バンシー妻の憂鬱

 はい、泣いてばかりいて申し訳ございません。ですが、私の日々のことを思い起こせば、泣きたくなるのでございます。「不死の貴族」ワイトであるあなたさまの前で、このような醜態を晒すことは不敬であることは承知いたしておりますが…。
 それでは、泣くのを止めてお話しさせて頂きます。そうは申しても、愚痴になると思います。どうかご容赦ください。
 お話申し上げたいことは、私の夫のことでございます。私の夫は、その…、へ、変態なのです…。

 私の夫は、元は反魔物国の貴族でございました。領地を持っており、裕福な暮らしをしておりました。夫は、夫の父君から領地の経営を学び、うまく収めていたようです。宮廷からも仕官の話が来ていたそうです。本来ならば、夫は将来を約束されていたのです。
 その約束された将来は、夫の奇癖によって潰えました。夫は、度外れた変態だったのでございます。
 夫は、独り身だった頃に、娼婦を相手に乱行をくり返したそうです。複数の娼婦を一度に相手をするのは、まだましな方だったようです。口には出来ない破廉恥なことを、くり返したそうでございます。
 えっ、私は、その乱行は直接見ておりません。ただ、夫の口から聞かされたのでございます。また、その地で情報収集を行っていたサキュバスから、聞かされたのでございます。その、サキュバスは魔水晶で映像を取っており、その映像を見せてもらいました…。
 み、見聞きしたことを具体的に話せとおっしゃるのですか!その、お、お許しください。あまりにも破廉恥なことなので…。め、命令だとおっしゃるのですか!そんな…。
 わ、分かりました。それではお話いたします…。
 夫は、動物の毛皮をかぶって娼婦たちを犯していたそうです。犬や狼の毛皮を頭にかぶったり、熊の毛皮で体を覆ったそうです。その状態で娼婦たちに覆いかぶさり、蹂躙したそうでございます。夫は、けだものの声をまねながら犯したそうです。
 また、娼婦たちに犬の毛皮を頭にかぶせたり、羊の毛皮を着せたりして四つん這いにさせたそうです。その状態で、後ろから責めたそうでございます。娼婦たちには、けだものの声をまねさせたそうです。
 私は、魔水晶でその乱行のいくつかを見ました。畜生の浅ましさと言ったら、畜生に失礼でしょう。そのくらい破廉恥な有様でした。
 呆れたことに、夫は本当にけだものを犯したのです。調教した雌犬にペニスを舐めさせたり、雌羊や雌豚を後ろから犯したのです。その挙句、娼婦たちにもけだものの相手をさせました。
 私は、魔水晶の映したものを忘れることは出来ません。1人の娼婦は、馬を相手にしていました。う、馬のペニスを、な、舐めていたのです。夫は、そのさまを見ながら、別の娼婦にペニスをしゃぶらせていました…。
 も、申し訳ありません。泣き出してしまって。あまりにも浅ましくて、情けなくて…。
 ただ、これで済めば良かったのでしょう。夫は、反魔物国では決して許されない行為をしたのです。
 それは、夫の気に入っていた娼婦が亡くなった時のことでございます。夫は、その娼婦の葬儀を行いました。夫には狙いがございました。亡くなった娼婦を犯すことです。
 夫は、その時のことを生き生きと話してくれました。娼婦の亡骸を思う存分に犯したそうです。ぐ、具体的に話せとおっしゃるのですか…。お、夫は、亡骸の口の中にペニスを入れて、生前と違う冷たさに感動したそうです。硬くなった胸にペニスをこすり付け、同じく硬くなった尻の感触を堪能したそうです。そして冷たくなっている前と後ろの穴を楽しんだそうです。
 このようなことは、反魔物国では冒涜行為とみなされます。私たちは、アンデットと交わることがあります。ですが、夫のいた国では異常な行為なのです。夫の行為が露見すれば、夫は破滅します。
 夫は、慎重さなど無い人です。自分の館の女使用人に変態行為を要求したために、女使用人たちは次々と逃げだしました。自分の領地を歩き回って、女の領民を物色していました。夫が来ると、領民たちは自分の妻や娘を隠したそうです。
 ついに、夫が罰せられる時が来ました。教会で、とある女の葬儀が行われると、夫は教会に押し掛けたそうです。そして、その亡骸を犯そうとしたそうです。
 主神教団は、夫を告発しました。王の役人は、夫を捕らえようとしました。その時に夫は、ゾンビの格好をさせた娼婦と楽しんでいる最中でした。夫は、娼館の窓から逃げ出し、雨の中を裸で走り回ったのです。
 散々逃げ回った夫は、町はずれの廃屋に隠れました。その時、夫の体は冷え切っていました。晩秋の雨の中、裸で逃げ回ったのです。夫は、高熱を出して震えていました。夫の命の灯は消えつつありました。
 私は、その時に偶然近くを通りかかりました。私はバンシーです。死にゆく者を敏感に察知することが
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