「どうなんよ?」
「何がだ?」
とある一軒家にて、男とリザードマンの夫婦がリビングで話していた。
「リザードマンって心臓が右にあるのか? 旧世代のリザードマンや異世界のリザードマンはそうらしいって噂を聞いたんだけど……」
「バカバカしい、旧世代や異世界がそうだからって、私たちがそうとは限らないだろう。どこで聞いたんだ、そんな噂」
夫のゲイリーの言葉を、シーラは鼻で笑った。
だが、ゲイリーは納得しないようで腕を組んで首をかしげる。
「けど……お前は右手に盾を持って、左手に片手剣を持つよな……」
「それはただ単に私が左利きなだけだ!」
「単に……なのか?」
ゲイリーが首を逆方向にかしげる。
リザードマンや亜種のサラマンダーの利き腕の統計などない。
だからシーラが左利きなのは偶然なのか、種族の傾向なのかは分からない。
「だけど……図鑑の挿絵を見ると、リザードマンは剣を両手持ちしているけど……サラマンダーは左手で持っているよな……」
「ああ、そう言えばそうだな……」
夫と同じように腕を組んでシーラが頷く。
どうやら、始めこそ鼻で笑っていたが、ちょっとは考えてもいい気分になったようだ。
二人はしばらく腕を組んで首をひねる。
その仕草は鏡合わせのように一緒だ。
同じ自警団に勤めていて知り合い、決闘をして結婚してからもう少しで1年半……まだ二人に子どもはいないが、それだけ長く過ごしていると癖が似てくるものらしい。
しばらく部屋には二人の考え込む唸り声が支配していたが、ゲイリーが何かを思いついたらしく、パチンと指を鳴らして打ち切った。
「そうだ、試してみればいいじゃないか!」
「バカ! 私の胸を切り裂いて見るつもりか!?」
「はぁ? どうしてそんな直接的な方法に走ろうとするんだよ」
大声で反対したシーラにゲイリーはため息をつく。
「心臓の音がシーラの左から聞こえれば左にある、右から聞こえれば右にある……それで分かるだろ?」
「あ、ああ……そう言えばそうだな」
なんでそんなつまらないことに気付かなかったんだと内心自分に苛立ちながらも、シーラは頷いた。
ゲイリーがシーラに近寄る。
だが顔がなぜかとてもニヤけている。
「と言うわけで、聞かせてもらうぞ〜」
手をワキワキさせるゲイリーにシーラはハッとした。
簡単に賛同した彼女だったが、心臓の音を聞くには上半身の服を脱がなければならないことに今さらながら気付いたのだ。
胸元を押さえながらシーラは後ずさる。
ちなみにその胸を押さえている手は利き腕の左手だ。
「なぁに、夫婦の仲だろう? シーラはもう何度も俺に生乳を見せてくれたじゃないか」
「そ、そう言う問題では……!」
「そうら、失礼しま〜っすと」
ゲイリーの手がシーラのシャツにかかる。
シーラももともと本気で抵抗する気もなかったので、あっという間に脱がせた。
ぷるんと水蜜桃を思わせる胸が露になる。
凛々しい雰囲気の彼女とは裏腹の可愛らしいピンク色のブラによってその胸は寄せられ、深い谷間が双丘の間に刻まれていた。
「あっ……」
自分の物なのに、夫の言うとおり何度も彼に見せているのに、シーラは思わずその淫靡な様子に頬を軽く朱に染めた。
そんな妻に軽く笑いながら、ゲイリーはさらに手を伸ばしてブラを取り去る。
フロントホックタイプだったため、簡単に取り外せた。
ブラによる圧迫が解除され、乳房が綺麗な形を保ちつつも左右にぽよんと広がり、さらにボリュームがあることをアピールする。
女性的で魅力的な彼女の胸だが、戦うときは少々邪魔になってしまう。
だから普段はブラで揺れないように押さえ付けているのだ。
「う、ううう……」
今度は両手でシーラは胸元を覆う。
この胸は自慢で夫も気に入ってくれるが、やはり恥ずかしかったりもする。
「ダメだろシーラ。胸をそんな風に覆われちゃ心臓の音が聞こえないじゃないか」
「う、くぅう……人の恥ずかしさも知らずに……!」
シーラは夫を睨みつけるが顔は恥ずかしさで赤い上に目は潤んでいたので、迫力がない。
そして彼女は夫の言葉のままに、胸からそっと手をどけていた。
ゲイリーがにんまりと笑う。
「では、失礼しま〜す」
今まで谷間に隠されていた胸の中央に耳を押し当てる。
だがそのままでは押し当てにくいので、左右の乳房にそれぞれ手を添えて軽く外におし広げる。
「んっ、あっ! ちょ、誰がおっぱいに触って良いと言った!?」
「ん〜? でもこうしないと聞こえないし〜」
妻の叫び声をどこ吹く風とばかりに聞き流しながら、ゲイリーは妻の胸からの音に耳をすませた。
「ど、どうだ? 分かったか?」
「シッ、しゃべるなっ! 聞こえない……」
「……」
ゲイリーにたしなめられ、シーラは口を噤んだ。
部屋を緊張した沈黙が支配し、二人の息の音だけが響く。
その息なのだが……シ
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