始まりはレイに相談したことだった・・・・
「レ〜イ〜聞ーいーてーくーだーさーいーよ〜」
片手にグラスを持ちながら、彼女にからむ
「またかのぅ、とにかくこれ以上飲むのは止せ」
少しうんざりしたようにレイは言う
彼女はレイ、私の古くからの友のバフォメットでありサバトの長である
「だって、これが落ち着いていられますか!」
冷静な彼女に対して、酒の入った私は感情的になっていた
「だってコウ君ってもしかしたらその………ロ、ロリコンなのかも知れないんですよ!」
「な、なんじゃとーー!!」
数秒前まで面倒臭そうに話を聞いていた彼女だったが、「ロリコン」という言葉を聞いた瞬間一気に私に近づいてきた
「く、詳しく聞かせてくれ」ハァハァ
冷静だった彼女はどこへいったのやら………
「そ、その………この前、街中で彼がアリスと話していて、何というか甘酸っぱい空気になって……その後………き、キスしてたんです!」
「ほぉ、フレンチ、ディープかの?」ジュルリ
「いえ、ほっぺにキスされてたんですよ」
「なんじゃその程度か」シュン
一気にテンションが落ちる彼女
「その程度じゃないですよ!キスですよキス!!」
「まぁ、つまり、それで不安なのじゃな」
腕を組みながら言う彼女に私はコクコクと頷く
「ならばこれをやろう」
そういってレイは何処からか飴玉らしきものを取り出した
「飴玉?これでどうするんです?」
「フッフッフッ、一見飴玉に見えるがこれは我々サバトの開発部の技術の結晶、[魔物]が食べたら子供になれる魔法具なのじゃ」
「つ、つまり、私がこれを食べれば……」ゴクリ
「ロリレーナの誕生じゃ!!!」
「なんですかそのネーミングは!!」
何か暴走する彼女にツッコミをいれる
「いやいや、子供とはいいものじゃぞ。嘘をつくこともなく、素直になれるし、なにより兄様に甘え放題だしのぅ」
「・・・・・でも・・・・」
「しかも兄様は撫でてくれるし、優しいし、かっこいいし、何でもできるし、料理も…………」
戸惑う私を無視して暴走しながら語る彼女は実に楽しそうでした
〜〜〜〜〜
そんなこんなで私は飴玉をもらい家に帰ってきたのですが・・・
「でも・・・やっぱり・・・・・いくらなんでも・・・」
貰った飴玉を見つめながら私は迷っていました
勢いで貰ってしまったがこれを食べ、私が幼児化したところで、それで解決するでしょうか?
少しの間考えましたが、うまく考えがまとまらず(主に酒の所為)
そのまま眠りに落ちました(これも酒の所為)
〜〜コウside〜〜
「ただいま」
夜遅くと言うこともあり、静かにドアを開けながら小さな声で言う
「スゥ―・・・・スー・・・・・・」
静寂に包まれたリビングの中で可愛らしい寝息が聞こえる
「クスッ、レーナったらまたソファーで寝て」
小さく笑いながら彼女の寝顔を覗き込む
――幸せそうな寝顔
この顔を見ているだけで自分は幸せものだと感じられる
もうしばらく見ていたかったが
「っと、このままじゃ風邪引いちまうな………って魔物って風邪引くんだっけ?」
自問自答しながらも「まぁいいか」と結論ずけ、彼女を抱き上げベットまで運び、上からそっと布団をかけ、「おやすみ」と小さく言いながら部屋を後にした
その後風呂などを済ませ、自分も寝ようかとした時
ソファーの近くにに飴玉がおちていることに気付いた
昔はよく食べたなぁなどと思い返しながらも懐かしくなり、口に含んだ
口中に甘さが広がり、子供の頃の懐かしい感じがよみがえる
コロコロと口の中で転がしていると、徐々に視界が歪んでくる…
……あれ……おかしいな…
………少し疲れてるのか?
とりあえず早く寝よう
俺は飴玉を舐め終わると、直ぐ歯を磨き、ベットに入った
〜〜レーナside〜〜
朝、違和感に気付き目が覚める
左手に何か柔らかいものが
というか誰かに手を握られ、体に密着している
小さく柔らかい手のひら
目を開くとに幼い子供の顔が視界を埋めていた
『か、可愛い!』
瞬間的に私はそう思ってしまう
でも、どうしてこんな男の子がここに?
男の子の顔をじっと見つめていると
やがて目を覚まし
「ん………あ!おはよう、レーナお姉ちゃん!」
いきなり抱きついてきた
「え?えっ!?」
戸惑いながらもとりあえず男の子に問う
「えーと、君は誰ですか」
すると男の子は涙を目に浮かべながら
「お姉ちゃん……僕のこと嫌いになっちゃたの?」
――グサッ
殺人的な声と表情が私の精神に突き刺さり大きなダメージを与える
潤んでいる目は透き
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