ぬめる女房

 俺は、皿洗いを中断して寝室へ入ろうとした。会社から受け取った福利厚生関係の書類をそこに置いたままだったからだ。入ろうとすると妻がいる。俺は、何をしているのかとのぞき込む。
 妻は右手には針を、左手にはピンク色のコンドームを持っている。鼻歌を歌いながら、コンドームに穴をあける。
「これで、裕君の精液は私の子宮に入っちゃうね。今日も精の付く物をたっぷり食べさせたから、濃ゆい精液が出るよね」
 俺は、音を立てないように滑り止めの手袋をはめる。両手に握りこぶしを作ると、妻の頭を左右からグリグリと圧迫してやる。
「痛い!痛いよ、裕君!」
 俺は、妻の叫びを無視して握りこぶしを押し付け続けた。

 俺の前には、妻である雨音が座っている。正座をさせたいところだが、妻の下半身は魚の胴体、具体的に言うと鰻の胴体だ。雨音は、鰻女郎という魔物娘だ。上半身は人間の体だが、下半身は鰻の体なのだ。正座させることは出来ない。俺は、仁王立ちになって雨音を尋問する。
「あのね、あのね、私は子供が欲しいんだよ。裕君との愛の結晶が欲しいんだよ」
 雨音は、上目遣いに俺を見上げながら言う。
 俺は、深くため息をつく。このことは、雨音とは何度も話し合ったのだ。貯金して金をためてからでは無いと、子供を作らないと言い聞かせたのだ。それなのに、まだあきらめてはいないらしい。
 子育てには手間暇、そして金がかかる。今の俺達では無理だ。恥ずかしながら俺の稼ぎは少ない。残念ながら雨音の稼ぎも少ない。今住んでいる中古の住宅だって、やっとのことで買ったのだ。幸い雨音は魔物娘であり、年を取りにくい。俺も、雨音と交わることで魔物になっており、年を取りにくい。だから、ある程度金をためてから子づくりしようと、雨音に言っているのだ。
 俺と雨音が務めている会社は、産休、育休中には給料は出ない。子供が出来るとなると、健康保険組合から出る出産手当金と育児休業給付金でやりくりしなくてはならない。そして雨音が勤務を再開する時は、子供を保育園に入れなくてはならない。保育園に入ることが難しいことは、連日報道されている。
 子供がある程度大きくなっても苦労は続く。公立とはいえども小学生、中学生は金がかかる。しかも、今の公立には荒れている所が多い。だからと言って私立に入れるとなれば、目玉の飛び出る金が必要だ。高校となればもっとかかる。高校に通うために奨学金を借りる例も珍しくは無い。大学に入れるための金は、計算したくもない。
 夫が働き、妻が子育てをする。そんなことは昭和の話だ。現在において子育てをしようとすれば、共稼ぎでやらなくてはならない。雇用の劣化した現在では、共稼ぎでも子育ては難しいのだ。だから俺は、金をためるまでは子供をつくる気は無いのだ。
 今は子供を作らない、金がたまるまで待てと、俺は雨音に念を押す。雨音は、何も言わずに憮然とした顔をしていた。

 風呂から上がった後、俺はエアマットを見ながらビールを飲んでいた。紫色のエアマットは、俺と雨音が寝るベッドだ。雨音の体は粘液で覆われており、普通のベッドや布団で寝ることは出来ないのだ。だからエアマット上に横たわり、同じ素材の掛物をかけて寝るのだ。
 俺は、雨音との入浴を思い出す。雨音は、俺の体を泡踊りして洗ってくれた。ボディーソープと雨音の体の粘液が混ざり合い、俺の体に快楽を与えてくれた。雨音の体に何度も精液をぶちまけてしまった。
 その後は、雨音の中をたっぷりと楽しんだ。ただし、コンドームを付けてだ。俺は、子供を孕ませるつもりは無い。コンドームは、きちんと買ってきている。ひと月前の様に、雨音に穴をあける暇は与えなかった。
 雨音はやや地味な顔立ちをしているが、整った顔立ちをしている。夫のひいき目かも知れないが、雨音は美人だと思う。それに、雨音の体は気持ち良いのだ。手でつかみきれないほど胸が豊かな上に、体中が粘液で覆われている。胸を初めとする体中を使い、天然ローションで俺の体をマッサージしてくれるのだ。仕事の終わった後にこれをやってもらうと、天にも昇る心地だ。
 俺は、自分の股間を見て苦笑する。さすがにこれ以上は出来ない。俺は、魔物になって性欲は強くなった。しかも雨音は、俺にやたらと精の付く物を食べさせる。山かけのマグロ丼、スッポンの吸い物、マムシ酒、一番多いのはカキ料理だ。生ガキ、カキフライ、カキなべ、カキそばなどを食わせてくれる。さらに、それらの料理に自分の粘液を混ぜる。鰻女郎の粘液は、精力剤になることで知られているのだ。それでもセックスをやりすぎれば、精液は出なくなる。
 俺は、手の中のコンドームを見る。油断することは出来ない。鰻女郎の粘液の効力は知っている。俺に口移しで飲ませ、あるいは身体に塗り付けてくる。そうすれば精力が回復してしまう。コンド
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