迷犬ヘルハウンド

 潔は、薄暗い部屋で本を読んでいた。読んでいる本は、切腹した事で知られる昔の小説家の書いた物だ。潔には難しい文体の小説だが、興味のある題材を描いているために読んでいる。
 静寂が支配していた部屋に、チャイムの音が響いた。すぐ後に、階段を駆け上がる音が聞こえて来る。足音の主は潔の部屋の前まで来ると、ノックもせずにドアを開けた。
「おい、潔、遊びに来たぞ」
 声の主は、全身が黒に見える大柄な女だ。黒革のジャケットにブラックジーンズをはいている。加えて、黒髪にダークグレーの肌をしているために全身が黒に見える。人間だったら黒人でも茶色の肌であり、ダークグレーの肌はしていない。彼女はヘルハウンドと言う犬の様な魔物である為に、ダークグレーの肌をしているのだ。
 彼女の手足と首には黒い獣毛が生え、手足には紫色の爪が生えていた。ジーンズには穴が開いており、黒い獣毛に覆われた尾が出ている。目は炎のように赤く、人間の眼ではないと分かる。
 この様に怪物じみた姿をしていた。だが、彫りの深い整った顔立ちをして、口元にはいたずらっぽい笑みを浮かべている。豊かな胸や筋肉質の体は、官能的な魅力がある。二十代半ばの美女と大型の犬が合わさったような姿だ。
「潔は相変わらずいい匂いだな。舐めてやるよ」
 ヘルハウンドは、潔の顔や髪に鼻を擦り付けながら匂いを嗅ぎ、頬を舐め回した。
「止めろよ、本を読んでいるんだから」
 潔の抗議に耳を貸さず、ヘルハウンドは抱きしめながら顔を舐め回し続ける。
 潔は、溜息をつきながら本を閉じた。

 潔とヘルハウンドは、公園の芝生の上で転がりまわっていた。ヘルハウンドは、無理矢理部屋から引きずり出し、潔を公園に連れて来たのだ。公園に着くと、ヘルハウンドは潔に飛び掛かり、共に芝生の上でじゃれ合う。
 潔は、初めは気が乗らなかった。だが、躍動感あふれるヘルハウンドの筋肉に触れ、女らしい柔らかい肉を感じている内に、自分からヘルハウンドに飛びついていった。獣毛は柔らかく、日に照らされて健康的な匂いを放っている。潔は、大型犬の様な魔物の感触と匂いに包まれた。
 ヘルハウンドは、潔の顔に頭をこすり付けて肩を甘噛みした。ヘルハウンドの髪が、潔の顔をくすぐる。ヘルハウンドは、潔の頬を舐めて耳に舌を這わせる。熱い息が、潔の頬と耳に浴びせられる。
 二人は、共に芝生の上に大の字になった。体中に草を張り付かせた二人の体を、春の日差しが照らす。二人は、草の匂いの混じった互いの匂いを嗅ぎ、暖かい日の光を楽しむ。
「こんないい天気の日は、外で転げ回ったほうがいいのさ」
 ヘルハウンドは、笑いながら言う。
「アレクサンドラが元気すぎるんだよ」
 潔は、ヘルハウンドの名を呼ぶ。
 アレクサンドラは、潔を遊びに誘う事が多い。平日でもこうして遊びに誘う。アレクサンドラが何の仕事をしているのか、潔には分からない。以前は自衛隊で働いていたそうだが、現在は別の仕事をしているそうだ。アレクサンドラの口から民間軍事企業と言う単語が出た事があるが、それが本当かどうかは潔には分からない。
 アレクサンドラと呼ばれたヘルハウンドは、潔を抱き寄せた。潔の顔を、自分の豊かな胸に引き寄せる。潔の顔は、カットソーから見える胸の谷間に包まれる。汗の匂いの混じった甘い体臭が、少年の顔を包む。
「おーおー、お前も元気じゃねえか。さっそく勃っているぞ」
 アレクサンドラは、硬くなっている潔のペニスに体をすり付ける。
「今日は野外プレイだ。たっぷりと搾ってやるからな」
 大型犬の魔物娘は、少年の頬をなめながら笑った。

 アレクサンドラは、潔を木陰に引き込んだ。パーカーとシャツをぬがして、潔の上半身をむき出しにする。アレクサンドラは、潔の胸に鼻をすり付ける。
「やっぱり、お前の匂いはそそるよ。嗅いでいるだけで濡れちまう」
 アレクサンドラは、鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。鼻だけでなく口も付けて、潔の胸をなめ回す。肉厚の舌が、少年の薄い胸をねぶる。唾液で濡れた舌の感触と熱い吐息の感触に、少年は喘ぎ声を上げる。
 アレクサンドラは、顔を下げて潔の腹をなめ回す。なめ回しながら、潔のジーンズを脱がす。固くなったペニスが、ジーンズから解放される。トランクスは、既に先走り汁で濡れている。アレクサンドラは、トランクス越しに潔のペニスに顔を押し付けた。
「お前のペニスは熱いな。それにパンツにはお前の臭いが染み込んでいる。お前のパンツをくれよ」
 潔は、顔を赤らめて顔をふる。
「いやだよ、そんなの変態じゃないか」
 アレクサンドラは、わざとらしく音を立てて臭いを嗅ぎ続ける。
「それがどうした?あたしが変態なのは、今更わかった事じゃないだろ。もっと、変態な事をしてやるよ」
 アレクサンドラは、ニヤリと笑って潔のトランクスを引き
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