『山奥で遭難した』
これが今現在の自分の状況である。急いでいるときに、近道っぽい道を選んだのが事の始まりだ。そもそも、状況が悪い時に安易な選択をすると、たいてい裏目に出るのが僕の人生である。
などと考えていても、状況は変わらない。帰り道を探していたが、次第に日も落ち始めてきたそんな時、こんな山奥の中で建物を見つけた。表の看板には'蛇の宿'と書いてある。
とりあえず店の人に道を聞くか。ようやく希望が見つかり、ほっと息をつきながら、店の扉を開けると、中から一人の女性が出迎えてくれた
「いらっしゃいませ〜」
ぱっと見て自分と同じくらいの年の女性。こんな人が山の奥で働いてるとは・・・しかも美人だし・・・。いやいやそれどころではない、本題を思い出し、彼女に道を尋ねるが
「日も落ちてきたし、夜の山は危険ですから今日のところは泊まっていった方がいいですよ。此処は、一応宿でもありますし。」
できれば急いで帰りたいのだが、たしかに、彼女の言う通りかもしれない。夜の山は危険が多い、今から下山するのは得策ではない。
「そうですね、じゃあ泊まらせていただきます」
急いでいるとは言っても、最悪明日の早朝に出発すればいいと考え、結局彼女の提案を受けることにした。
「そうですか!当店では、お客様一人に対して必ず専属の従業員をつけさて頂くルールとなっています。なので今日一日、私が貴方のシークレットサービスとしてお世話させていただきます。」
頭を下げる彼女につられ、こちらも頭を下げる。
「では、こちらへどうぞ」
〜〜〜〜〜〜〜
その後、「疲れもたまっているようですし、露天風呂に行かれてはどうでしょう?今の時間ならきれいな夕焼けが見えますよ。」と露天風呂を勧められたので、向かうことにした。
洗い場で体を洗い、いざ露天風呂へ向かうと、夕日に照らされた美しい景色が視界に広がる・・・のだが、風呂の中に人影が見られる。
どうやら先客がいるらしい。流石に独り占めって訳にもいかないか、まぁお店だし・・・少し残念な気持ちになりながら湯に入ると、徐々に湯煙が晴れていき・・・先客の姿が露わになる・・・が
長い髪と、豊満な胸・・・胸!?・・・それと下半身が・・・足が二つに分かれてない?というか長く水面を
「蛇の湯へようこそ♪」
ウインクしながら挨拶をしてくる姿は、まぎれもなくこの宿に迎え入れてくれた女性だった。・・・少なくとも、上半身は
「えっ、ちょ、あれ? ここ男湯じゃ!? っていうか貴方は・・・」
反射的に彼女に背を向けながら、彼女に問う
「あれ?ここは混浴ですよ〜。言ってませんでしたっけ♪」
「言ってないですよ!!」
というか口調からして、絶対言ってないでしょあの人! 笑ってるし!
「そういえば自己紹介はまだでしたね。私、ラミアのルミです。」
い、今ラミアって・・・ということは魔物?・・・状況に頭が追いつかず、軽くパニクっている。
「まぁまぁ、ここには私達しかいませんし、問題ないですよ♪」
いやいや貴方の存在が一番の問題なんだけど・・・これが魔物と人間の意識の差か・・・
やり取りをしているうちに、湯につかっていない上半身は冷え始め、夕暮れの冷たい風に思わず鳥肌が立つ。
「っ! 寒っ・・・とにかく僕は上がりますからね!」
言い残して、湯から上がろうとするがそれより早く彼女は僕の体に尾を絡めてきた
「えっ? ちょ、ちょっとなんで!?」
不意に彼女が後ろから抱きついてくる。それと同時に、二つのマシュマロが背中にあたる。
「だって寒いっていうから温めてあげようと思って♪それに私もこっちのほうが暖かいですし〜♪」
僕の肩に顎をのせ、上機嫌に鼻唄を歌う彼女
一方の僕は、体を離そうと脱出を試みるが、女性とは思えない力でロックされており
動くのもままならない
「ねぇねぇ、何で逃げようとするの?」
随分と不思議そうに質問してくる。
「しょうがないなー、えいっ♪」
言葉と共に彼女の尾が僕の足に、体に絡み付いてくる。さらに腕にも力が入り、色々と体に触れる。・・・主に胸とか
「えへへ〜、暖かい〜♪」
言いながら、頬っぺたをすりすりしてくる
「・・・・もう、どうにでもしてください」
楽しそうに言う彼女に対し、僕はもう脱出を諦め、虚無感に浸っていた。
「ところで私は名前を教えたのに、君の名前はまだ聞いてないな〜」
遠まわしに名前を聞かれる。
「遥翔です」
「それで遥翔さん、これはなーにーかーなー?」
言いながら尻尾の先端で、僕のモノをつつく
「・・・あの、いや・・・その・・いわゆる生理現象で・・・」
言うまでもなく、僕の分身は臨戦態勢になっていた。だってさ、女性が後ろから抱きついてくるんだぜー。胸が当た
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