未知の快感

「う、う〜ん……」
痒いけど掻けない、もどかしい感じ……
うずうずして力が溜まっているんだけど、それを発散できない感じ……
この感覚は男だった時にも記憶がある。
そう、ムラムラしているのだ。
でも女の……アルプの身体は男だった時のムラムラの感じを何倍にも高めたような感じだった。
『くっ……女のコって、エッチな気分の時はいつもこんな感じになるのか……?』
口を軽く開けて呼吸しながらボーッとボクはそんなことを考えた。



つい先日、ボクはあるサキュバスに襲われた。
普通、魔物に魔力を流し込まれたら男はインキュバスになるだけだけど、ごく稀に精を作る能力を自ら無意識のうちに壊し、魔物娘になる者がいるという。
こうして男から魔物娘になったのがボクのようなアルプだ。
そして今、ボクは男なんかとは比べ物にならない情欲に翻弄されていた。
このムラムラを晴らすには、誰かエッチするのが一番良いのだと思う。
でもまだ……なんというか、男とセックスするのはまだ抵抗があった。
アルプは魔物化したばかりのころはまだ自分を男と認識するらしく、男と交わることに戸惑う者は多いらしい。
ボクもまさにそうだ。
それに、スッキリしたいからと言って誰でも良いって気持ちもない。
じゃあ、このムラムラをどうするか?
レベルは全然違うがこういう時は
「ヌくに限るよね……」
一人でそうつぶやきながらボクはある秘密の引き出しを開く。
そこにはアダルトDVDやエロ本がいくつか入っていた。
いろんなオカズの中から、ボクは一つのDVDを取り出した。
『赤裸々(せき☆らら) パート25
#8211;美巨乳ピクシーSのエッチな一日にギュッと密着
#9829;-』
朝起きるところから始まって、料理をして食べたり洗濯をしたりする日常的なシーンや、彼氏らしき男とエッチする、タイトル通りとあるピクシーの一日に密着したDVDだ。
……ある程度演出だと思うけどね。
そしてこのDVDには、そのピクシーがオナニーをするシーンも2つほど入っている。
午前と午後の一回ずつ……たしか午前は手だけで軽く、午後はオモチャとかも使っていた。
オモチャを使わないシーンは、まだアルプになったばかりで女の子の身体がよくわからないボクには参考になるかもしれない。
DVDをプレイヤーにセットし、そのオナニーのシーンまでチャプターをスキップする。



「はぁ、はぁ……んぅ」
控えめな声を上げながら、ベッドの上で女の子座りをしているピクシーのコは胸をレオタードの上からさすっている。
タイトルにあるとおり、ピクシーのくせに胸は結構大きい(ちなみに身体の大きさは、今は小さいようだ。枕が巨大に映っている)
揉むととっても柔らかそうだ。
……ボクは胸がないから、その感触は分からない。
サキュバスに犯された時も胸を触る余裕はなかったし。
画面のピクシーの手が胸以外のところも這う。
胸元、首筋、お腹、太腿、お尻……
【いつもそうやっているの?】
スタッフからの質問が下にテロップで表示される。
「うん、全身を撫でるのが気持ちいいの……」
うっとりとしたようにピクシーは答えた。
そ、そうなのかな……
短パンを穿いていたから、露出している太腿をなで上げてみる。
「……〜〜っ!」
なんとも言えないゾクゾクとした快感が太腿から腰を通り、体中に広がった。
『誰も見ていないよね?』
カーテンが閉まっていることを確認して、ボクは服も下着も脱ぎ捨て、全裸になった。
中性的な、でもおちんちんがない身体が露わになる。
AVのピクシーがしていたように、お腹や胸元、お尻を撫でてみた。
「ん、んん……」
それだけで喉の奥からため息のような吐息が漏れた。
男だったらこんなことなかったはずなのに……
胸も触ろうとしたとき、その手が止まった。
ボクにはさするほどのおっぱいがない。
どうすればいいんだろう……
と思っていたら、AVが進んでいた。
ピクシーがレオタードを脱いでいく。
ぷるんと、形のいいおっぱいが出た。
うう、羨ましい……
男がいつも見たい、触りたいと思っているおっぱいを自分であんなふうに自分で好きにできるように持っているだなんて……
そんなおっぱいをピクシーは掬い上げるようにして揉みながら、人差し指で尖っている乳首をころころと転がしている。
なるほど、乳首って良いのかな……
「んんっ!?」
びくんと身体が跳ね上がった。
『な、なんだ、コレ……!?』
まるで電流が乳首から全身に走ったかのようだった。
つまんでみると敏感すぎてちょっぴり痛い……転がすのが良いようだ。
左右の手、五本の指でそれぞれの乳首を転がす。
「あ、んっ、ふわあああっ!」
自分の口からエロい声が上がる。
思わずボクは手で口を塞いだ。
だがそうすると、胸の快感が引いてしまい、もっともっとと疼く
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