―――――この手紙を見た者が力無き者であるなら、この手紙を今すぐ元の場所に戻し
ここで見聞きした事を忘れてほしい。何もせず、いつもどおりの日常へ帰るんだ。
―――――だがもし――この手紙を見た者が力ある者であるのなら、ワンダーランドから娘を助けて欲しい。
この手紙がおいてあった部屋にガラスで出来た扉があるだろう。そこに入ればワンダーランドに転送されるようプログラミングしてある。
だが気をつけて欲しい。今のワンダーランドは何者かによって改ざんされ、世界が非常に安定していない。
もしかすると2度と元の場所に戻れないかもしれない。
だが私にはもうこうして手紙を残し、外の世界から来る者に助けてもらうしか方法が無いのだ。
迫り来る教会の連中と衰えていく身体にはどうしても勝てなかったのだ。
どうか、娘を救うために力を貸してほしい。私もワンダーランドに入りこの手紙を読む者たちを待っている。
ワンダーランドに入ったら、「エクンエルラディル」というウサギを探してくれ。それが私だ。
どうか、君がこの世界と娘の救世主となる事を―――
Lidarlence
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これでいい。これで後は遣り残すことはもう無い。
遠く離れたこの異国の地であれば、教会の奴らもそう簡単には来れまい。
それについ先ほど膨大な魔力を持った稲荷を捕まえたことだ。珍しいことに九尾の狐だ。
こいつのおかげでもうシステムに魔力を追加する必要が無くなった。
あとは、時間を掛けて娘を助け出せばいい。
「・・・む・・・・・・・・・」
あの稲荷を捕まえるために少し手こずってしまったのか、目眩がする。
早く、ワンダーランドに行かなければ。少しでも娘を観測し、来たる救世主の為に情報を集めなければ。
なに、所詮データ世界だ。やり直しなぞいくらでも利く。
「今、会いに行くからな。アリス・・・・・・・・・」
そうして、私はガラス扉の向こうにある、「狂った世界」に進んだ。
いずれやってくるであろう救世主を待ち望んで。
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「・・・・・・あれ?・・・・・母様ー?どこに行ったのですかー?」
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