誰も保健室を知らない

夢というのは都合よくつかわれることが多い。
自分にとって都合がよければそれはきっと夢だと思ってしまったり。
とはいえその一方で支離滅裂な出来事が起こればそれも夢だと思ってしまう。
保健室のベッドで今しがた自分は目が覚めたのだが…自分はまだ夢の中にいる
と思ってしまっている。
言い換えるならこれが現実であると認識できていないのだ。

「んっ…ちゅ…れる…っ♪」

「……っ…!?!?!?!」

しかし…寝ても覚めても夢。
これほど恐ろしいことがあるだろうか。
目が覚めた自分の目の前にあったのは

ふわふわした自分の学校の地味な紺のスカートに。
そこから隠す気もないやたら薄い色合いのしたパンツ。
…こんな小さな布にお尻がギューギュー詰めになっている。そんな光景だった。

「あー…起きましたか?先輩♪」

「君…!?だ、誰…」

「私ですかぁ?んふふ…♪ちゅっ…私はですねえ…ちゅうっ…!」

「ぐっ…!?」

「私はぁ…今年入ってきたばっかりのぉ…ちゅっ…♪あなたの後輩ですよぉ…♪」

「………!?!?!?!?!?!?!?!」

下半身に走るぬめりに相反する甘美な電流。
それに耐えながら思考を正常に保とうとする。
後輩?…俺の後輩?意味が分からない…?確かに俺は三年だけど…女の後輩なんていない…!!

「じゃっ…じゃあなんで今…ここで…自分の…なめてっ…!?!?」

「それはぁ…先輩が保健室でサボるからじゃないんですかぁ?」

「サボる…!?いやサボってない…というか…!?」

「嘘はいけませんよぉ先輩…。じゃあどうして今授業中なのに保健室でおちんちん勃起させてるんですかぁ?」

「それは体壊してっ…っていうか勃起させてるのは君じゃないかっ…!」

「んー?ちゅるっ…ぢゅぅううううっ…!」

「ちょっ…!?」

反論は許さない。
かわいい声と一度も感じたことがないであろう女の子の唇の柔らかさが亀頭をとらえると何も言えず
つま先を伸ばすばかりになる。
一度もそういうことをされたことがない…自分以外で触ったことなんて一度もないのに…
目が覚めたらいきなりこんなことをされていたんだ。

「ちゅっ…ぢゅるっ…ちゅっちゅっ…!」

「かっ…かはっ…!?」

「ぷはっ…ふふっ先輩はここが弱いんですねぇ♪」

「まっ…待ってってば!」

自分は今目の前の後輩の太ももをつかむと「きゃっ」という声とともに少女は動きを止めた。

「一体…君は何!?誰!?」

「私ですかぁ?あなたの後輩です♪」

「待ってよほんと。自分は男子のバレー部。女の子の後輩なんているわけないじゃないか。」

「別にそういうのないと思いますよ。」

「え?」

「後から入ってきたら後輩は後輩です。先輩は遠慮なく後輩ちゃんのエッチなことに身をゆだねていればいいんですよ?」

「意味が…意味が分からないって…!!」

「先輩。親しくなってからなじゃいとエッチなことをしちゃいけないって思っていませんか?」

「普通そうだしそれ以外ないと思ってるけど!?」

「そんなことありませんよ先輩。先輩はまじめでいい人ですけれどそれだけじゃもったいないですよ。ふふっ♪」

後輩は自分の上半身に腰を下ろす。すると上体を起こして振り向きながらこちらを見下ろした。

「初めまして先輩。わたし、サキュバスの佐々木優子っていいます。」

「サキュバス…佐々木優子?」

「佐々木優子をささきゆうこにしてさ、さきゆうこ、さきゆうこ、さきゅこって感じですね。」

「それはご丁寧にどうも…。」

この自己紹介から察するにおそらく偽名だろう。
ということは…うちの学校の生徒じゃないのか?
いや…最近は普通に学校にも魔物の生徒はいる。
ともすれば人間界での名前という奴だろう。
それにしては羽も角も尻尾もない

「そろそろここから降りてくれないか…!?」

「だめです♪先輩がいけないんですよ?私が隣で寝ていたのに先輩が後から来るのがいけないんです。」

「…?」

「私となりのベッドで寝ていたんですよ?気が付きませんでした?」

「だからってそんな…」

「私もちょっと体崩してたんですよ。ほら、私って見た目通りあまり友達いなさそうな感じじゃないですか。だから男の人と接点
 があまりなくて。」

嘘だ。絶対それないだろう。

「だから、これを逃したらきっと男の人と一緒に学校生活ずっと送れないんじゃないかなって思ってたんです。」

「だからっていきなり夜這いにフェラするのはだめでしょ…。」

「いけませんか?夜這いにフェラ。といっても今はお昼ですけれど。」

「朝でも昼でも夜でも駄目です!というか初対面!」

「…私は…いいと思います。」

「え?」

「だって先輩だって私が積極的だったおかげでこうして今気持ちよくなれているじ
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