第4話 世の中そんなに甘くない件について

「え〜! さっきのってプロポーズじゃなかったんですか〜!?」

どうも。先程はテンパってとんでもないことをしでかした御上宥です。
お姉さんにはさっきのことについて慌てて弁明させて貰いました。
付け加えて言うとお姉さんはホルスタウルスのシェリルさんというらしい。

「あははは。まぁシェリルさんみたいな魅力的な人を貰えたら幸せだと思いますけどね」

「結局どっちなんですか〜?」

説得の末、シェリルさんはとある条件を満たせばギルドに加入してくれることを約束してくれた。
条件と言っても別に難しいことじゃない。これから森へ行って木の実や薬草を採取する手伝いをするだけだ。もしかしたら他にもメンバーを見つけられるかもしれない。

俺はシェリルさんと一緒に森へ入った。
異世界の森というイメージからもっと薄暗いかと思っていたが、日差しが入ってくるのでそうでもない。
森林浴とかにはもってこいの場所だろうね。

「木の実ってどういうのを取ればいいんです?」

「あれですよ〜」

シェリルさんは上の方を指差す。そこにはピンク色で桃のような木の実がたくさん生っている。
しかし高い。俺は木登りとかは苦手なので取りに行くのは無理だ。

「あの木の実、とっても甘〜くて美味しいんですよ〜」

「どうやって取るんですか? あんなに高い所にあるのに……」

「それは〜。カナンちゃ〜ん!!」

シェリルさんは森の奥の方に大声を出した。
すると森の奥からものすごいスピードで何かがこっちに向かってくる。
何かは木から木へ飛び移ってるように見えた。
そして最終的に俺の目の前に着地する。

「……呼んだ?」

現れたのは頭に虫の様な触覚が生えていて、全身的に緑色の格好をしている少女だ。両手には鋭い鎌がついていた。総合的に見て、蟷螂にそっくりだ。

「いつものお願いできますか?」

「……うん」

蟷螂の少女は跳躍だけで木の上まで登る。
驚異的な身体能力だ。
あと太腿が眩しい。

「これ持って下さいね〜」

俺はシェリルさんから木で出来ている籠を渡された。

「いいですよ〜!」

シェリルさんの言葉を皮切りに上から木の実がどんどん落ちてくる。
シェリルさんはポワポワしてると思ったが、落ちてくる木の実を落とさずに手早く籠に入れている。
俺も負けずに落ちてくる木の実を籠の中に入れた。

木の実がどんどん溜まって、籠の中はあっという間にいっぱいになってしまった。
俺は木の実の甘い香りに負けて一つだけ食べてみた。
味は桃そっくりだが、食感はリンゴの様にシャクシャクしていて瑞々しい。何個でもいけそうだ。

「モップルの実、美味しいですよね〜。私も大好きです〜」

食べている所をシェリルさんに見られてしまったが、別に咎めるわけでもなく、シェリルさんも木の実を美味しそうに食べ始めた。
さっきの蟷螂の少女もいつの間にか降りてきて木の実を無表情で頬張っている。

「そういえば……誰?」

蟷螂の少女は俺の方を見て聞いてくる。

「ヒロさんっていうんです〜。もしかしたら私のお婿さんになってくれるかもしれない素敵な人ですよ〜」

えっ? お婿さんとか初耳なんですががが。

「ええっと」

「カナン……マンティスのカナン」

そういえばさっきシェリルさんが名前を呼んでたな。
マンティス。ゲームだと巨大な蟷螂の化け物だけど、どうやったらここまで変わるんだ?
今のところバフォメット並みのギャップの大きさなんですけど。
そうだ。この人も誘えないかな。鎌持ってて強そうだし。
今度はしくじったりしないぞ。

「カナン。今、俺はギルドを立ち上げるためのメンバーを探してるんだ。良かったら手を貸して欲しい」

「…………興味ない」

「あらら〜」

カナンは少し考えてくれたようだが、断られてしまった。
流石にそう上手くいかないか。
しかし唯では転ばない俺。

「力を貸してくれそうな人がいたら教えてくれないかな」

「……そういうのはセレスティアの方が詳しい。今は癒しの泉にいると思う」

そう言ってカナンは森の奥の方へ消えてしまった。
何というか口数の少ない娘だったな。
とりあえずセレスティアって誰のことだろう?

「シェリルさん。セレスティアさんって一体……」

「この辺の森を管理しているユニコーンですよ〜。と〜っても物知りなんです〜」

……もしかしたら元の世界に帰る方法の手掛かりくらい知ってるかもしれないな。
俺はさっそく癒しの泉とやらに行こうとしたが、場所がわからないのでシェリルさんに連れて行ってもらうことになる。





たどり着いた癒しの泉はとても神秘的だった。
泉の水は淡い光を発している。癒しとつくからには水に魔力でも宿ってるんだと推測する。
泉の周辺では妖精のような格好をした女の子や綿毛みたいな
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