「はっ! ふっ! ほっ!」
俺は剣を振る。剣など実際に振ったことはないから以前テレビで見たのを見よう見真似でやっているだけだが、それだけでも筋力はつくだろう。弱肉強食(この世界では別の意味で取って喰われそうだ)、生き残るためには力をつけなくては。
目標はとりあえず三日坊主にならないこと。
「ヒロ、朝から精が出るな」
気がつけばマキアが見学している。
いつからいたんだろう。
「どれ、私が見てやろう」
「あ、いいの? 我流でやるのは無理があったから助かるよ」
〜一時間後〜
「ゲホッ、ゴホッ……ぜえ……ぜえ……」
俺は一時間前の自分の不用意な一言を軽く後悔している。
マキアは全く容赦しなかった。鉄製の剣を一時間休み無しで振り回すのはキツイ。
腕がプルプルしている。足腰もちょっとやばい。
立っているのも億劫になり仰向けに寝転んだ。
「筋は悪くないんだが……如何せん体力が問題だな。これからもビシバシ鍛えてやろう(……夜のほうも頑張って貰わないと)」
ある程度鍛えてたつもりだったけど、まだまだ甘かったな。
これから長旅も増えてきそうだし、体力作りを徹底的に頑張ろう。
そしてちょっと身の危険を感じたのは何故だ?
「そろそろ朝食ですよ〜ってヒロさん、大丈夫ですか?」
ブリジットが心配そうに見てきた。
そうか、もう朝飯か。
とりあえず水を一杯持ってきてもらおうか。
◆
今日の朝食は昨日食べられなかったサンドイッチを作って貰った。
サンドイッチも美味いが、この牛乳もまろやかでコクがあり美味い。
さっきまでの疲れが吹き飛んでしまった。
その様子をシェリルさんがニコニコしながら眺めている。
「ヒロ。お主は今日は休め」
朝飯を食べている最中にミリア様がそんなことを言ってきた。
周りもその言葉にピクリと反応する。
「……いきなり休めと言われても」
「たった二日でこれだけのメンバーが揃っておる。別に急ぐ必要もないじゃろうて。……そうじゃ、町にでも行って遊んできたらどうじゃ?」
急いだからって見つかるようなモンでもないだろうし。
あんまりハイペースでやっても持たないだろう。ガス抜きも必要か。
「だ、だったら!」
ミリア様との会話にブリジットが顔を赤くして割り込んでくる。
「私と行きませんか? 案内も出来ますし」
自慢じゃないが、俺は結構迷子になり易い。土地勘の無い所ならなお更だ。
この申し出はありがたいけど。
「ヒロッ! 私と一緒に行こう。剣もある事だし防具でも見繕ってやる!」
「あ〜ん、私もヒロさんと一緒に遊びに行きたいです〜!」
「あそぼ! あそぼ!」
マキア、シェリル、リルに誘われる。
ちなみにリルは俺の頭の上が気に入ったらしく、よく乗っかって昼寝している。
「あー先越されたー」
マルチダはテーブルの上でうな垂れている。
そんなマルチダを部下四人は励ましている。
そしてコルルは水が入ってる壺から顔を出してこちらをじっと見ている。
何か言いたげだ。
「わたしも……ヒロと遊びたい……」
何このカオス。
あれだ。ちょっと前までこんなに女性と関わることなんて無かったのに。
あれか? モテ期か?
俺、近いうちに死んだりしないよね?
「ふ〜む。ちょっと見ないうちに……やるではないか」
「私が最初に誘ったのに……一番最初に好きになったのに……」
ミリア様は面白そうな顔をしているが、ブリジットは悲壮感漂う顔をしている。
何かブリジットが可哀想になってきた。
結局全員で遊びに行くことになった。
ミリア様も町に用事があるとの事でギルドはもぬけの空になる。
勿論戸締りはしていった。
〜トラカパの町〜
「おい、アレ見ろよ」
「うわっ、スゲー!」
「てか、あいつ誰?」
「MO☆GE☆RO」
「URYYYYYY!」
「ウホッ! いい男」
めっちゃ注目されている。
当たり前か、俺を含めて計13人。注目されないほうがおかしい。
嫉妬の目で見るもの、羨望の目で見るもの、好奇の目で見るものと様々だ。
そして後半何だ!? 俺はノーマルだからな!
トラカパ町は人で大賑わい。
これでも町としては小規模だそうで、いつか大きな町にも行ってみたいものだ。
人だけでなく魔物も含まれていて、武器を持っているもの、商いをしているもの、様々だ。
あと、行く途中で男をナンパして路地裏に連れて行った魔物も見かけた。
これは別にいいか。
ミリア様について行ってたどり着いたのは『雑貨屋 伊予』と看板に書かれている大きな店。
まだ朝だからか人の入りは少ない。
「わしの目的地はここじゃが、お主はどうする?」
俺は興味があったので入ってみることにした。
店内は広く、武器、防具、薬品、衣類、道具、その他諸々沢山置いてある
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