守った先に・・・・

私は教団の騎士だ


教団の中でも私は剣の才能がある方で


魔物討伐では、前線にでて戦っている


今まで何度も「勝利」してきた


そうして私は「勇者」と呼ばれる存在となった





そんな勇者の私にも好きな人がいる




幼なじみで年上の人、昔は兄みたいな存在だったが、今は同じ教団で私の部下にあたる





本当は普通の女の子として普通に恋をして、結ばれ、幸せに暮らしたい






でもそれは無理




私は「勇者」だから




私には力がある




みんなを護れる力がある




みんなを守ることができる




それは私にしかできない事




だから私は戦う




それが正しいと信じて






でも




ある日


私はいつものように討伐に出かけ


戦った


全力で


いつもと同じだった


ただ一つ











「負けた」と言うこと以外は








それから私はその魔物に血を吸われ


…そこで意識が途切れた
















目が覚めると私の体は変わっていた

羽があり、高貴な黒のドレスに身を包んでいる

そしてなにより熱い

まるで身体中の血が沸騰してるみたいに体が熱い

とりあえず教団に報告しないと

そう思い、私は街に戻った







しかし待っていたのは悪夢だった


街の門ではいきなり門番の人が斬り掛かかってきた

「魔物め堂々と来やがって、俺が引導を渡してくれる」


「魔物?私は人間です!」


そう返すが相手は聞こうともしない

仕方なく実力行使で街の中へ入った

でも、中に入っても同じだった

街の人は私を恐れ、逃げていく

みんな私から離れて行く

まるで化け物を見たような目をして

やがて教団の人が集まってきた

仲の良かった戦友も

尊敬していた上官も

みな剣を構え、私に向けてくる





どうして?




私が何をしたの?




私の何が悪いの?





私は逃げだした




目の前の現実が



ただ、ただ恐かった











こうして私は一度の敗北で全てを失った





今まで何度も魔物を倒したのに




みんなを守ってきたのに




一度だけ




たった一度負けただけで




みんなに私の全てを否定された






私は……



気付くと私は一人ぼっちになっていた











――――――――
その後

私は自分が魔物であることを受け入れ


しばらく考えると


一筋の光を見つけた

幼なじみのカイことだ

彼なら

昔から優しい彼なら魔物の私でも受け入れてくれるはず

私を慰め、私の心を癒してくれるはず

僅かな希望を胸に私は街に向かった



幸い、自分の体を調べると羽など、目につきやすい部分は隠せることがわかり

私は人間に姿になり、再び街に入った

そうして、私は彼の家にきていた。


ドアをノックをすると彼が出てきた。

「シア!! よかった、無事だったのか」


私を心配してくれていた

やっぱり彼は優しい

彼なら

彼なら私を受け入れてくれるはず



そうして彼の家に入り、

「何か飲み物をとってくるから部屋で待っててくれ」

そういわれ、私は彼の部屋で待った

魔物の姿に戻って

彼ならこの姿でも受け入れてくれる


そう思っていた


「お待たs…」

ガシャンと彼が運んできたコップが割れた

「魔物!? どうしてここにいる!」











……え?




カイは今なんて?





きっと聞き間違いだ



「どうやってここまできた、シアをどこにやった!!」






カイハナニヲイッテルノ?




ワカラナイ







「カイ、私だよ、シアだよ」

かすれた声で心の声を叫んだ


「…シ…ア?そんな……なんで!」


カイの表情が驚愕にかわる

「カイ……私……魔物に負けちゃた……ねぇ、カイ、私は……どうすればいい?…助けて、カイお兄ちゃん」

昔の呼び名

あの頃はいつも私を守ってくれた

「…………」

カイは迷っていたようだが
やがて何かを決めた表情になり

「わかったよ、シア………………俺がこの手で」









………違う









違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違違う違う違う違う違う違ちがうちがうチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウ










「違うの、お兄ちゃん、そうじゃ」


そうじゃない


私が
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