第三章

ルディが帰宅して日が落ちるまでに、現状の魔物に対して考察したのは以下の通りである
・ この国には沢山の魔物娘が本性を隠して住んでいる。
・ 前に一度聞いた通りで、現在の魔物は昔のような凶暴性を持ち合わせていない。
・ 魔物娘図鑑に書いてある事は大方正しい。
という事である。どの考察も仮説の域を脱することは無いが、彼の中では大きな物となっていた。

(俺ってやっぱり、どう考えても帝国軍に向いてないよなぁ…)

改めて、そう思うルディである。
そんな事を考えながらルディは、中央広場に向かっていた。
ただいつもと違うのは、腰に使い慣れた剣がぶら下がっている事である。
その理由は単純で、まだ確証が得られた訳では無いがコレンが魔物であるかもしれないとされる今、いつ襲われるかも分からないという事を示唆しての事であった。

(まぁ剣を抜くのは最悪のケースの場合のみだけどな)

そう考えながら、腰に手をあて自分の愛剣の存在を確かめるのであった。

そうしている内に広場の噴水に到着した。
ここは待ち合わせに最適という事もあり、この時間でもアイスクリームやクレープ等の出店がある。

ルディが出店に視線を泳がせていると、奥のベンチに目的の不安げな表情を浮かべて人物が座っていることを発見した。

「すまんコレン、待たせたか?」

「いや全然。僕もさっき来た所だよ!」

「そっかそっか、ごめんな。」

ルディを見つけた瞬間、コレンは飛びっきりの笑顔を浮かべる。
先程までの主人が帰ってくるまで待っている子犬の様な表情が嘘の様である。
実は、早くからルディの事をここで待っていたのかもしれない。

「何か食べたいものある、買ってくるぞ?」

それは、ルディに気を使って全然待っていないと言うコレンに対しての、ちょっとしたお詫びみたいな物であった。

「いいの?じゃあお言葉に甘えかな…う〜ん、何にしようかな〜」

コレンは顎に手を当て、周りの出店を眺め回しながら考え始める。
眉尻に軽く皺を寄せて、顎に手をあて考えている様子は何とも可愛らしいものであった。

「決めた、クレープにするよ!」

「了解、じゃあ買ってくるよ」

軽く頷くと同時に、何にするかルディに述べる。
それに待ってましたと言わんばかりに、ルディはお財布を手に持ちクレープ屋に向かっていく。

残された、コレンは未だにパフェという案も捨てきれない様子であった…。

やがてルディは二つのクレープを手に帰ってくる。
そして、片方のクレープをコレンに手渡す。

「ありがと〜!!」

コレンはそれを笑顔で受け取り、嬉しそうにクレープを眺めている。

「どうした、食べないのか?」

そんな様子を見て、ルディはコレンに尋ねる。

「いやいや、勿論食べるよ!僕さ、甘美な物が大好きでなんだ、だから久しぶりに食べる甘いものについね」

コレンは普段は甘い物を食べるのを控えているようでった。

ルディが買ってきたクレープは、イチゴやリンゴ、プラムなどと言ったフルーツが小さくカットされクリームと共に挟んである物であった。



「ルディ、ごちそうさま。久しぶりに大好きなスイーツを食べられて本当に良かったよ。有り難うね!」

「お、おう、どういたしまして」

その時のコレンの表情は、ルディをゾッとさせる程美しいものであった。
その後二人はベンチで噴水の音と人々がだんだん減って来た公園の余韻を楽しんでいるのであった。

「じゃあ、ゆっくりしてお腹も落ち着いたし行こっか」

やがて二人は居心地の良い空間に名残惜しさを残しつつも、コレンの見せたい物というのを見る為に立ち上がり、公園を後にする。



「ねぇルディ、ルディってこの国の城下街の中心区には詳しい?」

「いや、全然かな。立ち入り禁止されてる所が多いし、あんまり来た事もないや。」

二人は公園から城の方面に向かって数分歩いた裏通りに居た。
そこは、細く暗い道が無数に入りくねった所であり、立ち入りが禁止された場所が多くなっていて、人の姿も殆ど見えない少し不気味な通りとなっている。

「そっか、実は穴場があるんだよね、それが今回見せたい所なんだけどさ。まぁ、はぐれない様に着いて来て!」

そう言ってコレンは、入りくねった中心区を自分の庭かと思うかの様に、大通りや細い路地を進んでいく。

そして更に歩くこと数分、気が付くと城の真下に到着していた。

「実はね、ここだけ一般の人でも城に入る事が許されているんだ。」

街の中心には、城が建っている。
そのお城は建国される前の時代に建立され、補修こそされ続けているものも代わり映えせずに建ち続けている。そこには、国の重要機関がより集められており、政治や軍事の中心としての役割も担っている。
そんな一般人はとても立ち入れなさそうな重要
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