カルロは、街の道を走っていました。手には、お父さんからもらった銅貨を握り締めています。彼の家の近所には広場があります。今日は、そこで愛の女神の踊り子であるアプサラスが踊るのです。
アプサラスは3日に一度、夕暮れ時にその広場で踊ります。カルロは、その踊りをくり返し見に行きました。でも、踊り子に払うお金が無いので、いつもは離れて見ていました。今日は、お父さんからもらったお小遣いがあります。すぐ近くで見ることが出来るのです。
カルロは、転びそうになりながら急いで行きました。
カルロが広場に着いた時は、アプサラスの踊りが始まる直前でした。カルロは何とか間に合ったのです。彼は、もっと早く来たかったのです。でも彼は、お父さんの仕事の手伝いをしなくてはなりません。お父さんから肉屋の仕事を学んで、いずれお父さんのあとを継がなくてはならないのです。
広場には、人だかりが出来ていました。カルロは、その人の輪にもぐり込みます。輪の中には、愛の女神の楽士であるガンダルヴァがいました。褐色の肌をしていて、金色の翼を持っている魔物娘です。手の代わりに翼を使って、ヴィーナという楽器を演奏するのです。
ガンダルヴァの隣には、カルロのお目当てである踊り子がいました。褐色の肌をしていて、水色がかった銀色の髪をした女の人です。見た目は人間と同じに見えますが、アプサラスである彼女は水の精霊なのです。街は川沿いにあるために、アプサラスが暮らすことが出来るのです。
アプサラスは、ガンダルヴァのヴィーナの演奏に合わせて踊ります。彼女たちは、愛の女神に仕える者です。この街には愛の女神の神殿があり、彼女たちは曲や踊りで愛の女神の教えを伝えるのです。彼女たちは、この広場以外にも街のいろいろな所で踊っています。
カルロは、アプサラスをじっと見ました。相変わらず裸のような格好です。いえ、裸よりもいやらしい恰好かもしれません。胸と股を少しだけ白い服で覆っている姿です。その白い服は透けそうなために、赤い乳首が見えそうです。そして体中に金の装身具を付けていますが、それらは彼女の体を強調しているようです。
アプサラスは、カルロの方を振り向きました。体を露わにした踊り子なのに、温和そうな顔立ちの美女です。彼女は、カルロにほほ笑みました。彼の顔は熱くなります。アプサラスが自分にほほ笑んでくれるとは思わなかったのです。でも、カルロの回りには見物客がいます。その人たちにほほ笑んだだけだと思い、彼は自分の勘違いに恥ずかしくなってしまいました。
ガンダルヴァとアプサラスは、見物人に優雅に一礼をしました。そしてガンダルヴァは、ヴィーナを奏で始めます。初めはゆっくりとした弾き方です。その弾き方に合わせて、アプサラスは踊り始めました。
アプサラスの体からは、白いミルクの幕が現れました。その幕は、彼女の踊りに合わせて優雅に舞い始めます。褐色の肌の踊り子は、白いミルクの幕と共に踊るのです。ガンダルヴァの演奏は次第に速くなり、それに伴いアプサラスの踊りも速くなっていきます。
アプサラスは、豊かな胸を弾ませていました。腕を上げると形の良い腋が見えます。踊り子のなめらかそうなお腹は、腰を動かすたびにくねります。彼女は、腰と一緒に丸いお尻を振ります。張りのありそうな太腿は、見る人を誘うように動きます。彼女の体は、波のように動く髪と共に日の光に輝きます。
カルロは、そのなまめかしい姿から目を離せません。彼は、最近体が熱くなって腰の下が落ち着かなくなります。アプサラスの踊りを見ていると、特にそうなるのです。踊りを見ていない時も、アプサラスの体を思い出してしまいます。
ガンダルヴァの演奏は、どんどん激しくなっていきました。アプサラスの踊りも激しくなります。踊り子の胸や腰は、弾けるようです。手足の動きは、優雅でありながら力強いです。まるで女戦士のようです。柔らかそうな尻の動きさえも、まるで野生動物の動きのようです。激しいのにつややかであり、見る人の欲情をかき立てます。
踊り子の回りには、ミルクの幕が踊っていました。踊り子の褐色の体と白い幕は、交わりながら踊っています。彼女のなめらかな肌は、ミルクで濡れるたびに輝きます。そのさまは、見る人の欲情を高めていくのです。
見物している男の人は、興奮しながら見ていました。女の人でさえ、顔を赤くしながら熱心に見ています。もちろんカルロも、鼻息を荒くして見ていました。自分の息が荒いことすら、興奮している彼には分かりません。
アプサラスの踊りは、愛の女神の教えに従ったものです。愛の女神は、心のつながりだけではなく体のつながりの大切さも教えます。アプサラスの踊りは、体のつながりを演じるものなのです。
この街は、主神教が力を持っている所です。主神教は愛の女神を
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