの姉はどこかで自分たちの交わりの様子を面白おかしく、そして淫らに見て楽しんでいたに違いない。自分をチャイナドレスという普段とは異なる格好に着せ替えて遊んで。しかし、実際のところ自分も楽しんでしまっていたので、ルナは強く言えなかった。
「楽しんでいただけたようで何より! お土産にして良かったわ。と言うわけで次の服を試してみない?」
「まだあったの?」
 ルナは少し呆れた。
「あのスーツケースに一着しか入っていないはずがないでしょう? と言うか、見たでしょう?」
 昨日の盛り上がりですっかり忘れていた。くちびるを噛むルナの前でパチンと指を鳴らし、ソレーヌは侍女にスーツケースを運び込ませる。そしてそれを開けて一人ぶつぶつつぶやきながら中の服を物色し始めた。
「これはちょっと刺激が強すぎるわね……これは……刺激はともかく、次のステップにするとしましょう。と言うわけで……うーん、いやぁ……刺激は強いけどこっちの方がいいのかな……」
 ソレーヌがひらりと取り出したのはコルセットのような形をした薄い服だった。紺色をしている。こんな服、ルナは見たことがない。いや、これは服ですらなかった。服でないとしたら……思い当たったルナが恐る恐る姉に訊ねる。
「姉さん、それってもしかして……」
「ええ、サハギンの鱗よ」
 サハギンとは川に住む魔物娘だ。無口なことが特徴であるが、大きな特徴がもう一つある。それが今、ソレーヌが持っている鱗だ。
 サハギンは時々、鱗を脱ぎ捨てる。ラミアの脱皮と同じだ。その鱗に手を加えると、衣服の一種となる。糸や針が一切使われておらず、ショーツとボディースーツが一体化したような形をしている一品だ。しかし、ショーツとボディースーツを合わせたような形となると、それはほぼ下着姿も同然である。
 その恥ずかしい代物を姉のソレーヌはルナに着せようとしているのだ。
「いや、姉さん。そればかりは無理……」
「無理なはずないじゃない。小さいころは一緒にお風呂に入ってルナの裸は全部見ているし、大きくなってからもあなたの裸や下着姿も見ているもの。これだって大丈夫」
「その理屈はおかしい! ってきゃー!?」
 ソレーヌがルナの背後を素早く取り、床に強引に座らせる。そして彼女の貴族らしいドレスを脱がせ始めた。ルナはもがくが、その抵抗には力が入っていない。
「姉さん! ダンピールの魔力まで使うの反則……いやーっ!?」
「まぁまぁ。この恥ずかしさを通り越したらクドヴァンとのエッチもあって快感で天国だから」



 侍女の伝言を受けて、クドヴァンはサロンに向かっていた。二人は食後の紅茶を楽しんでいたはずだ。その二人がいるところに呼び出されたということは
『おそらく、また新たな服を着させられているのではないだろうか』
 クドヴァンはルナよりは頭が回っていた。ソレーヌの用意した"お土産"が、あのチャイナドレス一着のはずがないことを覚えていたし、そのことで呼び出されたのだと予測している。
 今度はどの服を着ているのかという期待が半分、またソレーヌが強引にルナに着させているのではないかという不安が半分。その気持ちでクドヴァンはサロンの扉を開いた。
「ぬわっ!? 何ですかこれは!?」
 昨日のことから、叫び声はおそらく上げないだろうと思っていたクドヴァンだったが、昨日以上の声を上げてしまった。部屋にはルナの黒と赤のワンピース・ドレスと紫の扇情的なブラジャーとショーツが散らかっている。そこから少し離れたところにルナがいて、背後から抱きつくような形で拘束しているソレーヌがいた。
 そのルナはサハギンの鱗を着ていた。イルカのようなつるりとした白い脚が惜しげもなくサロンのランプに照らし出されている。しかし魅力的ではあるが、ルナの生足を明るいところで見るのは初めてではなく、特別に新鮮と言うことはなかった。
 一番の魅力はルナの身体にぴったりと張り付いている、その鱗だった。身体のラインを出すのは昨日のチャイナドレスも出している。だがこれはぴったりと、ルナのボディーラインを出していた。
 形がよく、ツンと上を向いているバストは下の丸みもはっきりと魅せている。尻のラインもショーツと同じように包まれているのだが、その張り付き具合は下着と違う妖しさを醸し出していた。
「う、うう……クドヴァン、見ないで……」
 貴族の屋敷には場違いな水着姿……裸ではないのに裸以上に恥ずかしい。貴族たる自分がこのような姿をしていることに、ルナは涙目になっている。
 しかし、彼女の懇願な
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