俺は喪男だ。友達はいない。ネットにも友達はいない。学校時代にろくな思い出は無く、連中とは縁が切れている。会社にとって、俺は使い捨ての道具だ。地域にとっては、俺は不審人物だ。親からも見捨てられている。当然のことながら恋人もいない。クリスマスは一人で過ごす。
俺は、自分の部屋で酒を飲みながらドラッグをキメている。昔は合法だったキノコだ。キノコをキメた後、電柱に上って歌った奴がいたために、非合法になっちまった。俺はそれを部屋の中で栽培しているから、キメることが出来るのだ。
電柱に上ったくらいで、禁止するんじゃねえよ。俺は、キメた後にパンツ一丁で夜中に表を走り回ったぞ。気持ち良かったなあ。風邪をひいちまったけど。
俺は今、マリリン・マンソンの「アンチクライスト・スパースター」を聞いている。クリスマスにはふさわしい歌だ。ドラッグでパーになった頭に、喪男の魂の歌が聞こえてくる。やっぱり、クリスマスはこうじゃなければならねえ。ファック!ファック!ファック!ファック!と俺は叫ぶ。
ただ、それだけでは物足りない。そこで悪魔を呼び出すことにした。
俺は、悪魔祈祷書を片手に魔法陣を床に描いた。古本屋で買ってきた悪魔学の本だ。そうは言っても、見るからに怪しげな古本屋ではない。全国展開している、やたらと店員が元気にあいさつをする古本屋だ。そこで、税込み108円で買ってきた。
魔法陣を描くが、キノコをキメているからうまく描けない。まあ、どうせジャンクな本に描いてある魔法陣だ。線が曲がっていてもいいだろう。俺は、「しぇしぇしぇしぇしぇ!」などと喚きながら、魔法陣を描く。
俺が騒いでも、アパートの隣部屋の奴は文句を言わない。俺は、頻繁に玄関前でバッドの素振りをしている。そうしたら、俺と目を合っても露骨にそらすようになった。ついでに言うと、アパートを管理している不動産屋からは警告を受けている。そのうち、不動産屋にバッドを持って訪問しよう。
魔法陣を描き終わると、エロイ〜ムエッサイム〜などと歌いながら踊りまわる。パンツ一丁で踊るのだ。俺の胸には、ダビデの星のタトゥーを彫っている。背中には、磔にされているキリストのタトゥーを彫っている。どうだ、かっこいいだろ。
だが、いくら踊っても悪魔は出てこない。俺の歌う声が、部屋の中に空しく響く。
クソが!やっぱり出るはずがねえ!こんなんじゃ、気が晴れねえよ!
よし、もっといい気晴らしをしてやろう。包丁を片手に街へ出よう。今頃リア充どもが、ウジャウジャ歩いているはずだ。やつらを何人かぶっ殺してやる。おまわりに撃ち殺されるだと?やってみろや!絞首刑にされるだと?上等だ!どうせ俺の人生はクソだ。思いっきり弾けて、この世とおさらばしよう。
その時、部屋の中に煙がわき上がってくる。火事なのか?俺は、急いで辺りを見回す。次の瞬間、紫色の光りが弾けた。俺は、喚き声を上げながら目を閉じる。
煙と光は消えていた。代わりに一人の女が立っている。俺は、まじまじと見てしまう。とびっきりの美女が俺を見つめているのだ。そいつは、ボンテージみたいな革のエロい服を着ている。でかい胸はわずかに隠れているだけで、乳首が見えそうだ。股の所も少し隠れているだけで、少しずらせばマンコが見えそうだ。
ただ、人間にしてはおかしな姿だ。むき出しになっている肌は青い色をしている。背中には黒い翼が広がっている。柔らかそうなケツからは尻尾が生えている。何かのコスプレみたいだ。
俺は笑って首を振る。これは、キノコをキメて見ている幻覚だ。女悪魔の幻覚を見ているのだろう。俺好みのエロい女として出て来たわけだ。俺は女を視姦する。いい胸だ、パイズリをしてえ。腋もエロくてたまらねえ。腋コキしてえよ。おまけに張りのある尻をしている。四つん這いにして、ケツの穴をぶっ刺してやりてえ。よし、やろう!俺は女に飛びかかる。
女の右ストレートが、俺の顔面に叩き込まれた。目の前で星が飛び散る。「ぶべら!」と俺は喚いて、床の上にぶっ倒れる。女は俺に馬乗りになると、往復ビンタを食らわせる。「ビビビビビビ!」と、水木しげる漫画のビンタみたいな音が響く。俺は、思わず「フハッ!」と声を上げてしまう。
「じっくりと教育する必要があるわね」
悪魔は、俺を見下ろしながら言った。
俺は、床に正座させられた。目の前には、女悪魔が仁王立ちをしている。女は、自分のことを悪魔だと言っている。その悪魔は、俺に説教をしているのだ。
「ドラッグを使用するとは、どういうつもりなの?自分を壊し、社会に迷惑をかけることになるでしょ。現に、近所迷惑なのに騒いでいるじゃないの。私に襲い掛かって、何をするつもりだったの?」
そう、俺に説教を垂れる。
人の家に侵入して、説教を垂れるお前はなんだ!説教強盗の
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4]
[7]
TOP[0]
投票 [*]
感想