「ん、んふぅ……あっ、ああっ! ん、んん〜っ!」
どしゃぶりの雨の夜、薄暗くて狭い私の部屋に、雨音に混じって熱っぽい女の吐息が響く。
その声を上げているのは私、須黒優香だ。
そう、今、私は自分で自分を慰めていた。
「あっ、ひゃん! んっ、んああ……!」
黒い羽毛が乳首を撫で上げ、私は短く悲鳴のような嬌声を上げる。
年に何回も来る発情期……今はまさにその時期で私は情欲で火照っている身体を持て余していた。
発情期に入ってしまうと、仕事なんか出来たものではない。
一日中部屋に閉じこもって自分を慰める時間が続く。
今日も朝から頭をもたげていた性欲が日没になると抑えきれないほど高まっていた。
日が沈んだのがだいたい19:00ちょっと前、さきほどイッた時に時計を見たら23:30頃だった……もう4時間以上も私はずっとオナニーを続けていることになる。
しかし何回イッても疼く身体は止まらないのだ。
タンクトップをたくし上げ、下半身は裸の状態で私は自分がもたらす快感に布団の上を転げまわる。
「あ、あああっ! うあ、あ、あ……はぁう!」
私の嬌声のトーンがまた一段階上がる。
左の手は相変わらず薄い胸の頂点で尖っている乳首を転がしていたが、右手が股間に伸びていた。
その、股間を何度もいじった右手はすでに私の体液でベトベトである。
股間もしかり、なんども絶頂に達した膣はだらしなく淫液を垂れ流し、内股や尻のあたりまでべちょべちょに濡らしていた。
「ひぅ! あっ、ああっ、あぅ! ん、んふう!」
羽の先でクリトリスを弾くようにして愛撫しながら、私は声を漏らす。
女の身体で最も敏感と言われる部位から快感が全身に弾け、私は身体を竦ませた。
しかし、手の動きは止まらない。
羽が陰核を弾く度に私は快感の階段を絶頂へと向かって駆け上がっていく。
このまま果ててもいいし、すでに2回ほどクリトリスの刺激だけでイッているが、今はその気分ではなかった。
クリトリスほど敏感ではないが、クリトリスよりもっといじって欲しくて疼いている部分を、自分で慰める。
ぬぷ……
陰唇をこじ開け、その奥に潜む柔肉をかき分けながら、私の手羽先が膣内に入っていく。
膣内に指を入れるのは、今日で3回目……私の右の黒い翼がべっとりと濡れているのはこのためだ。
肉壁から溢れ出すいやらしい汁が羽毛にどんどん染み込んでいく。
「あ、あふうぅ……」
望んでいるほどではないにせよ、膣内を満たす圧迫感に私はゆっくりと声を漏らす。
クリトリスと比べるとやはり快感は多少劣るのだが、やはりこの圧迫感は心地よい。
この圧迫感が、「彼」の性器や指で与えられていると思い込もうとすることができる。
「あぁ……高野く、ぅん……」
思わず、その「彼」の名前が喘ぎ声と共に口から漏れる。
高野とは、私の店に来る常連客の一人だ。
仕事に一生懸命で、美味しそうにビールを飲み、私が焼く焼鳥を食べてくれる男である。
そんな彼に、私は好意を寄せていた。
だったら発情期の今、彼を襲えばいいのだが、私はそうしていない。
彼には、恋人がいるらしいからだ。
中世の魔物だったら問答無用に自分の欲望に忠実に襲いかかったかもしれないが、今の時代はそうは行かない。
恋人のいる彼の迷惑にならないように、私は彼を襲うまいと自分を抑制し、そして火照る身体を自分で慰めて押さえつけている。
だが……好きなものはやはり好きだ。
この気持ちは抑えられない。
「ああ、高野くん……高野くぅん!」
はっきりと彼の名前を呼びながら私は激しく、肉壷を掻き回し、激しく羽先を出し入れした。
ぐちゅぐちゅという卑猥な音とともに、私の頭に霞がかかっていく。
そのまま、快感の閾値が振り切った。
「ああ、また来る、来ちゃうっ! 高野くんっ! 私、また……あ、ああああっ!」
ビクビクと身体を戦慄かせ、私はこの日7回目の絶頂に達する。
しばらく私は痙攣していたが、やがてくたりと布団の上に脱力した。
ほんの少しの間、インターバル。
呼吸を整える。
時計を見てみると0時を少し回ったくらいだ。
雨は未だに激しく、滝のように降っており、音を立てている。
ガァアン!
突然、ものすごい音が響いた。
雷でも落ちたのかと一瞬思ったが違う。
音は下から、外と中から響きわたっていた。
誰かが店のドアを思いっきり叩いたかぶつかったらしい。
絶頂後の余韻に浸っていた私もさすがに飛び上がり、身構えた。
「誰っ!?」
私は窓を開けて、店の入口を見下ろしてみる。
はっとした顔で、高野朋彦が……私の思い人で先程まで私のオカズにされていた男がこっちを見ていた。
「うぇっ!? 優香さん……」
私がいないとでも思っていたのだろうか、バツが悪そうに彼は声を漏らす。
こんな土砂降りの夜だと言うのに彼は傘を持っておらず、濡れ鼠になっていた。
身
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