歓迎パーティから数日、ついに訓練が始まった。
朝一番から訓練所には新兵が集まっている。
「おーっすお前ら、今日から本格的に訓練を始めるぞ。配属部隊はもう予め聞いてるな?剣技の訓練は俺コールマンがする。魔法の訓練はマックス・ケナード先生に教えてもらう。希望する奴は一日の全ての訓練が終わった後に盾の訓練もしてやるからな。取り敢えず配属通り2つのグループに分かれろ。」
コールマンは朝から声が大きい。
それに対して殆どの兵が頭を痛そうにしている。
入団当初のリストビア軍の訓練は週1回ずつ訓練内容が変わる。
それは一日おきに内容が変わるとどちらも中途半端に仕上がってしまうという教官達による考えによるものであった。
やがて魔法グループ、剣技グループの2つに別れ訓練が始まった。
「ルディと同じ配属で良かったよ。本当に不安だったんだから。」
「そっかそっか、そう言ってもらえたなら何よりだな。」
大げさだなとルディは苦笑いを浮かべている。
そうこうしているのも束の間、コールマンによる訓練が始まった。
「よしお前ら、徹底的に鍛え上げてやるから覚悟しとけよな!まずはこの一週間でお前らには眼を鍛えてもらう。」
コールマンのその発言に驚く者達も少なく無かった。
その中にはキョトンした顔を浮かべるもの、あからまさに嫌そうな表情を浮かべる者もいた。
「ふん、何でか分かる奴と分からない奴の半々ぐらいか。じゃあ何で剣を振る練習でもなく眼を鍛えるか教えてやる。」
すると一人の青年が前に出た。
「そんなもの簡単ですよ。眼が良いと相手の剣裁きを読む事ができるからでしょう?」
何でこんな当たり前の事を答えさせるんだ、と言わんばかりにムスっとした顔で発言する。
「おう分かってんじゃねぇか。お前名前はなんて言う?」
コールマンはそれに満足そうな顔をする。
「フィリートーマスです」
(あ
#12316;模擬戦で相手の攻撃を全ていなしてみせた奴か!)
ルディは一人で内心非常に喜んでいた。
トーマスの動きは無駄の無いものであり、ルディの目指す戦い方をするには非常に参考になるものである。
そんな人と一緒に訓練できる!
それがルディという青年を沸き立てていた。
「ほうトーマスか。何でお前は眼の重要性を理解していて、今からその訓練をするっていうのに不服そうな顔をしてんだ?」
「僕は自分の眼、及び動体視力に自信が有ります。前の模擬戦の時だって遠目からでも皆の振り一筋一筋見えていましたし。だから、僕にはそんな訓練なんかよりもっと高度な技を教えて欲しいのです。」
終止ムスッとした表情を浮かべ、くだらないといった雰囲気を醸し出しトーマスは進言する。
チャキ….パンッ!
しかし、いきなりトーマスの声以外に強烈な破裂音が鳴り、皆を驚かせた。
何より一番驚いているのはトーマスであろう。
何故なら少しの風圧を感じ、気が付けば赤い刃が斬るぞと言わんばかりに首に宛てがわれているのだから。
もちろん剣を握るのはコールマンである。
先程の破裂音は剣先が音速を超えた音だったのである。
鞭のように長くしなるものであれ訓練をつめばあれば切っ先が音速を超える事は用意であろう。
しかしコールマンが握っているものはたかが1メートル程しか無い剣である。
「おうトーマスよ。いまの剣筋が見えたか?」
その問いかけにハッとしたトーマスは悔しそうに口をギュッと閉じている。
その姿は悔しさを耐えているようにも、自分の考えの甘さを恥じているようにも見えた。
ルディもまた多少なりとも尊敬の念を抱いていた相手がいとも容易く黙り込まされる姿を見て、驚き戸惑っていた。
「なぁコレン、今の見えたか?」
「うん。僕にもハッキリと見えた訳じゃないけど、柄に手を当てて剣を引き抜いた後に手首でスナップを効かせて振るとこまで見えたかな。」
「まじかコレン…コレンって本当に眼が鋭いんだな…」
今の一瞬の動きを細かく説明してくれたコレンをルディは驚きの相を隠さずに
見続けている。
「ちょっとルディ、そんなに見られると恥ずかしいんだけど…///」
コレンは頬を染め目を逸らして、魔物娘らしい発想を見せつけルディを嘆息させる。
「はぁ…やっぱコレンはコレンだな…」
そんな二人のボソボソ話が聞こえていたコールマンは
「おうコレンだったか?お前眼がいいな。今のは演舞用の剣の振り方で実践には使えないもんだ。だから無駄に手首を使って加速させてる。
並の奴じゃ全く見えない筈なんだがな。流石母親譲りってとこか?」
そう言われたコレンはムッとしてコールマンを睨め付けた。
「ワッハッハそうかそうか、母親と比べられるのは嫌いか。すまんな、次からは気をつけよう」
コレンの視線も気にする事なくコールマンは呆気
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