俺は、妻であるエポナの匂いを貪っていた。エポナは、不純の魔物娘と言われるバイコーンであり、馬の体に人間の上半身が付いている。服を脱がせた彼女からは、人間の女体と馬体の匂いが混ざり合ったものが漂ってくる。俺は、彼女の白い胸に顔を埋めながら深呼吸していた。
「もう、体を洗ってからにしましょうと言っているのに」
エポナは咎めるように言うが、俺はかまわずに匂いを堪能する。俺たちは商人であり、町から町へと旅をしながら商売をしている。今日も、二人で荷を担ぎながら歩いた。彼女は汗をかいており、濃厚な匂いが漂ってくる。この匂いがたまらないのだ。
宿に着くと、彼女に体を洗わせないで貪っている。この匂いを洗い流すなど、とんでもない。客の前に出る時だけ体を洗えば良いのだ。
ああ、この胸の甘い匂い、腋の甘酸っぱい匂い。そして黒馬の体から漂う獣臭。この獣臭こそがエポナの特徴だ。馬の背や腹から立ち上る、この人間とは違う甘さのある匂い。それが、人間の女体の甘い匂いと混ざり合うのだ。たまらねえ、たまらねえよ!
「ねえ、そろそろ新しい妻が欲しくないかな?」
エポナは唐突に言うが、俺は驚かない。彼女は不純の魔物娘であり、自分の夫が複数の女と交わりあうことを望む。彼女は前から俺に言っているのだ。
俺は、今は必要ないと答える。俺は、一年前にエポナと結婚した。彼女は、俺の欲望をかき立てて満たしてくれる女だ。彼女を貪ることが出来ればそれでいいのだ。第一、俺は複数の女を手に入れることが出来るほど、自分に力があるとは思っていない。
「私はバイコーンだよ。夫のためにハーレムを作ることが出来る魔物娘だよ。遠慮しないで新しい妻を手に入れましょうよ」
俺は彼女に答えずに、彼女の右腋に顔を押し付けた。俺の鼻の中に彼女の匂いで充満して、俺のチンポは硬く反り返る。
「あなたの好みの女は分かっているんだよ。ちゃんと捕まえてあげるからね」
俺は匂いを堪能しながら、彼女の言葉について考える。俺好みの女を捕まえるだと?どうするつもりだ?
「それで私の所へ押しかけて来たわけか」
諸侯の地位にあるハイオークは、面白そうに俺たちに言い放った。彼女は、主が謁見する間で俺たちを見下ろしている。彼女の座る椅子は一段と高い所にあり、その椅子は金箔で覆われている。諸侯としての富を誇示するように、金糸の刺繍がなされた黒絹の服を着て、左手で黒真珠を弄んでいる。俺たちは彼女の前に立たされていた。
俺は、神聖オーク帝国南部の諸侯の領土にいる。その諸侯の城で、主である彼女と謁見しているのだ。俺は、彼女に妻になれと要求しに来たのだ。
神聖オーク帝国とは、ハイオークが支配するオークの国だ。かつて古代には、オーク帝国という国があった。オークは単体では弱いが、集団行動を得意として数が多い。その利点を生かして古代には大帝国を築き上げ、「パクス・ブターナ」と呼ばれる繁栄を誇った。
だが、オーク帝国も今では滅び去った。オークたちはその栄光を忘れていない。そこで、かつてのオーク帝国の領土の一部に国を築き上げたのだ。それが神聖オーク帝国だ。皇帝と選帝侯を始めとする諸侯が支配する国であり、自分たちはオーク帝国の後継者だと称している。
もっとも、名前負けしている国だ。支配している領土は、かつてのオーク帝国の一部でしかない。そして何が「神聖」なのかも分からない。神聖オーク帝国と呼んでいるのはオークたちくらいであり、他国の者は「神聖雌豚帝国」と呼んでいる。
そんな国だが、国民であるオークの気位は高い。中でも、支配者であるハイオークたちの気位の高さは、反魔物国の人間の貴族を上回るかもしれない。ハイオークとはオークの上位種であり、オークたちを支配している。古代オーク帝国の皇帝や貴族もハイオークだったそうだ。この神聖オーク帝国の皇帝や貴族もハイオークだ。
エポナは、このハイオークを俺の妻にしようと言い出したのだ。そして俺は、その案に乗った。俺とエポナ、そして俺の妻たちは、帝国諸侯アガテ・フォン・ビューレンの城へ来たわけだ。
アガテは、褐色の肌をした大柄な体の女だ。褐色の肌はハイオークの特徴であり、彼女の肉付きのいい体に官能的な魅力を与えている。その豊かな胸は服の上からでも分かり、肉感的な魅力のある顔とうまく合わさっている。猪のものを思わせる耳が、少し可愛らしい。
謁見の間は頑丈な石造りだが、所々に金糸、銀糸で刺繍された絹のタペストリーがかかっている。広間は、数多くの金の燭台で照らされており、大理石で出来た彫像が飾られている。そして、そろいの制服を着たオーク兵が槍を持って立ち並んでいる。こうすることで、彼女の富と権力を誇示しているのだろう。
「お前と共にいるのは、お前の妻たちだというわけだ」
アガテの詰問に、その通り
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