劇場は熱気で包まれていた。男達が出す熱気だ。彼らは、舞台の上で繰り広げられる痴態に興奮していた。舞台は、客席に360度囲まれている。劇場の中央へは、客席からの食い入るような視線が注がれている。
舞台の上では、複数の人間の男と魔物の女がいた。男達は裸だ。体にオイルを塗っており、照明に照らされて全身が光っている。女達は裸ではない。裸よりも恥ずかしい卑猥な衣装を着ていた。衣装は光沢のある皮や金属で出来ており、露出度が高かった。男たち同様、全身にオイルを塗っていた。肉感的な体を怪しく光らせていた。官能的な人間の女の体には、人ならざる体がついていた。ある者は、下半身に馬の体が付いていた。ある者は、下半身に蜘蛛の体がついていた。そしてある者は、下半身に蛇の体がついていた。魔物の女達は、人間の男達と体を交えていた。
「さあ、見せ付けてやりましょう。見ることしか出来ない臆病な連中にね」
女は、目の前の男にいたずらっぽく言った。女は褐色の肌をしていた。肌はオイルでぬめり光っていた。豊かな胸には、光を反射する金色の金属で出来た小さな乳当てを付けていた。下腹部には、金色に光る布が巻き付けてあった。布の下からは、赤いうろこのついた蛇の体があった。女は男に顔を寄せた。金色の釣り目の似合う整った細面を、豊かな金髪が覆っていた。
「今は、せいぜい楽しみましょう。奴等以上に楽しみましょう」
女は微笑むと、人ではありえない長さの舌を伸ばした。胸に舌を這わせ、腹へと進めていった。男の茂みを舌でくすぐり、ペニスを突ついた。男はうめいた。ペニスは反り返り、先端から透明な液体をたらした。女は液を舌の先で舐め取り、唾液をペニスにまぶしてペニスを光らせた。女は乳当てをずらし、豊かな胸にペニスを挟んだ。胸をゆっくりと、次第に早く上下に動かした。舌を、ペニスの先の部分に這わせた。胸とペニスは、オイルと唾液と先走り汁で濡れて光を反射した。女は、男と観客に見せ付けるように胸と舌を動かした。男のペニスは膨らみ、痙攣するような動きを見せた。
「いきそうなのね。いっぱい出して、私の顔と胸を汚して」
女は乳首を棹にこすりつけ、裏筋を強く舐め回した。男は耐え切れず、白濁液をぶちまけた。大量の精が吹き出した。人ではありえぬ量だ。男は魔物娘と交わり続けた事により、インキュバスとなっていた。もはや男は、人ならざる者となっていた。白い汚液は、女の褐色の顔と胸を覆った。額、まぶた、鼻、頬、口、あごを白く汚した。胸も谷間のみならず、乳首や腋の下まで白く染めた。あたりには、きつい精の臭いが漂った。
「いい匂いね。いつまでも染込んでいそうなくらい強烈な匂いね」
女は、濃厚な白濁液で鼻を覆われながら言った。舌を伸ばし、顔に付いた粘液をゆっくりと舐め取っていった。続いて胸に付いた液を、ペニスごと丁寧に舐め取った。
観客の鼻の息が荒くなった。目は血走り、股間はそそり立っている。そんな観客を馬鹿にしたように見渡すと、女は腰の布をこれ見よがしに取り外した。人間と蛇の体の境目が現れた。境目の中心に、赤いヴァギナがあった。既に濡れており、照明に照らされて光っていた。女は、唾液と新たに湧き出した先走り汁で濡れたペニスにヴァギナを押し当てた。ペニスは、ヴァギナに飲み込まれていった。女は、赤く光る蛇体を男の体に巻きつけた。腕を男の体にまわした。
男も、女の体に腕を回した。腰に力を入れ、女に合わせて動かした。女の言うとおりだった。今は楽しむしかなかった。性技の見世物にされても、奴隷である彼らがわずかでも味わえる楽しみなのだから。
アフマドは解放奴隷だった。生まれた時は奴隷だったが、17歳の時に奴隷の立場から解放された。アフマドは、主人の温情によって解放されたわけではない。打算と悪意によって解放された。
アフマドの主人は、奴隷達を酷使していた。自分の農園で、朝早くから日が暮れるまで重労働をさせた。労働に耐え切れず働きが悪くなるものに対しては、四六時中暴力を振るった。鞭で殴るのはまだいいほうで、焼けた鉄の棒を押し付けたり、逆さにして木に吊るした。見せしめのために犬に食い裂かせたり、首まで土に埋めて餓死させる事もあった。逃亡しようとしたり反抗する奴隷もいたが、彼らは捉えられ嬲り殺しにされた。逃亡に失敗して捕らえられたある奴隷は、両手と両足を切断された。主人は、逃げられるものなら逃げてみろと言って、死ぬまで放置した。
残虐な扱いを繰り返し受けたために、奴隷の中には自殺したり気が狂うものが続出した。そこで主人は妥協する事にした。一部の奴隷を働きが良い、主人に尽くしたなどの理由で解放した。アフマドは、主人に尽くしたという理由で奴隷の立場から解放された。とは言え、主人の管理下である事には違いなかった。主人から
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