【初投稿】ミミックとあれこれ

「こいつか?報告があった宝箱は。」

恐る恐る見つめるもそれは何の変哲もない宝箱。
しかしそれは単純に何の変哲もなく紛れ込むことが可能だということの証明で
もあった。
ここ最近ミミックによる失踪事件が後を絶たないという報告を受けた俺は今回
のミミック討伐の依頼を受けた。
この宝箱に関わった者は皆ミミックの餌食になってしまいなぜ失踪したのかは
見当がつかない。
しかし最近噂になっている宝箱は間違いなくこれだろう。

「じゃぁーーんっ!宝箱はミミックでし…」

「おりゅああぁぁっ!!」

「わぁあぁっ!!!?」

「ちっ!はずしたか!」

「ちょっ!ちょっと待って!まって!タイムタイムタイムぅ〜〜〜っ!」

中から飛び出してくることを見越して水平に剣をふるったがタイミングを強引
にずらされてしまった。

「お、おにいさん酷くない?いきなり剣をブン回して斬りかかってくるなんて
 反則だよぉ!ミミックちゃん罠なんだよ?トラップなんだよ!?」

「うるさい!お前が最近ここらで冒険者を攻撃しているモンスターだな!?」

「そ、それはミミック倒せない方がわるいじゃんかぁ!私だって…かよわい女
 の子なんだから…てかげんしてよぉ…」

言われてみれば確かにそうだ。
一体この少女のどこに冒険者を襲う能力があるのだろうか。
いやしかしそこは疑うべきだ。
この少女のかよわさ、儚さこそが最大の罠。
弱みを見せてこそ最大の罠だ。
ともすれば迂闊には手を出せない。


「ねえお兄さん。どうしてもミミックのこと倒さないと…だめ?」

甘えた声を出し、箱から身を乗り出し四つん這いになりながらこちらを見つめ
る。

「お宝が欲しいだけならほら…これあげるよ、レアアイテムー。」

「悪いが俺が欲しいのはこの『試練の搭』の安全だ。強力なモンスターの部類に
 入るミミックがいると好奇心旺盛な新米勇者が一人残らずいなくなっちまう。」

「だって絶対わたし勝てないもん!その腰に下げてる剣だって光の力まとって
 るし鎧だって魔法無効のレアアイテムだしMP半減のアクセにエリクサー常
 備とか絶対勝てないよぉ!はんそくはんそく!おとなげなーいー!!」

半泣きになりながらキレるミミック。
甲高いかわいらしい声が怒りを半減させてるような気がする。
無言で返事を返すとミミックはがっくりとうなだれる。


「ミミックちゃん…もう悪いことしないからぁ…ここからでていくからぁ…」

「そう言われてもなぁ…」

ここまで女の子に泣かれるとこちらも困ってしまう。
確かにこの少女はミミックだがここまで戦いを拒否されてしまうと情というも
のが…まあ揺さぶられてしまう。
事実、胸中ではこの少女をめった切りにする結果だけは避けたいと思っていた
し、来る途中までに考えていた核熱魔法で消し飛ばしてやろうとかっていう思
いも今じゃ気の毒に感じるだけだった。

「じゃあわかった。素手でも倒せるだろうから。それでいいか?」

「ちょっとー!女の子ぶったたくつもり?そんなの勇者様じゃないよ!」

(勇者じゃねーし…どっちかって言うと教団関係者だし…)

「勝負の仕方は私が決めるからね!」

武器と鎧と盾をはずし拳法の構えをとった俺をよそにミミックは箱の中から何
かを取り出そうとしていた。

「ねえお兄さん。これあげるっ!え〜いっ!」

バシャッ!

ミミックは何か小瓶を取り出したかと思うと俺にそれをぶっかけてきた!

「なっ…何をす…!?」

「えっへっへ〜☆これはサキュバスのとびきりえろーい香りを詰め込んだ特製
 の香水だよっ!」

ニヤニヤと笑うミミック。
それもそのはずだった。
情欲が突如わき上がり、体の隅々までが興奮し始めている。
いわゆる魅了状態に陥ってしまった。

「ぐっ…やはり罠だったのか!!」

「あったりまえじゃん☆お兄さんってばわざわざ鎧まで脱いでくれてありがと
 っ♪今からとびっきり気持ちのイイコトをしましょうねぇ〜☆」

勝ち誇ったかのようにミミックは不敵な笑みを浮かべる。
様々な装備に身を固めるだけの実力を持つ男を前にしてだ。

「んふふっ…ほら…お兄さん。見て…ミミックちゃんのこと…♪」

ミミックは来ている服をなでる。
シースルーで出来た服は少女の柔肌を包み、ぼかしながらもその柔らかさを見
せつけてくる。
引っ張れば破れてしまいそうな裸への欲望がかき立てられていった。

「お兄さんは…こういうスケスケなのを着たのが好きなの?」

「い…いやっ…!そんなことは…ハァ…ハァ…け、けっして…ありません!」

「あははっ!なんで敬語つかってるのぉ?」

情欲にうずまりつつあった脳と体を残された精神で必死に抵抗する。
しかしそれをあざ笑うかのようにミミックはこちらへと身を寄せてきた。
棒立
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